国家統一司法試験

 南方週末 02/08/25 記者 黄広明

 概略
 今回中国で初めて全国統一の司法試験が行われた。何故かその結果は国家機密で発表されていない。
 記者が有る省で調べたところ、受験生1731人、現職法官195人、しかしパスした人は片手で数えられるくらいらしい。有る省では全滅と思われる。
 広西省では9000人受験、現職法官1700人、その内パスした人はほんの数人。只そのパスした中に農民が二人いて、一人は女性であり、彼等を知っている人の話では昼間は田に出、夜ランプで勉強したそうだ。
 
 しかし司法試験は世界共通で困難である。日本では厳格な試験が2度有り、共にそれらを通過しなければ法官になれず、弁護士にも成れない。香港でも司法試験は難しい。

 現在の統計では中国には10数万人の弁護士が居る。彼等の内70パーセントが大学卒で、残り30パーセントがそれ以下の学歴である。
 法官の場合その学歴の比率はちょうど逆である。

 その道の専門家が指摘しているが、中国の司法界の素質が悪く、それを改善するために1995年「法官法」「検察官法」が出来、それ以降大学卒業の資格が居ることになった。但しその大学は如何なる専門でも良いことになっている。
 司法界は現在も規律が無く、素質が悪い。 それは長年に渡って法官職が重要と考えられなかったからで、今後専門知識あり、教育があり、仕事の態度が優秀な法官の選抜が望まれる。それなくして社会の公正が保てるだろうか。