
佐世保オフ会は2000年8月17日および18日、長崎県佐世保市にて行われました。
集まったのは作家佐藤正午氏の読者であり、氏のホームページゲストブックでおなじみの面々です。
佐藤氏と親交のある方々も交えて和やかに交流を図ることができました。
参加者は関東方面からと、現地佐世保の方、南は宮崎からでした。
8月17日
8月18日
8月19日 それぞれクリックで飛びます。
2000年8月17日木曜日
関東方面の参加者は、当日8時の飛行機に乗るべく7時ころ集合しました。
場所は羽田空港。
それぞれ寝不足のまま超早出の人も多数でした。
それでも無事に8時の飛行機に乗り、長崎空港へ向かったのです。
うわさに聞いていた佐世保で開催の「全国中学生バレーボール大会」のせいで機内は中学生だらけでした。
もちろんこのあとホテルでも同じ状況です。
長崎空港は海に囲まれてあるため、着陸まで着水すれすれというかんじでとてもスリリングです。
そして佐世保まではバスで。ハウステンボス経由のバスが運行されていました。
中学生は乗るのかと思えば、やっぱり乗りました。
この荷物の多いこと、多いこと。バレーボール入ってるの?
そんなバスでしたが、道は曲がりくねりながら窓の外に海が見えたり、山が見えたり、
立ち並ぶ大型店舗の看板や、時折は風のそよぐ田んぼの稲を眺めて、
あるとき道が急に広くなって佐世保の中心に来たことをわからせました。
小説によく出てくるバスターミナルをわたしは是非見たいと思っていました。
でも想像よりずっとコンパクトで機能的でした。
参加者はほとんど携帯で連絡をとっていたので、初めて会う佐世保の参加者とすぐ会えました。
初めてだけれどもうずっと前から友達のように話ができる不思議さ。
これがオフ会の醍醐味といえます。
そしてはじめてのハプニングはこのとき訪れます。あるひとが鞄をバスに忘れてしまったのです。
親切な佐世保のバス会社の方は次のバス停に連絡を取って、またターミナルに戻してくれました。
それから福家書店駅前店へ。1階にあり道路に面しています。
そこで書店店長さんにお会いします。そして第一ポイント「サイン本コーナー」です。
そこは店の向かって右のほうに単行本、左のほうに文庫本の山があります。
もう感動しました。それはまさに日本一の品揃えでした。
日本で一番佐藤正午の本を並べている店と大きな旗を立てたいほどでした。
感動のあまり買いあさりそうになりましたが、まだ旅は始まったばかりです。
でも結局わたしは1冊も買って帰ることができませんでした。残念です。
次は「ブラック」です。カレー屋ですが「シュークリーム」が隠れた名物として知られています。
店に入るなりそれを聞くと「夜の人が作るので、いまはない」といわれます。
「ブラック」は24時間営業の店なのです。わたしたちは明日訪れることを約束して取り置きを頼みました。
さて雰囲気は喫茶店ふう。1階はカウンターのみ。2階はテーブル席です。
ショートカットのにこやかな店員さんが注文を取り、運んでくださいます。
ここのメニューの多さにはまったくびっくりしました。カレーだけでなく定食やつまみまで充実しています。
さすが24時間対応だけあります。飲み物の種類も豊富です。
そしてカレーはイカ墨を使ってあり本当に真っ黒です。他では食べられないおいしさです。
そして一旦ホテルへ向かうことにします。
羽田出発組のとまるのは「ホリデイイン佐世保」でした。日本一長いというアーケードを抜けてたどり着きます。
ここでまたハプニング。3人の部屋の鍵はすぐ渡されましたが、2人の部屋の鍵が出てきません。
どうしたのか、まさかダブルブッキングでないとか?すると奥で何やら小声で話してます。
ツインの部屋はスイートに化けていたという嬉しい出来事になっていました。
それがわたしたちの部屋です。ありがたく3人部屋の方とは交換しない決意でした。
とりあえずくつろいでいるうちに、次の集合の3時が近づいていました。
新しく参加する予定は1人です。携帯で連絡をとり、わたしたちのホテルにきてもらうことになりました。
うまく合流できたところで、名所めぐりに出発です。
佐世保人の案内で今日のメインとも言える「佐世保市立図書館」の見学です。
なかなかアートな建物です。細長いスロープを登り、丸い形のエントランスに入ります。
展示は上の階です。踊り場風のスペースに佐世保にゆかりの作家の展示があります。
ガラスケースの中にはその写真と年譜、下には手書き原稿やゆかりの品々があります。
もちろんわたしたちはその一番右端に展示されている「佐藤正午」のコーナーにくぎ付けです。
生原稿はライトで焼けてしまうようで上にコピーがかぶせられています。でもそのコピーも消えているのがあります。
微笑む正午氏を見てつい微笑んでしまうのはどうかしてるかもしれません。
そして図書館の郷土資料コーナーに行きます。
