小さいトルソ

1993年
乾漆、彩色
35cm

普段、塑造で原型を作り、石膏外型をつくり、そこに離型材をぬって、漆の型込めをする、という方法で乾漆像を作っている。この方法はたぶん明治以降始められた技法で、天平時代の乾漆像は塑造で少し細めに像を作った上に直接、麻布や木粉をつなぎにしたさび漆をモデリングして作り後から粘土を掻き出して作られた。
この作品では、そういう古代の古典技法で作ってみた。粘土を積極的取ったり付けたりする方法に慣れているととても難しい。計画的に少しずつ量を付けていきあまり削らずに仕上げる。自分には難しいと思ったが慣れれば理にかなった作り方なのかもしれない。



小さなトルソ


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