自刻像

1981年-82年
石、新小松石

大学に入って、塑造実習でいくつも首を作ったが、なかなかうまくいかなかった。いいものを作りたいという気持ちばかりが上滑りして、なかなか形にならなかった。日大は短い期間で作らせる方針で、それも合わなかったのかもしれないし、学校の求める物と自分の求める物が違っていたのかもしれないし、根本的に自分がどうしたいのかも判らなかったと思う。
そういう時に実材実習があり石を彫った。石を彫る作業は、感覚的な物が排除され計画的に形を掘り出していけば良かった。 そういうシンプルな感覚が、うまくいき大学に入って始めて、いいと思えるものが出来た。
感覚的な物を排して、理論的に作るという方法は、後に塑造の上でも行うようになるが、発端はこの石彫体験にあると思う。
今みると、痩せてるところが若い自分を思いださせ生々しい。


自刻像

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