沖縄旅行記



9月の下旬に沖縄に行ってきた。
2泊3日の短い旅である。
なんといっても荷物は多い。単純な荷物というより「子供3人」が。
ひとりはまともに歩けない。でも歩こうとする。それもいいんだか悪いんだか。。。


1日目
羽田まで車で行くことにする。天気はあいにく雨模様。それほどひどい降りではないけれど、どんよりとした空で暗い。
ネットで予約した駐車場に向かって(内心ほんとうに予約取れてるのか?と不安だったが)思ったよりも早く手続きが済み、すぐにマイクロバスで空港に送ってもらう。
うまく行き過ぎて予定よりも1時間早く着いてしまう。
パックツアーなのでチケットもすぐもらえず、持ってきたおにぎりなどを食べて待つ。
と、そこで1歳児の靴を車に置き忘れてきたことに気づく。
海用にと持ってきたサンダルを探したが、なぜだか見つからない。これも忘れたのか?
仕方なくこの1歳児ははだしでべたべた歩き回ることになってしまった。
そして時間がきて、チケットをもらう。座席を確認すると、なんと1席だけ後ろの席。
ううん。安いツアーだから仕方がないか。
チケットには大きな赤字で「10分前までに搭乗口へ」とかかれていた。
気づくと10分前。急いで向かってみれば、なんと出発が遅れていた。
結局さらに10分待って搭乗。
飛行機の中では1歳とわたしが後ろの席。通路側。隣は若いお姉さん2人組。
「おとうさんがね、えび食べて来いっていってたよ」
「え?えびって有名なの?」
「そうなんだって。こーんなおっきいえびを目の前で焼いて食べさせてくれるんだって。もうすっごくおいしいって!」
「へええ」
「ぜったいたべにいこーね!」
とか話してるのを聞いてしまったら、うんそうだね、とか言いそうになる。
わたしの頭の中にも「海老を食べる」がインプットされてしまった。
それはさておき、2時間20分もどうしようかな、と思っていたが、結局ほとんど子供と一緒に寝てすごした。
着いてみると、やはり沖縄。暑い。日差しが強い。
まず空港に着いたら、レンタカー会社のひとを探し、しばらく待って、何組もの方々と共に、マイクロバスでその会社まで送られる。
今回のツアーにはレンタカーが標準装備であった。
とはいっても小さい車である。
事前に旅行会社に電話して、レンタカーにチャイルドシートとカーナビをつけてもらってたが、その時の話で「チャイルドシートプラス1000円、カーナビも1000円です」と言われていたので、プラス2000円だと思ってたら、両方合わせて1000円だった。思わずどっちかが付いてないのかと思って、レンタカー会社の人に確かめてしまった。思ったより安いとなんだか得した気分である。(ぜんぜん得してはいないが)
そして、荷物を載せて出発。
運転手(夫)はカーナビに慣れず四苦八苦といったかんじ。おまけに小さい車の大きさにも慣れないかんじ。まあ、ひとのことだからあまり気にしないけれど。
走り出してまもなく、見慣れたスーパー「ジャスコ」の看板。思わす「寄って」と言う。
目的は1歳児の靴。やはり買っておかなくては。。。
でもサンダルも(忘れたみたいなので)買っておかなくては、と思って店員に聞いてみると、
「もう夏物はおわってしまいました」と言う。
沖縄って年中夏みたいなものだと信じてたのに、そうじゃなかったのだ。
それなりに四季があるんだ。
「でももしかしたら靴屋のテナントが別の階にあるので、そこにあるかも」
と言われて行ってみた。
そこでサンダルを買い、1歳の靴も難なく手に入れ、そろそろ全員飽きてきて、
早々と引き上げることにした。
わたしとしては、沖縄っぽい食料品を見に行きたかったのだが。
そして車に乗り込み、一路高速目指して出発。
ところが、
「道まちがえたーーー」とか言う声が。
そのあと巻き込まれた渋滞。
随分時間を食った頃、全員が空腹感に襲われていることに気づいた。
もう遅いって。あのときスーパーに寄ったんだから、なにか買えばよかったのに。
とつぶやいてもほんとうにもう遅い。
日が暮れる前にホテルまで到達しなければ。。。
だいたい高速に乗ってから1時間は余裕でかかるところらしいし。。。
やっと高速に乗ってからは、ノンストップで走った。
子供たちには残り少ないお菓子で何とかごまかし、一番うるさい1歳児には、非常食のようなレトルト幼児食でしのがせた。
というわけで、まだ明るいうちになんとか目的地のホテルに到着。
部屋はいちおうオーシャンビュー。4ベットで結構広い部屋。冷蔵庫も使える。
(冷蔵庫ははじめから空になっていて、自由に使えるのだ。便利)
子供たちは沖縄についた時から「プール、プール」とうるさいので、(親の方が『プールで泳げるよ』と誘っていたからであるが)さっそくプールへ。
わたしと1歳児は疲れて休む。(1歳児はすでに寝ていた)
プールの人々が帰ってきてから、すぐに夕食に行く。
ホテル内の鉄板焼きの店である。バイキング形式だ。
席に着くと値段表が出てきて、基本コースの上がシーフードつき、何とか付きとあったので、
シーフードつきにしたら、あまりたいしたことがなく、こんなことならつかないので充分だったとあとで思う。
ここであの飛行機の中の若い女の子の話が引っかかっていたのだ。
「やっぱりえびを食べないとねー」そう声がしちゃったのだ。
ああ、人の話も半分に聞いておかないと。
食後も元気な人々はまたプールに行ってしまい、わたしと1歳児は沖縄民謡とか踊りの催しを見ていた。1歳児は初めてみるその踊りだか衣装だか音楽だにびっくりして止まっていた。
さて、夜寝る頃になって、
娘ふたりはベッドの場所を自分で決めてたくせに、ひとりだとさみしいと言い出す。
めそめそしちゃって、結局2つのベッドで4人寝ることになる。
ああ、なんのための4ベッドなの?
わたしは1歳と3歳に挟まれて、ベッドを横に寝る。縦だと誰か落ちそうな幅なものだから。。。
そうして、夜は更けていった。


