被告弁護制度 発行
03/11/13 南方週末 

 法律で被告を弁護する制度が出来たのは英国で1495年のこと。現在は世界の140以上の国家にその制度がある。西洋の発達した国家では被告弁護の費用を国家が準備している。
 中国では1996年から、法律上人々は平等であるという思想を西洋から学び、制度確立の準備がされ、今年2003年9/1から実施された。
 現在中国では被告弁護の仕事に携わる人は9000人いるが、そのうち半分しか弁護士の資格を持っていない。
 1997年以来、この関係の司法例は約80万件、これを弁護するに必要な予算は約7億元に相当する。しかし現在の予算から計算すると実際は必要な事例の4分の1しかその恩恵に浴せない。
 また経済的に発達した省によりその差が大きく、南方の広東省などは1省で全国の4分の1の予算を持っている。逆に言うと経済の遅れた省ではほとんどその予算がない。
中国全体で見るとその予算は一人当たり0.6元で諸外国と比べると正に雲泥の差がある。
中央政府は各省各単位に対し、この制度を奨励する方向で経済的援助をするよう求めている。

訳者注:ああ、本当に信じられないような非近代的国家。
 10数年前まで社会主義を賛美した日本の政党が有りましたが、何を持って賛美したのでしょうか。
 でもまあ、諸外国と交流し経済を発達させる必要に迫られてこのような反省(中国での選挙と同じく諸外国へのカムフラージュですが)が生まれたのは歓迎すべきでしょう。
 しかし司法が独立していないから、免罪など党や政府が悪事をはたらいた場合は国民は助かりません。
 この記事の前後に、死刑犯が弁護を受けて死刑が終身刑などに減刑された事例が幾つか載っています。ある被告が弁護士に「顔も知らない人に命を助けて頂いて、何とお礼をしたらよいか」と感謝しています。
 中国で1949年以降突然この人権思想が極端に後退した理由は、「敵階級」という発想ですね。13年前の1989年6月の天安門事件では、広場に集まった学生達を「敵階級」だから殲滅する、と戦車を投入しました。敵階級を殲滅した江沢民は党から表彰されています。当然人権の発達した国では彼は殺人犯です。その殺人犯が諸外国の要人と堂々と面談しています。
 そこには裁判も何もありません。犠牲者の家族も未だにいかなる抗議も出来ません。弁護士の出番そのものが有りません。その国が日本の隣にいます。
 本当に歴史とは大きな矛盾を孕むものですね。