ゆかりの作家の単行本は、なんと2冊ずつあり1冊は禁帯出です。
すばるの新人賞受賞の際の特別号まであります。タウン誌も保存してあります。
貴重な資料の数々を見て、ため息をつきながら図書館を後にしました。
図書館のすぐ隣にある野球場が「人参倶楽部」で出てきたところだとか、
そのむこうに見えるのが「永遠の1/2」の主人公のアパートだとかいうところもおさえつつ、
次はアルバカーキ橋です。「彼女について知ることのすべて」の鵜川先生が落ちたという橋です。
しっかりしているのですがつり橋でゆれます。この橋を渡ると米軍キャンプにたどり着くようです。
その先の公園には「リボルバー」の少年が試し撃ちした丘があります。
また橋を戻ってきて右手に見える大きな白い建物が「佐世保共済病院」です。
「彼女について・・・」の遠沢めいが勤めていたと思われる病院です。そこのスロープを登り、そして下りました。
この坂のことは「ビコーズ」にもでてきます。
そこから徒歩とタクシーに分かれて次の合流6時が近づいているので駅に向かいます。
6時に合流したのは佐世保在住の参加者です。
そして次の予定「フラットファイブ」へ向かうのですが、佐世保人が「MR」で行こうといいます。
えむあーる?それは松浦鉄道という電車でした。ワンマンでバス方式で料金を徴収します。
そしてデレクライスの店「フラット・ファイブ」に到着です。
お店は2階にあります。
ジャズの店ということでハードな雰囲気を予想していましたが、とても温かみのあるお店でした。
マスターのじゃずおやじさんことてるさんはこれまた好人物です。穏やかな温かい方でした。
そしてパーティサイズデレクライスの登場です。それぞれ皿に取り分けてもらいました。
ごはんにくどくないミートソースが乗せられチーズを載せて焼いたという風なものです。おいしかったです。
佐世保名物「すぼ」「あご」「いわしちくわ」も心憎いおつまみでした。
それからダーツ戦に突入しました。矢は買い取り制だそうです。
わたしたちは××さんのを使わせていただきました。
なにか不都合があるかもしれません。いえものすごい損害かもしれません。ごめんなさい。すみません。
ゲームは1人3回矢を投げるのを7セットで勝負します。難しいです。でもかなりはまりそうなゲームでした。
夜は更け飲み物はカクテルへと続きます。おいしかったのは「バナナフラット」。
甘くておいしいの、と店主にリクエストするとそれを勧められました。
実はわたしはバナナでどろどろだったらいやだなあと内心思ってました。でもバナナリキュールが効いていて、
さらりと甘く、コップの中に線状にきれいに書かれたチョコレートが少しずつ溶けてえもいわれぬおいしさ。
フラットファイブの食べ物はみんなおいしかったです。から揚げはふんわり、フライドポテトもふんわり。ああ。
そして迎えにきてくださったのは「美貌の美和さん」です。本当におきれいでした。くらくらです。
フラットファイブを辞して次は美和さんのお店に行きました。
正しい女の子のいるお酒を飲むところでした。とてもすっきりとして落ち着いた店内です。
貫禄のママとベテラン美和さん、そして若い女の子がしゃきしゃきとはたらいておられました。
美和さんの無駄のない動きと確かな動作、そして話しやすい雰囲気。
どれもに感動しながら、いつしか誰かが歌い始めていました。
初めての夜でみんな気合が入っていて、相当できあがってる人も数名です。
美和さんのお店を出てわたしは倒れそうなAさんとホテルに帰りました。
そこで乗ったタクシー。「ホリデイイン佐世保おねがいします」というと車はすーっと動き出しました。
がそこで運転手さんはがっちり無線を握り締めます。通りかかった仲間の車に向けて無線で話します。
「ホリデイイン佐世保どこ?」「むこうできいて」仕方なく車は前進します。
もう一人に尋ねます。「京町の裏道はいったとこ」そういわれてもわからず本部に訊いた模様です。
今度は「支払い押して」とメーターが上がらないように指示されます。そして佐世保弁が響きます。
わたしには再現できません。
「○○を曲がって△△を右に行って左に行ったとこ」のようなかんじでめでたく目的地です。
ホテルについてスイートの相棒Bさんは寝不足の為すでに帰っていました。
たおれそうなAさんはスイートに居座るとベッドに倒れこみます。それを阻止して、何とか部屋を出させて、
3人部屋へと送り込みます。しかしわたしはまだこのホテルの鍵をうまくあけることができませんでした。
ずいぶんとがちゃがちゃして、Aさんがそこで眠り込まないうちに部屋に送り込むことに成功しました。
わたしも寝不足でしたので、それからすぐに寝ました。
翌日は8時に起きました。「私の青空」をみるためです。出かける日は見られませんでしたから。
ネットにつないでゲストブックを見ると数々の書きこみが。なんと知らない間に5時だの6時だのまで!
