チェーン・テンショナーの調整



CXのチェーン・テンショナーは自動調整式ではありません。
この為、ラバーパッドが摩耗するとチェーンに遊びが出て、エンジンのカシャカシャ音が大きくなると共に点火タイミングが微妙にズレて出力低下の原因となります。


不良現象 : 
 アイドリング時にエンジンのカシャカシャ音が大きくなる。

調整時期 :
 エンジン騒音の増大が顕著になったが、タペット調整をしても直らない時。
 転ばぬ先の杖で5万キロ毎程度を目安にしている。

トラブル現象:
 タイミングチェーンが切れて、バルブ破損。 走行不能。

交換部品 : タイミングカバー・パッキン  1枚

parts No.



作業手順 ------- 60分コース



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  • 車高を MAX.ポジションにする。
  • 車体右側をジャッキアップし、右前輪を外す。
  • 右前輪ホイールハウス前側のゴムカバーを引張って外し、エンジン右側面のタイミングカバーにアクセス出来る様にする。
  • タイミングカバーをエンジンに固定するボルトとナットを緩めて外す。
  • タイミングカバーを浮かせて外すが、溜まっていたオイルが多少流れ出るので、下にボロ布を敷いておく。
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  • カバーを外すとコルク製のパッキンがボロボロになっているので、綺麗に取り除くと共に、エンジンとカバーに付着したオイルスラッジも拭き取る。
  • 中央左側にタイミングチェーン・テンショナー(赤矢)が露出する。
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  • チェーン・テンショナーは左図の様な構造を持つ。
  • チェーンをガイドするラバーパッド(R)はガイドロッド(G)で本体ブロック(B)に支持される
  • ラバーパッドの位置を支えるサポートピン(C)には歯が切られラチェット部(A)で引っ込むのを防いでいる。
  • ガイドロッドに内蔵されるスプリングは弱く、テンショナーとしての機能はあまり期待出来ない。
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  • ブロック本体とラバーパッドの間にマイナスドライバーの先を入れてこじった時、タイミングチェーンに弛みが生じている場合:
    ブロック本体とサポートピン先端のフランジ部との間にマイナスドライバーの先を入れて、こじりながらサポートピンを送り出す。
  • 音が出ている場合でも、送り量はラチェット部1ノッチ分程度である。この程度でも明かな改善効果が感じられる。
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  • 上記、ブロック本体とサポートピン先端のフランジ部との隙間が(C)です。
  • ラバーパッド(R)の摩耗が進んでいる場合にはチェーン・テンショナーとタイミングチェーン自体の交換が必須です。
  • チェーン・テンショナーの交換は、ラチェット部(黄矢)の溝に小さなマイナスドライバーを入れて黄矢印方向に回すと、ラチェットが開放されるのでラバーパッドを押込み、ボルト(B)を緩めて交換します。
  • 交換後は上記作業でチェーンの弛みを取ります。
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  • タイミングチェーンの交換時にはカムシャフトとクランクシャフトのタイミングマークがずれない様に充分な注意が必要です。
  • 調整作業が終わったら、必ず新しいガスケットを用いてタイミングカバーを戻します。
  • ゴムカバー・タイヤ等を戻してお終いです。







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