ABBA News Vol.13 Oriental ABBAland
復刻●アバファンクラブ会報●1978年12月発行注1


ABBA NEWS Vol.13 78/12注1
来日記念号


WELCOME ABBA
1978年11月17日

 日本中のファンが待ちに待ったABBAが11月17日(金)午後15時15分日本航空422便で,ロスアンジェルスより来日しました。 到着日時注2 は極秘だったため,関係者だけの静かなお出迎えでした。18日,19日とオフを過ごした後20日から殺人的なスケジュールをこなして行きました。4日とも,スターきどりのない本当に「いい人」でした。

 それではまず,滞在中の殺人的なスケジュールを御紹介しましょう。

ABBA SCHEDULE

 このようなハードスケジュールにも,いやな顔一つ見せず。ファンへのサービスも忘れず,サインをしてあげたり…。彼らに会った人は,みんな「本当にいい人たちだよ,ABBAの4人は。」そう言っていました。

 我がABBA F.C.も,鉄より固い警備の壁をすりぬけて,一生懸命ABBAの素顔をキャッチしました。日本でのABBAはどんなだったか。たっぷりと楽しんで下さい。

アバ/アライバル

文字通りABBA・ARRIVALの瞬間
9時間という旅の疲れもみせずにニッコリ笑えむベニー,フリーダ,ビヨルン,アンナ

写真は省略します

PART1 記者会見とパーティー(Reported by ちふみ)

 11月20日, 東京・ヒルトンホテル注4 白真珠の間。これからここで,ABBAの記者会見が始まろうとしているのです。すでに300人を超える報道関係者,音楽評論家,D.J.その他音楽関係者が集まっていました。

 午前11:30,予定通りABBAの4人が姿を現わしました。ベニーはラフなジャケットを着ていました。フリーダは赤,茶,白,黒の横縞のセーター。アンナは“限りなく白”に近いクリーム色のバイキングルック。ビヨルンはライトブルーのジャンパーに革製のオーバーオール姿でした。

(記者会見の内容については,下記を見てください。)

 30分ほどの休息のあと,午後1:00から隣の紅真珠の間で,レセプションパーティーが催されました。ディスコメイトレコードの吉岡社長のあいさつのあと,ABBAの4人があいさつをしました。この時フリーダが「あのすばらしい氷を自分たちの部屋にもち帰りたい!!」と話したように,会場の中央には「ABBA」をかたどった大きな氷がおかれていました。

 ファンクラブからの花束贈呈に続いて,全員で乾杯。そして,ステージでは,10人ほどの女性たちが琴で「ダンシング・クィーン」のメロディーを奏でたのです。ABBAの4人は,日本の伝統的な楽器である琴の音色を,興味深く味わっていました。

 続いてクレストフォーシンガーズの演奏により,ABBAの曲が数曲演奏されたあと,もちつきが始まりました。ABBAの4人も交代でキネを持ち,つきました。その“ABBAもち”は会場の人々に配られたのです。

 そして,スピーカーから「サンキューフォーザミュージック」が流れ,2時すぎにパーティーは終了しました。

PART2 記者会見を紙上再現!!

Q      :日本に来たのは何度目ですか?
A      :1972年につづいて,2度目です。注5

Q      :それでは,その日本についての印象は?
A(アンナ) :出迎えがとてもすばらしくて,それにみなさんとても親切な方ばかりで,まるでスウェーデンに居るようです。
 (フリーダ):ただひとつ残念なことは,ことばが通じないことです。
 (ビヨルン):ぜひまた来年コンサートで来たいです。
 (ビヨルン,アンナ):それに何といっても,食べ物がおいしいですよ。

Q      :日本で,どんな所を見たいですか?
A      :スケジュールが忙しいので,ホテルとスタジオの間しか見ることができないでしょう。前に来た時に,京都に行きました。大変にすばらしい所ですね。

Q      :日本の音楽市場をどう思いますか?
A(B&B) :他の国に比べてはるかに国内マーケット(邦楽)が強いですね。でもその他に外国のロックなど進歩的なグループも人気があるようだし…。資料を見ると,日本で人気のある国際アーティストは,大変少ないようだ。だから,私たちが,ここに,こうしてこれたのも,大変ほめられていることだと思っています。

