市内の貧困層
02/03/28 南方週末  
 記者:南香紅

 北京党学校ヨン志鋼教授は「市内在住の貧困問題報告書」を提出し、市内在住の貧困層と言う概念を提起した。
 その原稿によると、近年市に現れた現象で、社会経済体制が変化する中で、国有企業が貧困化する中で生まれた現象とのこと。

 新年の前日夕方、中央領導が報告書を提出。全国総工会が提出した一つの数字に「全国の市内生活者で最低保障線以下の貧困層の技術者は1828万人居る」と言うのがある。
 また、昨年10月民生部が公表した数字では貧困層は約1400万人存在し、その内1000万人が技術者、となっている。
 1000万から1828万の間の数的増加は、そのほんの数ヶ月の間の増加としては巨大なものである。もしこの調査が正確であるなら、貧困層の3分の2が技術者となっているから、これから計算すると全国の貧困層の労働人口は2500万人を超えるということになる。
 これはつまり全国で膨大なエネルギーが消耗されていることになる。彼等には50億元が使われていて、しかし彼等はなお最低線以下の生活となっている。
 このような話を聞くと誰も不安になる。これは数字が間違っているのだろうか。それとも統計の取り方が違うのだろうか。それとも実際に貧困層の増加が急激なのか。

 先日終了した全人大会と政治協商の両会でも、重要な関心事とされていた。そこでの関心の一つはその数字上の問題であった。貧困人口の長期に渡る増加と未解決の問題は、探れば探るほど、激しい勢いで増加しているのである。民生部社会救済部の「王」氏もこの数字を党中央も信用している、という。
 全国の各地の民生部は当該市の労働可能な人口を、すなわち18歳から60歳の男子、および18歳から55歳の女子で、彼等が実際に労働可能かどうかに関係なく、失業、下崗(国営企業から回顧された人)、などに関係なく、仮想の収入が有るとして計算に使っている。仮想の収入とはその市の最低賃金である。

 一般的には、有る市の最低賃金は最低の生活保障よりずっと高い。
 北京の昨年の最低賃金は435元。最低保障賃金は285元。その差は150元有る。
 つまり国家の最低保障を受け取っている人が、それでは生きていけないことになる。その最低以下の人口の数字は明確ではない。
 ほぼ、現在全国の最低保障以下の労働人口は2000万人を下らないだろう、とのことだ。この数字の構成者は、失業者、下崗などがその主要な部分である。
前記のヨン教授の調査では、賃金が最低線以下の人が57%、全くの失業者が43%となっている。
 北京市民生部の調査では北京市の貧困人口は激しく伸びている。民生部が救助の対象としている老人家庭、孤児などの対象は、この3年間だけで22.5%の増加。その他一般の貧困家庭は200%の増加となっている。
 ヨン教授によると、「市の新しい貧困層」は何とか食べて居るが、しかし人間としての尊厳を保つにはほど遠い生活となっている。 社会の構成の中で、彼等の位置しているところは、正に最低で、金がないため生活に張りが無く、精神的にも極めて低い望みを持てないものとなっている。また市内での人間関係も極めて薄い。 貧困が原因して、現代の大都会へと発展している社会の中で、尊厳を保てず、社会との繋がりを欠いている。
 また彼等の真の問題は家庭を保つ能力がほとんど失われていることである。
 つまり、家族の誰かが病気になったとき、子供が入学進学するとき、住居を強制移動させられるとき、このようなとき極度の困難に直面する。
 2002年1月5日、朱よう基総理は全国政協発行の新聞紙上で、「市内貧困層の調査報告」と題して、これまでの仮想の収入の考え方を廃止し、実生活に応じて最低保障の線を上げることを強調している。
 また先の全人大会で、「政府政策」の中で市の最低保障制度を新設することを確約した。それによると各人の条件に基づいて、実際の収入に基づいて、最低保障を受けられる範囲層を広げることを目指すとのことだ。
 財政部も今年46億元の資金を準備したと発表している。