甲をつけたひと

1987年ー1990年
乾漆

日芸で最後に作り始めた作品。石膏外型で沖縄に移動して乾漆になった。
大学の教育では、彫刻の装飾であるとか、ディテールに凝ることに対してとても否定的だったと思う。でも実際に僕の好きな古典彫刻の世界では、装飾は非常に大きな要素だ。装飾は大きく単純化した形を、成立されるための重要な造形の一部だと思う。
いままでも台座などに植物模様として装飾が表れはじめていたが、ここでは甲冑、スカートの襞という形で全面的に装飾を押しだし、それによって単純化された動きのない立像を成立させようとしている。
大学を出たら、実家に帰って制作するつもりが、突然沖縄に行って働くことになった。人生って不思議。


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