Q      :日本の音楽について知っているグループはありますか? また,日本的なメロディーについて取り入れる点などありますか?
A      :知らない点が多いです。ピンクレディーについて聞いている位ですね。日本の音楽は大変難しいし,理解しにくいです。しかしよく聴けば,取り入れる点があるかもしれません。

Q      :なぜBが逆なんですか。
A      :一種のギミックです。別にデザイン的なことで2つのカップルを表しているのです。

Q      :この質問はビートルズの時にも聞いたのですが,どのようなコンサートを見に行きますか?
A(アンナ) :ビートルズを見たいわ。(笑)
 (フリーダ):スウェーデンは小さな国だから,あまり外国のアーティストが来ないんです。でも来たら必ず行くようにしています。
 (ベニー) :クラシックももちろん,どんな音楽も聴いて,コンサートもみたいと思っています。これはいい,これはだめだとか考えたくはないです。

Q      :ABBAとしてどんな人に影響を受けましたか?
A(ビヨルン):ベニーと2人のころは,レノン゠マッカートニーに影響されたな。4人としては,色々なアーティストに影響されたから,名をあげるのは難しいです。

Q      :男女2人のグループのレコードを聞きますか?
A      :よく聞きます。すばらしいグループが多いと思います。

Q      :なぜ今回はコンサートをやらなかったのですか?
A      :コンサートを行うには準備が半年位かかるからです。

Q      :あなた方の曲は売るためにコマーシャルに作りすぎているという人たちがいますが,どう思いますか?
A(フリーダ):それじゃ私たちと同じ歌を作って歌ってごらんなさい!!

Q      :ニューアルバムはいつごろ発売されますか? また日本公演はいつごろになりますか? また何回位コンサートをしたいか。
A(ビヨルン):LPは,3月末か4月には出したいと思っています。コンサートについては,具体的には,何ともいえない。プロモーターと話しあって決定してから半年かかるからね。公演数や,地方に行くかなども,プロモーター次第であります。

Q      :税金による海外移住は考えていませんか。
A(アンナ) :スウェーデンがとても好きですから,絶対にありません。
 (ベニー) :それにスウェーデンの国,税金が私たちが金持ちにならないようにしてくれていますしね(笑)

Q      :いつもすばらしいヒップにしておくヒケツは?
A(アンナ) :とくにないです。でも後ろより,前についている方がよかったわ。だってみなさんの前でいちいち後ろをむかなくてすむもの(笑)

Q      :ピンクレディーについてどう思いますか?
A      :ポスターでしかみていないけど,とてもかわいい2人だと思う。

Q      :後輩のミュージシャンにアドバイスを。
A(フリーダ):働く,働く,働くしかない。Never Give Upの精神が大事ですし,他のグループのまねをしないで,独自のスタイルを分析してきめておくことが大事です。

Q      :作詩はだれがするのですか? また英語の詩はいつごろから書いていますか。
A      :ビヨルンが,詩を書いています。英語の曲は1965年ごろからです。

Q      :英語で歌うことが成功につながったと思いますか。
A      :もちろんそうです。スウェーデン語じゃスウェーデンでしか反応がないでしょう。

Q      :日本の曲を日本向けに歌う予定はあるのですか。
A(ビヨルン):そのつもりはないけど,前に一度やったことがあるけど,とても難しかった。注6

Q      :今後のABBAの音楽はロック色が強くなるのですか? それとももっとポップに?
A      :別にこうと決めてやりたくないです。これからもっと「アバサウンド」をよくして行きたい。

Q      :たくさんの国へ行って,男性2人は他の女性に目が行ったりしないですか?
A(ビヨルン):こんな美しい妻がそばにいるのに,どうして目が行ったりしましょうか!!(笑)
 (ベニー) :それより他の男から妻を守るのに精一杯ですよ(笑)

Q      :日本の食べ物はいかがですか?
A(アンナ) :いままで食べたのはどれもおいしかたわ。ただ,刺身はだめだけど。

Q      :アバの曲にスウェーデンらしさはあると思いますか? またそれは必要ですか?
A      :子供のころから,スウェーデンのフォークを聴いているので,少なからずあると思いますし,そこが,イギリスのグループとちがうところでしょう。でも別に意識していません。

