訳者注: 以下の記事は、昨年六月中国の内陸で博愛精神を謳った献血に応じた若者がエイズに罹り、世を恨んで自分の血液を注射針に入れて、通行人に刺して回るという事件から始まります。
 この事件は政府によって報道規制されましたが、しかしこの「南方週末」が新聞に取り上げました。これは日本でも「南方週末」からとして報道されました。
 そもそもの原因はまだ中国では薬品や献血に法規上の基準が作られていないためです。 私が中国にいた頃1999年では薬品の四十パーセントが偽物だと新聞に出ていました。
 この献血を呼びかけたのは民間の医療機関で、同じ注射針で何回も採決していたようです。
 やがて半年経過した昨年末に事件は天津に移り、実際に何人かの学生が注射を指されたと報道されましたが、日本の新聞ではエイズには罹っていないと書かれていました。

どうして怖いの
02/02/07 南方週末   藩妥銘

 天津の「恐怖のエイズ」の話は、現在全国を蔓延して広がっている。政府がいろいろ対策を講じても、庶民の恐怖は広まるばかり。この恐怖が本当に静まるには、その背景が充分に理解される必要がある。
天津のその道の専門家はすでに指摘している。:エイズ菌は簡単に死ぬ。従って注射針で人を刺してもエイズにかかることはほとんど不可能だ。しかし記者はこの説明だけでは不十分と考える。エイズにかかる率は果たして百分の一なのか百なのか。これに明確な答えを出してもらいたい。
 しかしこれまで専門家の説明ではこの辺りがまだはっきりとしない。一般の人はほとんど百パーセントの確率で罹ると信じている。本当に恐れる必要がないのか。現在までの所なぜかこの確率がうやむやである。私の思うに、専門家の言葉に従って絶対伝染しないと解っても、もし性行為で安全筒(コンドーム)を使用しない場合、その率はどうなのか
。たとえ一パーセント以下としても、専門家の言うことが外れたら、そう考えると、人々に恐怖を持たないよう説得するのは、まあ難しいことではないか。このような結果人々の選択は専門家が、あるいは政府が単に性道徳を正そうとしているだけなのか、あるいは天津の事件に一時的に恐怖心を持たないようとしているのかぐらいにしかとらえない。
 たとえどんなに確率が低くても、一度罹った人は、自分では百分の百で罹ったと自覚しているだろう。
だから私は最低度の伝染率を発表された後で、もっと詳しい報道を望んでいる。
又人の命は掛け替えがないので、自分は罹る可能性がないと考えて大胆に行動する人が無いように祈る一方、この恐怖の注射器を振り回す人が増えないことを願う。