国家ピンポン団の恋愛者処分
04/01/08 南方週末 

   1月2日突然国家体育局バトミントン管理部副主任と、中国卓球団教練の蔡振華は恋愛中の4名を重罰に処すとの談話を発表した。これを聞いた各団員達は恐怖に包まれた。しかもこの4名の指名がその日の夕刊に発表された。
 白揚、候英超、李楠、范英已等である。1月5日からの練習は男女別に練習が行われた。
 処分発表した監督蔡氏は反響の大きさに驚いているという。「君たちマスコミは何故このようなことに騒ぐのか。恋愛が禁じられていることくらい百も承知のはずではないか」と語っている。
 ただし成績の特別優秀な選手は処罰だけは「見逃す」とのことだ。
 この監督の指導になって以来、彼自身が脊椎病になっても練習の指導の先頭に立ち続けたことが団員の尊敬を得、89年から95年まで男子部での世界制覇を成し遂げている。練習の時も普段から「軍隊の練習と同じ厳しさで、個人の利益を捨て、国家に尽くすこと」を要求している。
オリンピックで金メダルを得ている馬林は、処罰された白林の恋愛相手なので、処罰無く、河北省に帰省することになった。国際大会で第3番の王告は范英と恋愛したので退団する。
 蔡監督は2004年オリンピックが差し迫っているので、これを機に身を引き締めて練習するよう団員に要求した。
 1月3日、白揚は母親の迎えが来て故郷へ帰された。彼女の言い分では、2人の関係は以前からのことで、秘密ではなく、誰もが知っていたことだ、と言う。
 これまでの国内大会でも2人が応援し有っている姿は、全国にテレビ放送されていた。
 また、馬林と王楠との関係も、03年5月のパリ世界大会での試合中、テレビの中で2人は恋愛中だと、世界に報道されている。
どこの国においても団員間の恋愛はすでに禁止している国は無いのではないか。中国だけが陰の部分を持っている。
 中国でも高飛び込みの田亮と郭晶晶は恋愛中だった。高飛び込みの監督はこれを認めていた。バトミントンの劉永と葛菲の関係も公然だった。この監督は卓球団の処罰については「理解できる、が恋愛は個人の問題だ」とも言っている。
 しかも昨年末の混合ダブルス戦で馬林は見事なスマッシュを決めた瞬間、恋人の名前を呼び、「揚揚、どう?」と自慢げに胸を張った。周囲の人達は監督も含めて、喝采と笑いが起こっていた。
 だが新年を迎えると、突然監督の態度が変わった。監督は「練習への冒涜」だと感じたとのことだ。
 白揚は今年のアテネオリンピックで金メダルを取るつもりで練習にも力が入っていた。しかしその機会は打ち砕かれた。
 この処罰に含まれている范英はまだ17歳。彼女はこれまでにも、すでに恋愛が早いとして警告を受け、北京の国家団から地方の湖北省の団に左遷されていた。恋愛相手の王告との距離は千里以上強制的に離されていた。だが昨年末の国内大会で20番の成績を得、また北京に戻れることを夢見ていた。しかし現実は逆にさらに追加の処分が発令された。
 范英は今度は江蘇省の卓球団に配属された。彼女の友達は「中国では一定の年齢を超えなければ恋愛をしては行けないことになっている。しかしそれは個人によって大きく異なるはずだ」と言っている。
国家体育総局の宣伝部の担当者は「明確な処罰規定は難しくまだ無い」と語っている。
 
 挙国体制は可能か

 1月4日、マスコミの要求を受けて、国家卓球団の監督達の面会が催された。監督達は「今回の処罰は永久のものではない。当人達の反省次第では国家団への復帰もあり得る」とかなり当たりが柔らかいものに変わっている。
 その発表を受けて追放された4名も「恨みはないこと。国家団へ復帰を望む」と気持ちを述べている。
どこの地方卓球団も最近の若者の考えに困っている様子であるが、しかし先ず差し迫ったオリンピックに「挙国体制」を如何に整えるかが問題である。
前回のオリンピックでは中国は28の金メダルを得た。
この数を維持するためにこそ、今中国の国家団が恋愛を禁止しなければない必要性がある。
 卓球だけではなく、他の種目でも今懸命に金メダルを得る国家的要求に如何に応えるか、と言う点で奮闘されている。
 運動選手達には大きな期待と負担が掛かっていることは事実であるが、中国の体育界は世界に遅れている。従ってここで各選手が奮闘し、国家の期待に応えるべきである。国家を揚げてオリンピックに向かい栄光の道を求めていこう。