生涯研修制度の意義

 

研修委員会
 

日本社会福祉士会(以下会という)は、1999年度から生涯研修制度を開始した。

会発足時から職能団体として、生涯研修制度の実施は、早くから期待されていたものである。社会福祉士は、専門職として、移り変わる時代の変化に対応し、また、質的にも利用者からの信頼に耐うるソーシャルワーカーを目指し、常に自らの専門性を向上させていく必要があるとされてきた。

そして多くの議論と検討の結果、会の制度として具体化され発足されたものである。

この制度の基本的な構造は、まず、新入会員が社会福祉士としての自覚と、日本社会福祉士会の会員であることの帰属意識を高める基礎研修課程であり、支部での実施が期待されている。

2つ目には、共通研修課程であるが、3年間で計60単位以上を履修することで、終了証明書を発行する。終了証明書の有効期限は、3年間であるため、また3年ごとの更新が必要になる。これは、3年を1期限としながら絶えることなく継続される会の研修制度の大きな特徴であり、生涯にわたる自分の研修計画を考え、それに基づいて、研修することでレベルアップを図ろうとするものです。

また研修の内容も集合研修、実習研修、グループ研修、自己研修など会員個々の研修計画や異なる環境などに配慮しているものである。

3つ目は、専門分野別研修課程で、会員の職務分野や特性に応じて、より専門的な知識と技術を習得する機会として位置づけている。

専門職に求められる研修は、本人の主体的な計画と自己管理が原則とされるべきであり、会員は、現在の自分の状況や将来の方向性などに応じて、自分がどのような社会福祉士になるのかを明らかにし、その実現に向けて研修内容を計画的・主体的に作り出していくことになり、そのプログラムに従ってステップアップするものである。

つまり、会員一人一人が日頃の実践の中から自分にとって必要な技能や知識について省み、研修ニーズを明確にすることが大切である。また、こうした研修ニーズに応えるため、会や支部はさまざまな研修の情報や機会を提供するなどの援助をする必要があり、生涯研修センターでそうした役割を果たしている。

(3/11 日本社会福祉士会主催「基礎研修リーダー養成研修」の講演から 羽柴)

なおこの報告は、研修委員会の企画による2月26日に開催された「生涯研修制度説明会」の報告に変わるものです。