じゃあねてるだろうと高をくくり、声もかけずに朝食に行ってきました。
9時を過ぎていたのですいていました。パンが並んでいたのですが、それをとるつもりで左に移動すると和食が。
ついご飯と味噌汁にしたくなり、おかずはあの「あご」やらひじきやらです。
Bさんは正しいパン食。フルーツも取っていました。
二人でおいしくゆっくりと食べて部屋に戻りました。
Bさんはたくさん歩くためにスニーカーを買いに行き、
わたしは出かける前に行きそびれたので髪を切ってきました。
ローマの休日じゃあないんだからっ!もう。でも旅先で髪を切るっていうのを一度やってみたかったのです。
程なく佐世保人Cさんの登場です。
3人部屋に電話するとまだ寝てる人がいる、ということです。今日のハウステンボスは危うい。
そしてぱらぱらと集合して、別のホテルに泊まったDさんから連絡が。今昼食中といいます。
Dさんは今日の2時40分のバスに乗るんです。急がないとブラックのシュークリームが!
そんなわけでBさんCさんとともにDさんとアーケードで合流してブラックに向かいました。
シュークリームはものすごい大きさでした。クリームは隙間のないほど入っています。
甘さは控えめですが、もうあまりの大きさにシュークリームが好きだということまで忘れそうでした。
Dさんは時間がなく、食べると店を出て行きました。あわただしいお別れです。是非またお会いしたいです。
残りの人へのお土産にシュークリームを詰めてもらい、またホテルに帰ります。
途中「フィギュアの店」に寄ります。正式名称は聞いてませんでした。
外にあるガチャガチャでルパン三世カリオストロの城をやってみると、「影」というのが出てきました。
これはきのうEさんがやっていたというものでした。でもその影は出なかったといいます。
店の人に見せると「ああ、それなかなかでないんだよね。集めてる人はいっぱい並べたいからほしがるよ」
というので、Eさんに持って帰ることにします。
そして次はちゃんぽんを攻めに行くことになりました。
駅地下のちゃんぽん屋の並ぶ中の1軒です。おばちゃん2人と若者が働いています。
わたしは定番ちゃんぽん。右となりのFさんも。左隣のBさんは柔らかい皿うどん。その隣のEさんは固い皿うどん。
注文後すこしするとある人がおばちゃんに発言。「にんじんぬいてもらえますか」
佐世保のおばちゃんはやさしかったです。
入っちゃうかもしれないけど、といいながら一つも入ってなかったようです。
そしてここで二手に分かれます。
わたしを含めた女3人はハウステンボスまでみやげ物を買いに行くことに決めました。
バスターミナルでテンボス行きバスを待ちます。
そこでわたしはつい調子に乗って昔話をはじめてしまいました。
今までで一番傷ついたある一連の事件についてです。
すると、来たはずのバスに乗り遅れてしまいました。
仕方なくまた少し待って夕闇迫るハウステンボスへとバスで向かいました。
エントランス近くに入場しなくても買える大きなお土産やさんがあります。
そこでお土産を買ったあと、すぐそばのハウステンボスジェイアール全日空ホテルに行きました。
もともとここでカクテルを飲むはずだったので、1杯だけ楽しんで行くことにしたのです。
わたしは行く前から決めていた「ミモザ」。
他の二人は「パラダイス」というどちらもオレンジジュースが入ったものでした。
夜景で庭にあるチャペルを見ます。「ここでけっこんしきしてーー!ぜったいくるから」といったのはわたしです。
またバスで戻ります。一旦ホテルに帰って宅配便を出してしまおうと思いました。
そして荷造りしてフロントに頼み、他の人たちの待つ「フラットファイブ」へと向かいました。
連日お邪魔してなんだか申し訳ないかんじでしたが、みんなもう自分の行きつけのようにくつろいでいる始末。
ついでまたまた失態のように、このあとは美和さんの店にまたチャレンジするという。
歩いて向かう途中、