Q      :スウェーデン大使におうかがいします。ABBAの活躍により,スウェーデンは見直されていると思いますか?
A(ウーデバル スウェーデン大使):いままでは,スウェーデンというと,福祉と,高い税金と,技術の国で知られていましたが,最近は,スキーのステインマルク,テニスのビョルンボルグ,そしてなんといってもABBAが全世界のスウェーデン大使館にとって,とても重要な点になっています。

Q      :大使にもうひとつ。スウェーデンはいつABBAに勲章を与えますか?
A(大使)  :スウェーデンは,スウェーデン人には勲章を与えません。もし日本にすばらしい活躍をする人がいたらさしあげます。最後にみなさんに,御礼をいいたい。どうもありがとうございました。

特に記名のないA:は,4人の話を総合したものです。

PART3 アバと過ごした10日間

 F.C.では,入りこむことができない所もしっかり知るために,10日間ABBAと共に過ごした船山さん(D.メイトレコード)に,アバと握手した手で,その時の様子を書いてもらいました。題して「アバと過ごした10日間」

11/17(金) LOS ANGELS発,JAL422便にて遂にABBA日本到着。時,15°05’。ビョルン,ベニー,アグネタ,フリーダそして マネージャーのブッセ注7 ,ビョルンの母親アイナ,一行6名,荷物は大小トランク11個。来日日時はマスコミ関係者に一切極秘の為,成田での混乱はなく名車ボルボに乗りホテルへ直行。偶然ABBAを見かけたファンが驚きと感激でサインを求める。

11/18(土) 休養(スウェーデン大使館へあいさつ) ビョルンとアンナは六本木のディスコテックへフィーバーしに行った。

11/19(日) 休養

11/20(月) ABBA来日記者会見及びレセプションパーティが開かれる。11°30′〜13°30′ビートルズ来日以来という大勢のマスコミ関係者が集まりまだ見ぬスーパーグループを待ちうける。ベニーは明るいブルーのYシャツにワイン色のネクタイ,それに紺のスーツ。フリーダはオレンジ系の横シマのセーターに黒いサテンのパンツ。エンジのポシェットを肩からななめにかけて知的に登場。白いサテンのブラースとパンツが金髪に映えてとてもキュートなアグネタが続きます。白いシャツにスカイブルーのオーバー・オールーを着たビョルンが笑顔で入場するとカメラのシャッターが一斉に切られ場内は華やかな明るい雰囲気につつまれ拍手が起こります。質問は終始なごやかにABBAのジョークまじりのうけこたえは好感が持たれます。続くパーティでは琴の演奏を興味深く聴いたり,もちつきにも一役かったり気さくな人柄がのぞけます。14°30′〜18°NHKTVへ直行。NC-9のビデオ撮り。初めてのTV撮りの為ややきん張。この日9時からNHKTVで放送されたABBAを見てファンがNHKの入口に約500名かけつけ,NHK関係者の説明でも納得せず夜おそくまで待っていたそうです。ファンの皆さんごめんなさい。18°30′〜20°FM東京ABBAクリスマス特番打合せ,及びNHKFMラジオ・インタビュー。

11/21(火) 12°〜15°30′雑誌インタビュー(週刊プレイボーイ,読売新聞),ラジオ関東インタビュー。14°〜18°ニッポン放送(6番組インタビュー) この時はスタジオに入れかわり立ちかわりインタビュアーが入り,次々とインタビューをする。ひなた康夫氏,朝比奈マリアさん,コッペさん,etcとにかく大いそがし。スタジオにABBAが来ているときいた他のレコード会社プロモーター氏ものぞきこみさすがABBA風格があると一言。18°〜20°30′ニッポン放送1スタジオにてファンを集めてABBAゲスト出演による「ポップス・電話リクエスト」の公開録音。ファンの熱気,制作スタッフも驚くほどのもり上がり。ABBA旋風がニッポン放送の上から下まで完全に吹きぬけます。100人の入場者は30,000通のハガキの中から選ばれた幸せな人たち。スタジオの中は関係者も入れない超満員。ディレクターいわく「今までの最高動員,最高ののりだよ」 ABBAはわれる様な拍手に送られスタジオを出るとすぐボルボでホテル直行。おつかれ様。私たちスタッフがかたづけ終わってニッポン放送を出るまでずっと待っていたファンの皆様ABBAはすでに帰ったあとだったんです。すいません。

