01.09.29
郵便局を名乗る電話


実家に電話があったらしい。親父様があわてて私に連絡してきた。

「郵便局から電話があってね、処理課の今井さんという人からなんだけどね、
あなた宛に、書留よりももっと重要な荷物が届いてるらしくて。
本人じゃないと受け取れないそうだから、連絡つけてみて。
あと、あなたの電話番号は、念のため今井さんに教えておいたから」

その時の私の喜び様ったら、もうすごかったね。
「そそそそれは、えと、今の時期なら、いろはだ!
いろは文学賞だ! やばい! 入選したっぽい!
すげえ! どうしよう、作家デビューだ! 100万円もらえる!」

で、ニッコニコで今井さんとやらに電話をかける。
受話器からは、「この番号は現在使われておりません」の声。
おかしいなと思いつつも、次に、中央郵便局に電話する。
「処理課なんてものは無い」と言われ、他の課の番号を教わる。
そして、耳を疑う。
「ああ、あなたもですか。ここ一週間ほどの間、
そういった苦情が山ほど寄せられてます。
たぶん、どこかの業者が、家族の携帯番号を聞きだそうと嘘をついているのでしょう。
というわけで、あなたに荷物などありません」


ヒドイ。
ヒドイネ。
時期が時期だっただけに、多分この「郵便局電話事件」で全国一、
私は傷つけられたね。
泣いたね。
涙が止まらなかったね。
すごい久しぶりに、声あげて泣いちゃったもんね。



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