不意に「オリオンビール飲んで行かない」という誘い言葉にわたしのほか3人は「地球屋」という店に。
もう終わりの時間なのでビール飲むだけ、といって入った店はこじんまりとして外国製世界地図の貼ってある店。
メニューには沖縄やアジア系料理の名前がずらりと並び、わたしはとても心を惹かれました。
そこのマスターと話をするといろんな土地で暮らしたことのある方らしく、
東京のことも詳しくてつい話し込んでしまいました。
美和さんのところに行き美和さんと少しお話ができます。
やっぱりつい話題はshogoさん。いろいろ考えたけれど行かないことにするって言ってた、という話を伺いました。
わたしはなんだか疲れてしまってきて、悪いけれど早めに帰りました。
明日仕事というCさんとタクシーに乗り込みました。
何と美和さんがずっと見送ってくださいました。ありがとうございました。
ホテルに帰って寝ようかと思いましたが、つい日記など書き始めてしまいました。
もう一人のBさんも程なく帰ってきて、明日の朝早いので早めに引き上げたことを知ります。
しかしそれからわたしたちはなんだか話し込んでしまい、寝るのはかなり遅くなりました。
翌日6時半に起きだし、7時には朝食を食べに行きました。
一応行く前に3人部屋に電話を入れました。でたひとが「あとのふたりはねている」といったのですが、
せっかくだから朝食に行けばいいのにとおもい、朝ご飯食べに行こうと誘いました。
行ってみると係りの人が「今混んでいるので8時ならすいてます」といいます。
わたしたちは8時に出るというのに!そう言うとしぶしぶ席を案内してくださいました。
中学生より大事にされていないことにちょっと憤りをかんじてしまいます。
来るはずはないと思いましたが、すこしすると電話に出た彼はやってきました。
そして7時50分にロビーに集合、来なかったら駅ターミナル発8時15分に必ず乗ることという約束をします。
案の定7時50分には中学生しか集まっていません。
わたしとBさんは荷物を持ってホテルの近くのバス停に向かいました。
バスにはきのう約束してたとおりCさんが乗っていました。帰る前に会えて嬉しいと再会を喜び合いました。
それから駅で他の人が乗るかが問題でした。でもつい言い忘れたのでバスに乗っていいのか携帯がなります。
本当に携帯は便利でした。みんな遅れることなく空港行きのバスに乗れたのです。
途中Cさんと別れ、やっぱりまだ寝不足のわたしたちは佐世保からどんどん離れるのでした。
長崎空港に着き、お土産屋を物色し、
これはすごい掘り出し物だあっ!という勢いで数人はキーホルダーに夢中でした。
そして予定通りの10時35分発羽田行きに乗り込み、またわたしはねとぼけながら機中を過ごしました。
羽田で会ったときの場所とほとんど同じところで解散しました。
2人と3人に別れ、わたしは3人のほうでした。
お昼を食べていこう。1人が言ってお店を回りましたが、みんなの意見がまとまる店がありません。
結局そのまま帰ることになり、1人と2人に別れます。
最終的に浜松町でひとりになりました。
山手線に乗りながら、まだわたしはぼーっとしていました。ここはよく知っている東京の風景。
朝まで確かにいたし、
きのうもおとといもいたあの佐世保は実は夢だったのではないかというほどぼやーっとしていました。
長い夢を見ていたのかもしれません。
佐世保は強烈な印象を受ける街ではありません。
はじめてきたけれどはじめてではないような不思議な雰囲気でした。
だからきっと余計に夢みたいに思えるのかもしれません。
忘れないうちに何か書きとめておこうとつづりましたが、
少しずつ佐世保の温度はまだ心の中にあることがわかりました。
きっとまたいつか訪れよう、と思います。
(2000.8.21/kanami)
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