アイデンティティ確立のために

 社会福祉士会組織拡大への課題

秋草学園福祉教育専門学校   松浦 信二

 

平成12年10月31日現在において、日本社会福祉士会への入会者数は10,058名、登録者24,006名の41.9%の状況です。埼玉県はと言いますと、登録者数が1,060名もいるにもかかわらず314名で、組織率が29.62%の実態です。全国的には愛知県の29.6%に次ぐ全国ワースト2とうい状況です。

入会率(一部抜粋)10月31日現在

このような状況に対して、埼玉県社会福祉士会としても会員確保へ向けて、国家試験受験対策参加者や新聞の国家試験合格者一覧から、職場や住所の確認ができた方の未加入者名簿を作成し勧誘に努めてきました。今後もブロック別の研修会を開催し、ブロック別での会員確保を検討しているところです。

社会福祉士資格に対して、名称独占資格であり、業務独占資格ではないので、資格があってもなくても職務上何も変わらないといった声を聞きます。しかしながら、昭和62年に資格制度が誕生し、これまでに全国の多くの会員の努力によって社団法人の認可を取得し専門職能団体としての基礎を確立してきたと思います。将来的には、都道府県社会福祉士会の社団法人化に向けて検討されています。そして、利用者の生活と権利を擁護する専門職として成年後見制度や地域福祉権利擁護事業の中に期待されるまでになってきています。

このような積み重ねと地道な活動によって社会福祉士のアイデンティティが確立していくのであって、一朝一夕にできるものではありません。組織率はワースト2でも、会員数は着実に増えています。ゆっくりではありますが、会員一人ひとりの日頃の活動によって社会福祉士の社会的認知が高まっていくものだと想います。社会的認知が高まることによって、社会からの期待も高まり社会福祉士の活動の場が広まることが組織拡大の道だと思います。

お願い

身近に資格はあるけれど入会されていない方をお知りでしたら、入会をお声がけしてください。