2日目
2日目の朝は早い。いや早くない。のんびり寝ていた。
なぜだか早起きした夫は長女だけ連れて海に貝殻拾いに行っていた。
8時を余裕で過ぎた頃に、揃って朝食を食べに行く。
朝は日本食の店。沖縄料理があるか、そのあたりに期待していた。
だいたい普通の和食の朝食といった感じだが、「ゆしどうふ」(固めていない豆腐)などがあって沖縄らしかった。
さて、きょうこそは海に行く。行かないともうあとがない。
というわけで朝食後少ししてから海に向かう。
このホテルは海のすぐそばに建っているわけではないのだ。
10分おきくらいにビーチまでのバスが出ているが、レンタカーがあるのでそれで海に向かう。
行ってみると、入り口にはグラスボートやマリンスポーツなどの案内・受付の窓口があり、
コンビニとお土産屋と海用品屋が合体したような店がある。
片隅には軽食の売店もある。
まずは半額券をもらっていたので、グラスボートに乗りに行く。
受付を済ませて、海辺の指定の場所へと向かう。
屋根つきのボートが桟橋に停泊中である。
行ってみると、我が家のほかに若いカップル1組のみだった。
海の男っぽい手馴れたおじさんのボートに乗り込み、ボートのまん中をみんなで覗く。
底がガラスになっていて、海の底が見える。
船が進むにつれてサンゴ礁が次々と見えてきて、魚がちらほらと見えるようになる。
そのうち魚の群れに会うと、おじさんは船を停め、おおきな麩を海に投げ込む。
すると魚がものすごい勢いで麩を食べに来る。ばしゃんばしゃんと船の脇で魚が躍る。
そんなこんなで楽しませてくれ、おじさんは魚の名前も教えてくれる。
が、しかし、後半はだいぶ気分が悪かった。船酔いになりかけた。
下ばっかり見て、船は案外揺れるし、モーター音もそれほど気持ちよくなかったし。
船を下りてから、子供たちは泳ぎに行ったが、わたしは売店のあるところで(屋根があるがいちおう外)座って休んでいた。
あんまり暇なので、アイスクリームを買ってきて食べた。
思い余って『ドリアン』味を買ったら、ほんとにドリアンでちょっとショック。
でもまあまあ食べられた。
みんなが戻ってきてから、売店にあった『沖縄そば』を食べた。
これが、器が安っぽいカップ麺のような使い捨て容器だったのであるが、そばも上に載っていたソーキ(豚の軟骨をやわらかく煮込んだもの)もおいしかった。
と、腹ごしらえも済んだので、ようやく海に出ることにした。
子供たちにはTシャツを水着の上から着せて泳がせようと思ったら(以前沖縄に行った時、現地の人から「Tシャツ着てないとひどいやけどになるよ」と言われたからである)みんな結局泳ぐ時は脱いでいた。
次女なんかはそのまま砂浜での遊びに突入して、背中だけがとっても焼けた。
(日焼け止めは顔と手だけしか塗らなかった)
3人の中で一番色が白いのに、背中だけ妙にやけてしまって・・・ちょっと変かも。
長女次女は浮き輪でばちゃばちゃとやっていて、1歳児は初めての海が怖くて波打ち際で怖がっていた。
2時間くらいそこで遊んで、併設のシャワーを浴びてからホテルに戻った。
荷物を置いて、今度はホテルの裏手にあるらしい自然の豊かな場所へ行ってみることにした。バナナの木とパイナップル畑があるという。
そこへ行くにはかなり急な坂道を降りなければならなかった。
まるで山道。いやただの山?
すぐそこが海だと思えないほどの森林地帯。
なんだか変な音がひっきりなしにする。蝉だかなんだかが鳴いているらしいのだが、あまりにも奇妙で沖縄の虫は特別なのだろうかと思う。
坂を上ったり下りたりして、とりあえずはパイナップルとバナナは見た。
バナナ好きの次女はとっても喜んでくれたが、帰りはみんな疲れてしまっていた。
そのうえ、長女次女コンビはそろってまつぼっくりを拾うのにいそがしかった。
両手いっぱい拾ってもまだ拾いたいらしい。それくらいまつぼっくりがいっぱい落ちていた。
最後には「どれかひとつだけにしなさい」といってひとつ以外全部あきらめさせた。
一体なにしにきたんだ?

