司馬台長城

金山嶺長城を後にして、車で20分ほど走る。
中国人のドライバーさんは気をつかって
あれこれしゃべってくれるけど、ちんぷんかんぷん。中国語ですもん。
ちょっと車窓の写真も撮りたいので、車の窓を開けてもらう。
なんとか通じた。

前方に切り立った峰が見えてきた。
よく見ると、その尾根に長城が見えている。
金山峰長城から司馬台長城まで、
車の窓から見え隠れしながら、ずっと長城は続いているのだ。

駐車場から少し歩くと、ロープウェイ乗り場があった。
片道だけの切符を買い、帰りは徒歩と決めた。

切り立った山の尾根に長城が見える。
ロープウェイから見る眼下の景色も素晴らしい。

ロープウェイの空中散歩を楽しんだあとは、
ミニトレインと呼ばれる簡単なケーブルカーでちょっと上へ。
そこからは、徒歩。



かなり急な坂道なので、ふうふう、汗かきかき。
土産物売りが何やら話し掛けて、ずっとついてきた。

やっと長城の楼閣まで辿りついて、ひと休み。
物売りたちのしつこいこと。適当にあしらっていたが
大きなセンスで私を扇いで、暑いだろうから買え。写真集やらTシャツを見せて、買え。
あまりにしつこいので、「あなたこそ、大汗かいて、とっても暑そうよ。
私を扇ぐより、自分を扇いでね。」と身振りを交えて日本語で言うと、
彼女、汗をふきながら、自分を扇ぎはじめた。なかなか素直やん。

それでも、彼女は、自分はこの長城の下に見えてる村の出身で、
村では仕事がないのだと、英語でのたもうてる。
私も負けじと「そりゃ、お気の毒だけど、私も体力ないからできるだけ荷物減らして来てるのに、
なんで、こんな山の上で物を買って荷物を増やさなきゃいけないのよ。しんどいじゃないの。ねっ??」
全部、日本語だから、通じるわけがないけど、
「もういい加減にして。」の気持ちだけは通じたようで、
やっと諦めて、別の「獲物」を探しに去って行きました。


私が物売り相手にひと休みしている間に、連れは、より高い楼閣を目指していた。
時間もないので途中で引き返してきたとのことだが
それよりもう少し先へ進むと、補修されていない長城があるらしい。

この切り立った断崖に、長城など作らなくとも
この断崖事態が自然の要塞になっていると思うのだが。

ここから、下り方向に進むことにする。


下りはかなり急勾配で、このまま下に落ちて行きそうな不安にかられる。


レンガ造りの楼閣はかなりしっかり残っている。
道の途中は、片方が崩れ、鎖のフェンスがある。


補修工事中の箇所があった。
男たちが、手作業で無造作に、土やレンガで道を埋めている。
なんだかなぁ〜、世界遺産なんだから、もうちょっと緻密な丁寧さが欲しいよなぁ。
やっぱり、中国だなぁ・・・などと、こんなところで中国らしさを感じてしまった。





こうして延々と続く長城を見ていると
中国の歴史の雄大なロマンが蘇ってくるようだ。
来てよかったよ、万里の長城!!





2006・8