Nuovo Sacherをさがして
Nuovo Sacher とは モレッティの経営するローマにある映画館の名前です。
右も左もよくわからないはじめてのローマで 映画館を探すなんて、自分でも無謀と思ってはいた。 まず、新聞を買った。映画館の上映情報が載っていると思ったから。 果たして、「Nuovo Sacher」は載っていた。 しかも、新作「caro diario」も上映中である。 早速住所を書きとめて手持ちの地図で調べるが、わからない。 ホテルのフロントに行って、この住所の映画館に行きたいというと、 人のよさそうなひげのおじさんがまるでJTBのムックのような ローマガイドの本を持ってきて調べてくれる。 トラムに乗って行きなさい、と書いてくれる。 それは、有名な蚤の市の開かれる「ポルタポルテーゼ」の近くらしい。 行ってみたが、その住所がどこかわからない。(実はそこからものすごく近かった!) さまよってトラステベレの町を歩く。 警察官らしき集団のお兄ちゃんに訊く。彼らはたむろって遊んでるように見えた。 (いや、仕事中だったかもしれないよね) 「映画館?ならそこにあるよ。へへへーい」みたいなのりでよってたかって教えてくれる。 でも兄ちゃんざんねんだけどちがうんだよ、ごめんね。 そのあと、さらに迷い込んでだれもいない住宅地で通りかかった女性に道を訊く。 トラムに乗って帰るために。 はじめてのローマではたくさんの人に道を訊いた。Grazie mille!
概要はわかったローマであるが、今回は時間がない。 Nuovo Sacherはあきらめる。 街角で「赤いシュート」でコーチ役をやったシルビオ・オルランドの主演映画 (「La scuola」ダニエレ・ルケッティ監督)のポスターを見かける。 観てみたかったが、余裕がなかった。 このときは、真実の口の教会でジプシーに狙われ、(あの新聞作戦。被害はなかったけれど) トラムでまぼろしの(?)検札にも会った。(もちろん罰金払っていません) 多難であった。なにかと。
3度目ももちろん多難であった。 まず旅行会社が飛行機のダブルブッキングのお詫びに、カンツォーネディナーを用意した。 迎えがくるといっていたのに来ない。フロントで手配会社を調べて、なぜか歩いていく。 そんなにしてまで、夕食を食べたくはなかったのではあるけれど。 そして、翌日あやしいジプシーの姿を所々見かけ、警戒しながら、 Nuovo Sacherへたどり着くのでした。 アーチ状に「Nuovo Sacher」の文字が門にかかっている。 門からやや距離をおいて建物が建っている。 階段が数段あって戸があるような構造である。 映画館は夕方からでないとあかないので、日の高いうちに行ったために外からのぞいただけだった。 そのときの上映は、イタリア映画のようだったが、詳細はわからなかった。 それから、ずいぶんと年月が経っているが、 海外旅行はしていないので、Nuovo Sacherの見学(映画鑑賞を含めて)は先延ばしのままである。 H.P.「Cinema Italia」の掲示板などで得た情報によれば、 映画館ではもちろん、ローマの空港でもモレッティTシャツなど売っていたそうである。