人の形

2003年
木、彩色
26×11×1.5

「人の形」。「の」を取ると「人形」だ。彫刻と人形の境というものは、かなり曖昧だと思う。大切なのは心なんじゃないか。気持ちが伝わってくるものが出来れば、彫刻と呼ばれても人形といわれても良い。もしかして彫刻というのは大きな範囲で人形に含まれのかもしれない。そう考えると人形っぽいものを否定してきた近代の日本の彫刻は自らを否定しているのかもしれない。
小さくて可愛い作品です。夜、ちょこちょこ彫刻刀で削って作った。油彩もこの作品で始めて試した。ほとんど動きのないレリーフです。等身の作品では動きのあるものに挑戦している。それはたぶんメッセージを伝えたいためだと思う。でもほとんどポーズの無いような作品もすごく好き。もしかしたらそちらのほうが最終的には好きかもしれない。いつか等身でもポーズのないすとんと立っているだけの女性を作りたい。でもそのまえに作らなくてはならない物がいくつかある。それは自分のなかにある出してあげなくてはならない感情。それが終わったら、何もないポーズのものを作りたい。ただすっとそこに立っている。


人の形

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