本日のメインイベントは某mさん宅の訪問だったり。運命のいたずらか、どういうわけか予定がすれ違い続けたが、ようやくその音を自らの耳で確かめる機会に恵まれた。何しろ積極的な方なので、調子の良し悪しの振れ幅も凄いという噂もあったりなかったりだが、今回はその良い方に振れているときに当たった模様。というか、これで「さっぱりですよ」なんて言われた日には…私にどうしろと?「誹謗・非難・悪口、歓迎」などと言われてたりするのだけど、そんな難しいことを…。まずは、持参したソースでの印象を一つずつ再構築してみますか。必ずしも聞いた順番通りとは限らないので、その辺はご容赦。主に低音の具合と音場・定位感を確認するために持っていったLeinsdorf/BSOのMahler 1だが、その低音にまず驚き。密閉とバスレフの違い、アンプの底力、音量…同じメーカーの2 Wayスピーカーとは言え、あまりに条件・状況が異なるで違うのは当然だが、それを覚悟した上でもなお驚かされた。ベースのエッジが明確な辺りはとてもじゃないがバスレフの音とは思えない。バスドラムの底無しの深さにしても、まさに「轟く」という言葉が似合う。ただ、音圧がこちらに吹き飛んでくるような凄みというのはやや希薄だったかもしれない。これは、先日のトランスポート&DACの試聴の際に感じたのに似ていて、その分、というべきか、その場で鳴り響く様子は一層克明に描かれる…この辺りの両立は予想以上に難しいのかもしれないし、そもそも相反するものなのかもしれない。Spectralと言えば、何と言っても「ホログラフィック」とまで形容される音空間の描写で名高いものだが、その実態をようやく知ることが出来た。いくら色々な人の話を総合的に取りまとめてみたところで、やっぱり一回聴いてしまうのが分かりやすい。失礼を承知で言うと、その空間描写は「何の変哲も無い」。何一つ意識させることなく、あるべきところで鳴るべき音がするりと浮かび上がる…まるでそうであることが当然であるかのように。こういう音像表現があるものなのか、と最初から驚きっぱなしなのだが、やっぱり驚いた。そして、Spectralと言えばもう一つ、ハイ・スピードの代名詞でもある。バスドラムを始め、パルス系の音の立ち上がりにはもう降参。実は、その後、LPでもっと凄いことになるのだが…。ピアノはHamelinのAlkan: Grand SonataとGekicのLiszt: Grand Gallop Chromatiqueを聴かせてもらったり。前者は久し振りに家で聴いたら記憶にあるよりいい録音であるという結論に至ったのだが、何故か、低音の凄みを感じることが出来なかった。これが、後者になると(聴いた時間に隔たりがあるので、アンプの暖まり具合もあるだろうが)えらい低音が聴けたりするから分からない…。最近、よく聴いているLTEのAcid Rainはさぞかしハイ・スピードな音になるだろうと、どきどきする反面、「うちで聴けなくなったらどうしよ」とか心配だったりしたのだが、蓋を開けてみるとこれが意外なほど丁寧な鳴り方で、むしろ少しゆっくりに聴こえた。面白いのは、昨日、V-5xでEclipse Classicを鳴らしたときには、LeinsdorfのMahlerが遅く聴こえ、Acid Rainが速く聴こえたこと。残響の具合の違いに原因があるのではないかと見ているが、さてどうだろう?つまり、残響が多いクラシックでは純粋な音の立ち上がりが、逆に残響は殆ど無いロックでは音の立ち下がりが速い・遅いの決めてとなっているのではないかと。…そう一括りにできるほど簡単ではないだろうけれど。…とか何とか言ってるが、とりあえず、情報量、解像度、駆動力どれも素晴らしい水準の中での話なので、決して我が家と比較してという話ではないので、その辺はご注意を。我が家と比較のしようの無い話としては、CDより断然良いと自ら評されているLPの音がある。これには(こればっかりだが)本当に驚いた。上述のCDの音がスーパーサイヤ人化したかのような、強烈なエネルギーは衝撃的。LPの方が良いという人は数多いが、ようやく納得。デジタル万歳の現在、未だに一定以上の人気を保ち続けているLPというメディアの持つ歴史の重みは伊達じゃない。どこがどういいと言うより、ただただ凄い。そういう鳴らし方はずるい。これは自分もLPを始めなければ…となりそうで、怖い怖い。しかし、ここへ来て何より驚いたのがその行動力。インターコネクトだけで3種類、電源ケーブルに至ってはタップ経由と壁コンセントダイレクトを含めた変更が繰り出され、インシュレータの変更なんて朝飯前。終いには超弩級宇宙要塞のようなボード(?)が飛び出たり。この家だけは何が出てきてもおかしくないな…(笑)。とまあ、書いてきましたが、一番羨ましいのはね、可愛らしい音がちゃんと出せるところだなぁ。…うちじゃ絶対にそういう風には鳴らないし、鳴らす努力もしてないし、むしろ反対方向へ突っ走りつつあるし、そもそもそんな風に鳴らすソースが無いし(爆)。というわけで、我が家へいらっしゃる折にはその手のソースは禁止です(笑)。純真無垢な美少女がヤンキーねーちゃんになっても知らないから。

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