外国へ逃げた高級幹部

南方週末  03/09/25  孫亜菲

国連では9/29日に「国際犯罪取り締まり条約」が成立する。今年末には「国際的賄賂犯取り締まり条約」も成立の見通しとなった。

 中国から逃げ出した高級官僚の追跡

 現在約4千名強の、国外に中国の国家資本を持って逃亡中の高級官僚が居る。彼等の持参金は総計50億ドルを超えている。
 ただ現在は国際的に彼等を取りしまる条約が存在しないので彼等は「自由主義国」で羽を伸ばしている。

腐敗幹部の資金

 03年4/20日、58歳の浙江省建設局副局長の「楊秀珠」は娘夫婦とその孫達を連れて上海空港から国外逃亡した。彼女は国家財産を管理する高級幹部である。このような事件は中国において決して珍しいことではない。
 国家電力公司社長の原総、最高書記の高厳、貴州省交通局長廬万里、河南省たばこ専売局局長蒋基芳、中国銀行広州行長許超凡、河南省服飾公司社長董明玉等々、彼等は数億ドルを持って国外へ逃げている。国外では報道の嵐に囲まれた例もある。彼等は外国で「人の上の人」の生活を楽しんでいる。
上記のような名の知れ渡った人以外に、外国へ資産を持って逃亡した人は数知れない。 が中国のメディアが報道する場合、その数四千名、五十億ドルと記すのが例となっている。
 これらの数字はもうかなり以前のもので、現在は既にはるか膨大なものになっているはずだ。有る高級幹部が匿名で教えてくれた所によると上記の数字は2001年のものであるという。

記者が調べたところ、先ず突出しているのは四川省で03年6/30までに158名が外国へ逃げている。そのうち数名しか名前が判明していないと言う。
 恐らく彼等は税関を通過するとき偽のパスポートを見せているらしい。
 彼等のほとんどは逃亡後数年が経過していおり、検察院も事件処理完了としている。
逃亡者も税関の記録が無くても海外で生活する方法をそれなりに作っているようだ。

 現在国際的に、腐敗幹部が資産を持ち出したとき相互にその逮捕引き渡しの協定は無く、彼等の追跡は困難となっている。
 前記四川省の場合、逃亡先のアメリカと協定が無く、彼等はまるで大海で泳ぐごとく自由を堪能している。
 1980年代から中国の高級幹部の資産持ち出しが始まって、これまでに中国はその犯人引き渡しを求め各国と協定を結ぶ努力をしてきた。そしてタイ国など18カ国と協定を締結しているだけで、一番大きな逃亡先のアメリカ、カナダとはまだ協定には至っていない。 
  今年の4,5月のsars で騒がれているとき、180名の幹部が逃亡した。その中には飛行場で逮捕された幹部もいる。

中国から持ち込まれる巨大な財産を放置することはアメリカにとってもその経済活動に好ましくはなく、現在双方は国際的に通じる自国の法体系を整備しながら国際協定締結に向け努力中である。

 さらに、8月初め、中国は高級幹部の持ち出しが次第に加速しているのを受けて、「高級幹部海外渡航規則」を厳密にする法律を改正した。
 
8/3日から8/5日にかけて、中国各飛行場において海外逃亡幹部を調査したところ、60名を逮捕した。そのうち7名は副局長クラスで、最小携帯金額は60万ユーロドルであった。

( 以下は逃亡者の党内の身分の羅列ですが、これを省略します。)
全員書記と社長とか局長を兼務しています。

訳者注:
10月初め、中国南方の広州で日本の会社が300人の大量買春におよび中国政府から「日本人の再教育をして欲しい」との通達を受けています。
 現地の珠海と言うところは、昨年末翻訳した、党幹部が責任者となって、省内全体で少女を誘拐し彼女たちを売り出しているところがここです。
 その記事で娘を盗られた家族は、いまでは売春宿からの送金を楽しみにしている、という実に信じられない記事でした。
 何故そのような事件、問題が起こるかと言えば、日本人には信じられない農民の生活の極貧状態があります。本来は政治権力を握る党がその改善に取り組むのが筋ですが、党はこの社会的貧困を利用して売春組織を支配しています。
 その中国の党から、日本政府に苦情が出るなどと言う、本当に何を信じて良いか判らない、もうこれこそ「噴飯もの」です。
 一方この記事のように最高幹部が国家財産を持ち逃げするという、それも次第に件数が増加するという、これは正に国家崩壊の予兆ではないでしょうか。
 日本のピッキング事件の7割が中国人で、全体の犯罪の4割が中国人だと報道されています。勿論これも中国国家の崩壊の予兆故に起こる現象でしょう。
 何故多くの中国人がそのような犯罪を日本で起こすか。
 これは彼等が中国内で人生の前途に希望が持てないことが基本ですが、その気持ちには、現在の社会に「公正」に扱われていないと言う感情があります。それは特権階級が居るからです。
 また「平等な制度」が無いと感じているのも原因しています。これも法治社会でないからです。
 有る省の公安が賄賂でしか仕事をしない不正を数多くはたらくのを記録した人が、それを党に提示したところ、その記録をそのまま公安に渡され、報復を受けたという記事もありました。
 その賄賂を幹部に送れない人達が、中国社会に「公正」「平等」感を持てず、日本に来て犯罪を犯す、と言うのが現在の構図でしょう。 
 でも日本人として何が出来るか、と言えば、やはり社会的にも個人的にも、日本には公正と平等とがあり、誇れる社会だと示すことが極めて大切だと私は思います。