11/22(水) 11°40′〜15°30′フジTV「ミュージック・フェアー」録画撮り。54年1月16日(火)21°30′〜22°放送予定。この間に雑誌インタビュー2社,テレビ撮影は大変時間がかかり,本番を撮るまでにカメラ・リハーサル,ランスルーと手間がかかるのです。皆様1月16日見逃さない様に! ABBAはサンドイッチ,ハンバーガー,サラダの食事。シャンペンを飲みつつインタビューに応じます。それにつけても笑顔を絶やさない4人です。雑誌「ガッツ」編集部の方いわく「スーパー・グループなのに気どったことろのない素直な人たちですね。」 18°〜20°日本TV「イレブンP.M」録画撮り。53年12月13日(水),20日(水)放送。日本TVとなりの酒屋さんへミネラル・ウォーターを買いにいったところ 私の背中のABBAマーク注8 を見て御主人さんいわく「あっ,ABBAだ。このグループは4人組で今一番人気のある人たちなんだよ。特におしりのきれいな人がいていい歌を歌っているんだ」ですって。20°30′〜21°TBSラジオ「フレンドポップス」録音 。注9 スタジオに関係者のお子さん,たぶん5才ぐらいだろうと思いますがABBAの似顔絵を持ってABBAに見せたところ4人とも大変よろこんでくれました。特にフリーダは「あなたはとても絵がじょうずだからもっと勉強したら絵描きさんになれるわよ。」と笑顔でほめていました。そして大事そうにマネージャーに持って帰ってとたのんでいましたよ。

11/23(木) だんだん疲れが出てきます。が,4人はさすが,目があうと笑顔を返します。12°〜16°雑誌インタビュー(5誌) 16°〜22°TBSラジオ,TBS-TV(ザ・ベスト10)出演。TBSのラジオ館とTV館をいったりきたり。この日は生放送だったので遅れると大変なことになるためスタッフも走りまわって死にもの狂い。本当大変だったのよ。細かいスケジュールは16°10′〜16°30′(TV)カメラリハーサル,16°40′〜19°(ラジオ)夜とも録音,19°10′〜19°45′(TV)ランスルー,20°〜21°30′(ラジオ)パック・イン・ミュージック録音20°30′〜22°(TV)ザ・ベスト10生。
“夜は友だち”聴きました? ラジオゲストでは,一番おかしかった4人でしたよ。スタジオにたくさんのプレゼントを用意され喜んでました。ピンク・レディーやジュリーのレコード寸評もしたり,サイコロを振ったり,リラックスしたABBAです。放送されているのも知らないで,ベニーが独り言でブツブツ言っていたら,質問に答えてアグネタが話し始めて声がかさなってしまう事がありました。ベニーはあっ!いけないと気がついてあわてて口を押さえて机にふつぶせになりゴメン。アグネタがふざけてベニーの頭をコツン。みんな思わず笑ってしまうシーンもありました。「ザ・ベスト10」は見ましたね。日本のトップ・スターがかすんでしまうABBAの登場でしたでしょう。

11/24(金) 11°20′〜14°FM東京,生ゲスト,「ABBAクリスマス特番」録音。この日は追跡取材が2誌あり,ABBAをピッタリマークします。
FM東京では31階の高層ビルから下をながめしばしびっくりするABBA。用意されたサンドイッチを少しつまんであとは飲み物。シャンペンにビール,フリーダがブラック・コーヒーがほしいと言ってましたっけ。
「クリスマス特番はぜひお聴きのがしのないように。14°30′〜18°銀座テレサで生放送される“ギンザ・NOW”出演。ここが一番混乱を起こすだろうとスタッフはガードをかためます。一番の問題はスタジオに出入りする時,ABBAのファンの皆様は他のアイドル・グループのファンの人たちとは違いそんなとんでもない事はしないだろうとは言え群衆心理も考え,ABBAがもみくちゃにされたりけがなどあってはと思い特別の通路でABBAを逃します。この時ギンザNOWの入口ではボルボをおとりに使ってファンの人たちをひきつけておきまして,誠に申し訳ありませんでした。おかげで無事ABBAは次の仕事へと移れました。
18°30′〜21°文化放送・ペパーミント・ストリート,オール・ジャパン・ポップ20他インタビュー。どこでも熱心なファンの情報の確かさには頭が下がります。大貫憲章氏,川上尚氏などのインタビューをうけるABBA。次のアルバム,またコンサートの予定,スーパー・グループABBAの生い立ちなど,話はつきません。ABBA が注10 文化放送を出たのが21°30′ごろ。寒い夜でしたが多くのファンがしんぼう強く待っていたのが印象的でした。でもタクシーを一台チャーターして追跡してきた女の子たち,お金持ちなのには驚きです。

