「きれい 」
   大杉 涼

ウチには熱帯魚がいる。
とってもポピュラーなエンゼルフィッシュ。
スクリーンセーバーじゃないんだ。ほんもの。
本物といっても、養殖だけどね。
一匹だけ。みかけの割に気の荒い性格だから。
他の魚を攻撃したりするので。
おとなしい魚もいる。
ウチにはいないけど、ぜひ飼ってみたい魚

トランスルーセント・グラスキャットフィッシュ。

長い名前。呪文のよう。
3回繰り返すと、透明になれそう。
そう、透明な魚なんだ。
250円ぐらいで買える。病気になりにくく、初心者にもおすすめ。
とてもきれい。透明な魚。
10匹ぐらい泳がせると、デジタルでは味わえない有機生命体の芸術。
ネコの瞳に迷いこんだよう。

ネコといえば、近くの五行川でネコ追いかけてたら、田んぼの中に無数の足が生えていた。

たぶん、田植えの最中に頭がとれちゃったんだな。
頭に血が溜るような格好でやってるから・・・
なんか、かわいそうになったんで、綿菓子買ってあげたんだ。

足の親指と人指し指の間に綿菓子はさんで本当に嬉しそうだった。
今ごろになると、田植えを思い出すのか、みんないっせいに足首をくるくる回してる。
これもまた、ある意味で、生命体の芸術だよね。

ジョイフル山新の前では、もうすぐ桜が満開。

熱帯魚も、田植えの人も、桜も、みんなきれい。
ただの自然現象なのに、みんなきれい。
人間だけがきれいなものを見る「目」があるなんて、ちょっと、ずるいかなぁ・・・。

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