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4月4日付けエスクプレセン紙の日本語訳

 この数ヶ月アグネタはボディガードを付け、電話に出る事も郵便を取ってくる事も恐しくて出来ない状態だった。

 『私と子供たちの生命が危険に晒されている。』事情聴取の場でアグネタはこう訴えた。明日50歳の誕生日を迎えるアグネタに対しこの34歳のストーカーは『君の誕生日に何か大きな事が起きる。』と手紙で述べていたので、これ以上耐えられないと判断した彼女は娘のリンダと男性の知人を伴って先週の水曜日ソルナの警察に被害届けを出した。

 先週の金曜日、アグネタは事情聴取を受け、その数時間後男の逮捕に踏み切った。アグネタはありとあらゆる手段で男にストーカー行為をやめるよう試みた。今年1月アグネタは男に 『これ以上つきまとわないで』と手紙を出した が、無意味に終わった。

 アグネタは語る。『1997年から1999年の間に約300通もの手紙をよこし、1日に1〜3回も電話を掛けてきて、どこに出かける時も後をつけてくるのです。時には車で私の後をつけてきますし、私がよく散歩する場所に立っていたりします。私の人生は大変制限され、今では恐ろしくて隣人と一緒でなければどこへも行けない状態なのです。』

 男はアグネタの自宅の郵便受けを開いて中身を調べたりするのでアグネタは数日前、郵便受けを自宅の玄関わきまで移動させた。(訳注、スウェーデン都市郊外では各家ごとの郵便受けは道端に立ててあり、誰でも容易に中身を開けられるのでとても不用心なのです。)

 男は手紙の中で数回に渡り『僕は決してあきらめない。』と告白している。一度は娘のリンダにも手紙を出した。『娘への手紙には彼を中に入れるように私に頼んで欲しいと綴られていました。』

 男は何度かアグネタの自宅の門の前で自己紹介している。去年のクリスマスには、突然自宅のキッチンの窓の外に現れアグネタは不法進入罪で警察に通報したが証拠不充分で不起訴となった。

 最近ではストーカー行為もエスカレートし、ほぼ毎日手紙が届くようになった。『彼は私の誕生日までカウントダウンを始め、当日は大きな事件が起きると予告するのです。』最後に受け取った手紙はアグネタが警察に被害届けを出した日と同日の先週の水曜日に届いた。『文中の脅迫内容は強くなっています。何か不幸な事件が起こりうるかもしれません。具体的にそれが何かは触れていませんが、全体的に見て、何かがおこりつつあるようです。私と子供の生命が危険にさらされているのです。』

 この男はアグネタに『 お願いだから“oegat”(訳注= the eye )を借りて観て下さい。』と手紙に書いていた。この映画はサイコスリラー物で、主人公の男が狂言自殺を行い愛する女性を一日中ビデオに収めて観察するというもの。男はアグネタの家を訪ねてくる車のナンバーをすべて書き留めていたという。

 男の熱狂ぶりを紹介。『これからは直接接触を取る事を控えるかもしれないけど、手紙を書かずにはいられない。アグネタは僕の人生すべて。彼女なしの人生なんてありえない。』

犯罪心理学の第一人者、リードベリ教授のコメント
 『この男はアグネタに直接危害を加えかねない。男の行動は、妄想に陥って、放火や殺人を犯した熱狂的ファンの行動と酷似している。(レノンやトーべ一族のファンの犯行を指す)男はアグネタと心身共一体だと思い込んでいる。悪気はまったく無い。普通は電話や手紙止まりだが、この男の場合、何度も直接接触しようと試みている。心配なのは、現実と妄想との境界線を超えてしまう可能性があること。男を精神病院に入れ、長期間治療を与えるべきである。』


translated: 2000-04-05
by Reiko Fujita-Jespersen

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