11/25(土) 11°30′〜24°30′ 何と13時間もTBSテレビのGスタジオで「アバ・スペシャル」の録画。この仕事が一番の問題。ABBAは6回のコスチューム変えで見事なステージを見せてくれます。ビートルズをしのげるか!というサブ・サイトルが実に今のABBAの人気、実力を物語っています。ビートルズは60年代を作ったスーパー・グループである事は間違いなく,その活躍は他に類を見ずここまできました。そしてABBAの出現によって,全世界はビートルズ・センセーションの再来と言い始めました。そして今,ABBA来日で益々彼らの実力がわかり,この事は実感としてとらえられる様になりました。
11月16日「ABBAスペシャル」感想を待ってます。
あなたにとってABBAはビートルズをしのいだでしょう。

11/26(日) 12°〜ABBA日本滞在最終日。この日は昨日の「ABBAスペシャル」をビョルンとベニーそしてアグネタがTBSのスタジオで最終チェックをしました。主にサウンド・チェックの為,ビョルンとベニーは互いに意見を交換し合います。レコーディングの時もたぶんこうなんだろうなと思いながら聴いてますとベニーがディレクター役の様です。アグネタはほとんど口を出しません。ベニーはハンバーガー(マクドナルドのBIG MAC)を食べて元気をとりもどし,とぎすまされた耳で慎重にビデオTVを見ながら指示します。16°までABBAの最後の仕事は続きます。無事チェックが完了して外に出ると,本当に本当にしんぼう強いファンがここでも待っていてくれます。ありがとうございます。ホテルにもどったABBAは荷物をまとめ帰国の用意。17°過ぎからホテルの1Fでスタッフとおつかれ様パーティ。過密なスケジュールを終え,トラブルもなく10日間一緒に仕事ができた事は,ABBAにとっても私たちにとっても幸いな事でした。メンバー一人一人と握手をし,さよならの言葉がでたとたん,こみ上げる感情を押さえる事は,できませんでした。互いに,感謝の言葉を言いながら,肩を抱き合ってしばらくは,言うに言えない感情でいっぱいでした。「空港まで送ってきてくれますね。」というフリーダの声で気をとりなおした私でした。
ABBAは部屋にもどり,アグネタは,こみ上げる涙を押さえ切れず泣いていました。そして,メンバーは,スタッフとファンの見送る中成田空港から,「世界中であたたかい歓迎を受けたけれど日本以上の所はありませんでした。本当に心からありがとう。ファンの皆様,来年はコンサートで必ずまた日本にもどってきます。それまでSo Long!」という言葉を残して帰って行きました。彼らは,こうも言いました。「空港では絶対泣かないで。悲しくなって帰れなくなってしまうから…」と。ビョルン,アグネタ,フリーダそしてベニー。本当にお疲れ様。そしてThank you for the music.

'78.12.19.

PART4 25日(土)TBSテレビGスタジオ(by ペンギン)

 みなさんは,12/16「アバ・スペシャル」を見ましたか? アッというまに1時間が過ぎてしまったと思います。しかし,あの番組をとるのに,なんと13時間もかかったのですよ。 11/25(土)の午後,厳重な警戒をぬって,TBS Gスタジオに侵入。図々しくも,ステージ際まで行ってきました。そこには,ビヨルンのお母さんも録画をジッと見守っていました。お母さんは,とってもしっかりした,そう“大地の母”という感じです。休けいの時には,アンナ,フリーダにアドバイスをしていました。そして,ABBAの方は,といいますと,本番中ということもあって,とても疲れていることも重なり,とてもこわい 側(?)注11 というより,とても真剣な表情でした。でも,OKが出て,休けいになると,ニコニコして,VTRを見ていました。休けい時間にレコード会社の人が「彼が日本のアバファンクラブの会長です。」と紹介してくれると,ベニーが,ほほ笑みながら握手をしてくれました。そしてまた本番。今度は,“S.O.S”“マネーマネーマネー”“サンキューフォーザミュージック”の生演奏による部分の録画です。これには今日のためにスウェーデンからやってきたギタリストのLars Wallander,ベースのRutger Gunnarsson,ドラムのOla Brunkertの,映画でおなじみの3人も参加していました。Olaさん(白人のドラマー)はとってもカッコよかったです。アンナとフリーダのボーカルは,さすがきまっていました。

