前回までの「ありま食堂」 ありまじろう

11時30分に店を開けるとまたたくまにお客さんがやってくる いろんな人がいる左向きの人右ききの人前向きの人背中の人斜めの人酸っぱい人幸せな人無知な人ほとんどの人はフォ―クそんぐを知らない 僕は割箸を数えながら明日の太陽を焼いている久しぶりに健さんが来てくれた オムライスを注文した日が暮れて僕は本当に食堂の親父になってしまった 豆腐のかどに頭をぶつけた 今日のおかずはキリギリス('03.4.23)


食堂の親父はこう言った コ―ヒ―に梅干しを入れてごらん 明日が見えるから 僕は卵丼を食べながら親父のコ―ヒブルースを聞いていた テレビは戦争で精一杯だった こおろぎが鳴いていた('03.3.28)


「永遠のサカナ」

永遠のサカナは空に消えた
新そう開店アドバルーン
赤い風船がとんでいった
うろことられたサカナ
はじけた化しようかせまいおりる
夏のオワリのカゼがボクを押している

えんぴつのしんがあたまをみせる
伝言板、目なくし
完じゅくトマトがころがっていた
皮と門のあいだ
青い雨がまいおりる
夏のオワリの風邪が僕をおいこしてゆく

むしょうにサカナをたべたくなった
デンキブランの中
ふとんの上でかわいている
夕やれこやけの金魚
どうしようもないほど泣きたい夜がある
夏のオワリのカゼがボクをおいこしてゆく
(11/24)


僕はタイムマシンにのって17年前の
中央線のある食堂に出かけた。
食堂のおやじは「おー又きたな」とだけ云って
水をもってきてくれて注文を取りにきた。
と云った。
おやじは少しだけジャムのくっついたパンの耳
3切れと、注文もしてないのにミルクも
もってきてくれた。

東京は冷たい夏の雨が降っていた。
丸の内のビル街ではランチタイムの
真さい中でシォフのジミーもおお忙しだった。
皿のまん中でバスタがおどっていた。
新宿のまん中で日本人は狂っていた。
僕は大好きだったあの娘と
阿佐ヶ谷でまちあわせ
2番ホームの進行方向のベンチにすわっていた
まっ赤にそまった夕日が僕の背中をやきつけて
そのあと静かきえていった
食堂のおやじのさいごのひと言は
「今度いつくんの」赤いトマトの皮がむけた
(7/22)

〜ありま食堂メール〜

'02.6/5
 久しぶりにお客さんがきてくれた 彼はむしょうに魚を食べたいと言った そして彼は自分のウロコを静かにはぎとっていった夕日はとっぷりあかく染まっていた つづく


