月経痛と性交痛Q&A


月経痛がひどいのですが、痛み止めは飲まないほうがいいのでしょうか?

月経痛には、原因がはっきりしているものと不明なものがあります。原因がはっきりしない場合は、結婚して出産すると軽くなることも多く、それまでは鎮痛剤 を使うことに全く問題ありません。「鎮痛剤を使用していくと効かなくなるのでは」と心配する患者さんもおられますが、注射による痛み止めでなければ、麻薬 ではありませんのでそのような心配は無用です。「痛くなったら」ではなく、「痛くなり始めたら早めに」薬を服用する方が、結果的に服用量も少なくて済みま す。市販の鎮痛剤で効果がない場合でも、保険で処方できる月経痛に有効な鎮痛剤もいろいろありますので、婦人科に相談されれば処方できます。服用で効果が ない例には、座薬を使用する方法が速効性があり有功です。またしばらくピルを服用(現在は低用 量ピル(OC)を 一般的に使用)することでも痛みが軽くなります。ただし原因がある場合、最も多いのに子宮内膜症という病気が見つ かることがありますので、痛みが強かった り、鎮痛剤が効きにくいときは、1度は婦人科の診察を勧めます。


子宮内膜症とはどんな病気ですか?

月経の時に子宮の内側からはがれ落ちる子宮内膜と同じ組織が、お腹のあちこちにできてしまう病気です。症状は月経痛、性交痛、排便痛や腰痛などの痛み、不 妊などです。お腹の中に癒着を起こしたり、卵巣が腫れたり、様々な理由で不妊 になると考えられます。治療は月経を一時的に止めるホルモン剤(ダナゾール錠といった服用薬、GnRHアナログの点鼻薬や注射薬)を使いますが、卵巣嚢腫 (チョコレート嚢胞)を認める時は手術(腹腔鏡手術)をすることもあります。

 追加:現在新しい治療薬が 増えました。


子宮内膜症といわれ、薬物治療を受けましたが、痛みが治りません。

子 宮内膜症の診断は、実はたいへん難しく、多くは症状や 診察所見、および検査データを参考にして診断します。しかし本当の確定診断は腹腔鏡検査などのお腹 の中を見る方法でなければ分かりません。薬物治療を受けて治療効果があるかどうかを見ることでも、ある程度の診断になります。もしまったく効果がないとき は、他の疾患も疑う必要がありそうです。思いきって腹腔鏡検査を受 けてみてはどうですか。


子宮内膜症は、よく不妊の原因にもなるが、妊娠すれば症状が軽減というか癒る、とありまし た。この病気と妊娠との関係をどのように考えたら良い か、今ひとつよく分かりません。

子 宮内膜症の女性の約50%が不妊症であると言われます。しかし妊娠状態(または同様のホルモン状態)が子 宮内膜症の組織を萎縮させるとい うデータがあります。実際、妊娠して出産後月経痛が軽くなる話をよく聞くと思います。つまり妊娠が子宮内膜症の最もよい治療であると も言えるのです。


性交の時に痛みがありますが、病気ですか?

もし奥に当たる痛みであれば、子宮内膜症の可能性があります。子宮内膜症の病気は、骨盤の中、特に子宮 の後ろ側(ダグラス窩)にあること が多く、性交の時、その部位にあたると痛みを感じることがあります。また入口の痛みであれば腟の炎症かもしれません。おりものなどがあれば治療を受けま しょう。しかし精神的な問題(恐怖心やパートナーの問題など)のこともありますので、一度婦人科でのカウンセリングや診察を受けてみましょう。


子宮内膜症と子宮筋腫の違いがわかりません。

子 宮筋腫は子宮に発生する良性の腫瘍(こ ぶ)です。子宮のあちこちに発生して、それぞれが大きくなると、月経の量が多くなったり、腰痛などの原因になりますが、大きくならない場合は、ほとんど症 状がありません。


一方、子宮内膜症には2種類あって、子宮内膜と同じ組織が、子宮以外の場所に 発生するいわゆる子宮内膜症(外性子宮内膜症) と、子宮 筋肉の中に発生するいわゆる子宮腺筋症(内性子宮 内膜症)があります。前者は月経痛や不妊の原因になることが多く、卵巣が腫れたり、骨盤内の癒着も起こし ますが、後者はむしろ30〜40歳代の女性に多く、子宮が大きくなって月経の量が多くなるため、子宮筋腫との区別がつきにくくなります。子宮筋腫との違い は、月経痛が強いことです。



ピルをもらって7日間服用しましたが、月経痛がひどいです。

月 経痛に対するピルの服用は、月経5日目より3週間の服用方法が有効で、服用後の起こる月経(出血)は痛 みが少なくなります。3週間の服 用により、排卵が抑制されることで月経痛が軽くなる訳です。したがって、短期間の服用だけでは月経痛に対しては無効でしょう。