散歩から戻って、最後のプールに行く。
わたしは泳がなかったが、子供たちは外と中と両方泳いでいた。
外のプールにいる時、中年のおじさまがたが3人ほどいた。
ひとりのおじさまが大変泳ぎが上手らしく、ひとりがうまくなりたいと言ったのか、上手な人がおせっかいで教えてるのかわからなかったが、レクチャーされていた。
どうやらバタフライの泳ぎ方らしい。
「だいたい下手なひとっていうのは、息継ぎの回数が多いんですよ。だから疲れちゃう。はじめは思いっきりまっすぐ進んでから息継ぎです」とかいうと、
教えられているおじさまはいっしょうけんめい泳ぐ。
思いっきりまっすぐ、そして息継ぎ少なく、といわれたからまるで潜水のように潜っちゃってた。なんだか気持ちが良くわかる気がする。
「あのー、潜水やってんですかあ?」と先生のおじさまが言う。
教えられてるおじさまは「いやーー」と息をやや荒げて照れ笑いをする。
この人たちはいったいこのあとどうなるんだろうか、とやや不安な気がしたのだけど、そろそろ自分の娘たちのことを気にしたほうがよいようなので、このくらいにした。
1歳児はプールもこわくてぜんぜん入れない。人の足にしがみついたままふえーんと泣いている。

さて、夕食は沖縄料理のあるらしいホテル内の和食の店へ。
なぜだか混んでいて待つことになる。
しかし、娘がもう限界。特に次女が。プールで泳ぎすぎたのか、もう眠くて仕方がないのだ。それで機嫌も悪い。
やっとのことで店に入り、席に座らせ、なんとかなだめて、なんとか少し食べさせる。
が、やはり寝てしまう。ああ。
長女もちょっと疲れ気味なのだが、こっちの心配は食べられるものが少ないという点だけ。でもなんとか食べられそうなものを与えておく。
そして問題の1歳児。彼女は1人で食べたくて仕方がない。
だけど、やっぱり食べるのがうまくいかなくていつの間にか全部落ちている。

