トピックス 公民身分証
02/10/31 南方週末 

 10/25日、「公民身分証」法案が全国人民大会常任委員会第30回の議題になっている。現行の「居民身分証」に変わるもので、広く社会全体の注目を集めている。
 
 新華社 10/27
 公民身分証は我々に何をもたらすか。

 新しい公民身分証は16歳以上の全ての中国内にすむ中国公民に与えられる。それは軍人、武警、労働改造者、労働教育改造者、等も含む。個人の識別番号は15桁から18桁に増え、この身分証取得以降犯した犯罪に対し処罰の明細が記録される。以前の居民証は廃止される。

  南方都市報 10/27
 身分証は新しい意義を含む

 新しい身分証は個人の身分を法的な面から表示すると同時に、現在の戸籍制度によって束縛されている移動の禁止が無くなり国内を自由に移動できる。
 そしてまた、公民という概念が新しい意義を提起している。現役軍人や労働改造者など全ての中国人に平等の公民としての権利を認めることになる。これは一定程度の民主的な精神の表現である。

 中国青年報 10/28
 1字の差が本質の変化を表示

 ”居民”は一定区間に住んでいることを表現し、”公民”は一つの憲法の下の個人を意味している。”公民”の2字は基本権利と同時に義務とを意味している。公民と居民との文字の差は只の1字だが、しかし国家からすると、個人が法の下に平等の権利を持つことを保証している。これはその権利が侵されることを防ぐことを、積極的な作用を表明している。

訳者注:
 ついに社会主義中国にも個人の平等が法的にうたわれるときが来るのでしょうか。

 只この3個の報道機関によって、内容の捉え方にかなりの差を感じますね。
 「新華社」は党にもっとも身近だと言うことを露骨に表現し、まだ党が国民を管理しているという部分を脅迫的に強調しています。
 「青年報」がかなり高い評価を、しかも重要な面を掴んで与えています。
 南方都市報は、「一定程度」と言う言葉を入れているところ、さすが、と言う気がします。
 でも実際中国人にとってこの変化は大きいでしょうね。今まで農民が出稼ぎで都市に行くとき、身分を隠していました。もちろんそれは簡単では有りません。そこで都市の住民が部屋を貸すとき、公安に届けると脅して部屋代を上げていました。でもこれからは中国人なら誰も皆平等になるはずです。
 中国では一般の新聞に「結婚紹介」欄があります。そこには必ず戸籍を書きます。住んでいる土地が違えば、一緒になるわけにはいかないからです。でもこれからはそれも自由になるでしょう。
この様な議題がまだ法的に討議されている国が地球上にあると言うことは、21世紀とは思えないですね。