'02.4/22
 あとどのくらい生きて行けるか竹の子かじって桜の花よ


「ライムライムブルース」


あんまり仕事はしない方がいい
週に一度は休みたい
休憩時間も必要だ
過労死寸前の砂時計

※夕日が昇り陽が沈み
 月夜の子守歌
 この世の矛盾のなかで
 ライムのバイオリン

薄皮のコートを着た男
後ろからついてくる
僕の身体は冷や汗だらけだ
背中の皮がむけそうだ

※繰り返し

※井戸水飲んで腹をこわし
鏡を見て自分を知った
目に見えないコンピューターゲーム
ボタンを押すとこの世の終わり

※繰り返し

8/12「金曜日の朝」

さしみ用のイカをまな板に

のせてると イカの目から思わず涙が

こぼれてきて

僕は激しいためらいを覚え

包丁を持つのをやめて

イカを海に帰したのだ

次の日  弁当屋さんの前を歩いていたら

イカはイカフライになっていた。

じろうずCD Mixダウン 終了
   曲目 

カスタネット
カルシウム
化石の風景
銭のブルース
女の子のぼうしと男の子

ハエの子守歌
ライムライトブルース
しめじのワルツ
カントリー・キッチン・ラグ
方向

5/20「エビフライ定食、ブタ汁付」 

キャベツの千切りを

とんとんやってると

キャベツの千切りを

とんとんやってると

流れ流れゆく雲のように

それはまるで電池のないラジオのように

かすかにきこえてくる

アンプラグドな僕の身体は

まるで虫のように 小さくなって

みつけないで下さいとうたっている。

今夜のおかずは、エビフライ定食、ブタ汁付きです。

3/12「キリギリス」

上を見たらキリがない
下をみてもキリがない
釧路の夜はキリだった
今夜のおかずはキリギリス

お客さんはビールとフライドチキン
を注文した。
キッチンの奥には羽根のついた
にわとりがつるしてあった。
ビールは「サッポロ」だった。
カウンターにタバスコのびんが
たおれていた。

 BGMは「チキンスキン ラグ」

1/2「ありま食堂」 その後のGO  

何もなかった空間に 少しづつ色んなものが
やってきた。まず柱ができ、かべができて
ドアがついて 入口ができて テーブルをならべ
イスをおいて21世紀のカレンダーをはって
気がつくと やかんのおゆがポコポコわいているのだ。
あっというまの一日はあっというまの一年で
あっというまの10年だったりする

そう とにかく僕はまず朝 米をとぐのだ。
今日何人位きてくれるかな  この食堂に。
米を米を米をとぐのだ。
白い水がコクコクと流れていく 川が流れる。

いよいよドラマが始まる。キミがみた映像の中の
ありま食堂。

ごはんをたくのだ。スイッチを入れる。
さあ次はたまねぎを切るのだ。又来週!!

11/9ありま食堂 その(2) 

いよいよ、重たい腰を上げて動き出そうかなと思ってる。
今 ここは何もない空間
古びた材木
崩れた鉄骨
はがれたポスター
しなびたマッチ
乾いた紙コップがバランス良く並んでる
「さぁ、食堂をやるんだ」
まず店のコンセプトだな
フレンチなブラッスリー?
下町の洋食ガンコおやじ?
中央線のヒッピー酒場?
インド帰りのインセンスの香る?
黒い男のジャズ喫茶?
僕としてのイメージは・・・
イモとニンジンがゴロゴロ入ってるカレーライスみたいな
ケチャップ味のするスパゲティーとか
美味しいビールと洒落たワイン
ほんの少しのブルーズと ほんの少しのブラックペッパー

さぁ、まずは壁を作ろう ドアを作ろう 玄関を作ろう
今日も一日 あっという間に過ぎて行く・・・

9/28ありま食堂 その(1) 食堂


食堂  しょくどう  ショクドウ
僕は この食堂という言葉の響きが とても好きだ
大学時代よく定食を食べに行ったのも食堂だったし
初めてアルバイトをした所も 食堂だった
そのうちボクは 自分の食堂がほしいナと

淡い夢を持つようになった
ある時はユメの方が現実より先走りしたり
叉 ある時はユメをつかもうとして現実をふみつびしたり
そして 叉 ある時は そのユメをあきらあめて 川にポーンと捨ててしまったり
叉 そして ある時は もう一度ユメをみるために メガネをかけたり
今 それが 少しづつ見えるようになってきた気がする

ぼくはフーテン時代に 自分の中の「しょくどう」を
自分なりに試してみたりしていた
それは 人前で唄う事も「しょくどう」かもしれない
自分の料理を 食べてもらうのも「しょくどう」なわけで
それは 「谷中亭」だったり「スペース風点」だったりしていた

いつの日か本当に イタリアの月の上で 
ありま食堂が 開店出来るのを楽しみにしています

次回は「谷中亭」について 少し白コショウも入れて 

9/6「ご挨拶」

こんにちは
ありま食堂の店主
ありまじろうです。

これから始まる ありま食堂のドラマ
どうなっていくか 自分でもわからなくて
楽しみです。

何もないところから 物件を捜して
店作りをしていくところから始めますので
楽しみにしていて下さい

次回は ありま食堂の
メニューをとりあえず紹介します。

今日はこのへんで・・・

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