夕食もなんとか終えて、部屋に戻る。
いちおう最後の夜なので、売店でお土産でも買おうかと思うが、何を買おうかいまひとつ気持ちが決まらない。
夫は泡盛を物色。なぜだかほとんどの泡盛が試飲し放題らしい。
試飲を(夫に)勧められたが、わたしはさっきの夕食のときに1杯飲んだのでもういい。

そのあとはお風呂に入りに行く。このホテルには大浴場があるのだ。
部屋にもお風呂はあるのだけれど、1度も入らなかった。
やっぱり大きなお風呂の方がいい。


3日目
いよいよ帰る日である。
ほんとにぜんぜん余裕がない気がする。
みんな疲れて誰も早起きをしなかったみたいだが、8時くらいには朝食を食べに行った。
朝食は洋食系であった。1番めずらしかったのがパンをトーストする機械。
小さい食パンタイプのパンを網の上に乗せると、網がゆっくりと奥にスライドしていく。
そしてヒーターのある場所をゆっくりと通って、最後に下の段に落ちる。その段もまたゆっくりとスライドして、最終的にちゃんとトーストされて手前に戻ってくるのだ。
子供たちはヨーグルトを食べていた。ちゃんとカップに入っている、よく売ってるタイプのものだ。案の定、1歳児はどろどろのべたべたである。
そのうち食べ終わった子供たちは遊び始めて、それでもわたしは最後のコーヒーまで飲む。
こんなところが随分とずぶとい親なのかも、と思う。

部屋に戻り、荷造りをして、チェックアウトする。
思えば娘3人そろって写真を撮ってなかったので、最後にホテル前で記念撮影。
まともな記念写真はこれだけだった。今から思ってももう遅いのだけど。

帰りは時間があったらスーパーにでも寄ろう、と言っていたのだが、
それほど時間が余っていなくて、まっすぐレンタカーの返却場所になっている空港近くのスタンドに直行した。
そこでガソリンを入れて車を返す。
そして空港へ。ここから目に付いたお土産を数点買い込む。
買ったのは沖縄そばと泡盛と子供用の沖縄限定キティバッジ、それにシーサーの砂時計。(この砂時計は帰ってきてから玄関に置いてあったのだが、数日たって長女が落として壊れた)
まだちょっと時間あるみたいだから、最後に沖縄そばでも食べよう、といって食べに行ったのだが、気づくとぜんぜん時間がなかった。
食べ終わって搭乗口に着いた時には、出発5分前だった。羽田で出発する時のように遅れてはいず、ほとんど乗り遅れ寸前。間に合ってよかった。

帰りの飛行機はみんな座席が同じ列だったのだが、ひとつだけ通路を挟んでいた。
すると親切なスチュワーデス(と今は言わないのか?)さんが、一番後ろの席が空いてるので移ってもいいが、と言うので移動した。
その方は何かと世話を焼いてくれて、1歳児がお菓子でべたべたになったのをおしりふきで(!)拭いていたらおしぼりを持ってきてくれたり、疲れて1歳と寝てしまっていたら起きた時に飲み物を持ってきてくれたり、飛行機に乗って初めてかと思うくらい随分とお世話になった。

羽田に着くとどんよりと曇っていて、想像通り寒かった。
わたしは飛行機に乗ってる間ずっと耳が痛くて、聞こえも悪くなっていた。
それが後日耳鼻科で中耳炎と診断されびっくりした。
1歳児も着いたとたんに鼻水が出ていて、風邪をひいてしまった。
おかげでふたりで数日寝ることになってしまった。
かなりの強行スケジュールだったので、行ってよかったのかわからないけれど、
みんなたのしかったようなので、思い切って行ってよかったかもしれない。
ああ、それにしても、青い空青い海白い砂浜、の写真があんまりなかった。
もっと撮ってくればよかった。

その後のわたしといえば、自宅用にしかお土産を買ってこなかったので、ネットでお土産を仕入れて配ったり、
買ってきた沖縄そばをあげてしまったので、またネットで仕入れたりしている。
沖縄ブームはまだ続きそうだ。

                                             (了)


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