あわれなるかなでんこうのいのち、

哀れなるかな電光の命、

そうろのあしたをまつがごとし。

草露の朝を待つが如し。

【出典】西山上人『五段鈔』
 生あるものは、必ず死ななくてはならない。
命は、一瞬の稲妻の光や朝には
消え失せる露にも似て、
はかなく哀れなものである。


善光寺(岐阜県関市) 撮影:沐魚


母に
抱かれた記憶
つゆぞなく

幼き日
若き日々は
忘却の
かなたに失せ

壮齢期
ただ
多忙と
疲弊ばかり

気が付けば
我が命
消えゆく露がごと

哀れ
はかなくも
悲しかれ