性 賄 賂 の 背 景
   南方週末 2002/02/07 馮征 記
 
 政府の高官の間ではまたとんでもない事件が起こっている。
自分の妻を「賄賂」に上官に提供している。
 他の報道によると、湖北省天門市財政局長ペン氏以下数人が昇級昇官の目的で色好みで有名な天門市党委書記「張二江」に対し贈賄を行い、その額は数千元から人によっては数万元となっている。数人はそれに加えて自分の妻を書記に提供している。これはひょっとして、「ギネスブック」に記録されるほど世界注目の先端行為か。
 この事件から我々は単に道徳観が欠乏しているという問題意識だけでは無く、もっと深く原因を調べる必要がある。

 もし我々が政府高官に限りない特権を与えるなら、このような特権意識による不正行為は後を絶たないのではないだろうか。
 
 そもそも贈賄した方の局長が白痴と言う訳ではあるまい。どうして自分の妻を腕をこまねいて、頭を下げて、書記に差し出すのだろうか。これら局長らの婦人達はもの言わぬ鳩になったのだろうか。何故彼女達は頑として拒否する姿勢を持てないのだろうか。
 その行動の深いところにあるのは、あまりにも明白である。書記の獣欲を満たすことではあるまい。誰にもわかっているのは、その見返りに、昇級昇官を期待してのことである。

 実際の生活ではどうしても彼等「官」は等級がものを言う。たとえば大学教授も高級技術士も、彼等はその等級で俸給が決まっている。位いが低ければ車も与えられず、大きな住宅、電話器、などもない。
 会議の座る席順も、その会議が純粋に技術的なものでも、その等級によって決まる。
 これは誰もが知っている。これらは仕事以外のあらゆる面でもまた等級によって動かされている。
 実際この事件を聞いた一般庶民は、彼等が単に数千元から数万元の贈収賄だけで大人しいとは、誰も信じない。
 現在の「官」が上にたつ制度を改めない限り、これら贈収賄と極めて汚い庶民への対応は無くならないであろう。
 いったい何時になったら性の賄賂が無くなる日が来るのだろうか。