PART5 SAYONARA ABBA(by ペンギン)

 11月26日は,ぼくにとって,一生忘れられない夜となった。夜7時,ぼくらを乗せたバスは,一路成田空港へ向かった。そう。いよいよあと数時間で,ABBAがこの日本を離れてしまうのだ。9時前に成田空港の国際線出発ロビーに到着。まだ,ABBAの一行は到着していなかった。心を落ちつけながら,ロビーの中をウロウロしていた。出発便を,知らせるテレビをみると,22:30JAL#403AMSTERDAMと出ている。アー,これに乗って帰っていってしまうんだなあなんて考えていました。そして9時30分,遠くの方から2台の車がやってきた。お迎えに出ると,前の車にアグネータとビヨルン,後の車にフリーダとベニーが乗っていました。みんな化粧もなくとてもきれいだったのです。特にアグネータは美しいブロンドヘアーを三つ編みにしていて,とってもかわいいって感じでした。入口で10人位のファンから最後のプレゼントを渡されとてもうれしそうでした。いっしょに行った,スタッフののマリさんが,ビョルンに,“For your children”と言ってぬいぐるみを渡すと,ビヨルンは目を輝かせて“You're so kind”と言って,マリさんのホッペをなでてくれました。

ロビー内に入って,会社の人々と色々な話をしていました。みんなに,キッとまた来年帰ってくると,固く約束をしています。そして,これ以上は見送りは入れないというところで,ぼくも4人に最後のお別れをしました。

まず,ビヨルン。ぼくが“See you again”というと,グッと握手を強め“Yes! See you again!”と言っていました。

次にアグネタ。恐れず日本語で「サヨナラ」と言ってしまうと,ニコッと笑って“Bye bye,Sayonara!!”と,うまい日本語で言ってくれました。(ここらへんまでは,心もおちついていたのに,だんだんジーンとしてきた。次はフリーダだ) フリーダ。もう本当美しくて,やさしくて,別れるのがいやで,“I don't want to say SAYONARA with you!”と言うと,“I'll be back to Japan again soon. See you then!”とおっしゃって下さいました(?) もう,感激の嵐!! 最後はベニー。昨日あったことを覚えていたらしく,力強く握手すると,ジーッとお互いに目をみつめあっていました。約20秒位握手していると,ベニーが,“Thank you.Bye!”といって,あの100万ドルのBenny smileをニコッとしたと思うと,手を振りながら税関へ向かって行きました。ほんの20分位の間だったけど,まるで“続・ABBA THE MOVIE”のラストシーンを見ているようでした。もちろん,バックには“Thank you for the music”ですヨ。ピッタリです。

報告

みなさんからいただいたメッセージカードは,通訳の方を通して,しっかりアバの手に届きました。似顔絵コンテストは最優秀を4枚選んで下さいと伝えると,次の日「みなさんが書いてくれた作品はどれも心がこもっていて最高のプレゼントだ。とても選ぶことはできません。全て,スウェーデンに持って行きます。どうもありがとうございますと,伝えてほしい」と言っていたと通訳の方から連絡がありました。

PART6 アバに会えた人のお便り紹介

 このコーナーでは,幸運にも,ABBAに会えた会員の方の手紙を紹介します。

★真弓さんの手紙より

 3年間会いたいと思い続けていたアバは本当にすばらしい人達だった。初めて彼らを見た時感激のあまり涙をこらえる事はできなかった。その私の涙をふいてくれたのはアグネタだった。彼女はいつも笑顔で,しつこい私に優しい言葉をかけてくれた。そんな彼女に「ホテルまで来た事を許して下さい。」というと,「こういうことは慣れているから…」と言ってくれた。帰国直前今度は別れの悲しさに泣ける私に“Don't cry. We'll come back again…. Thank you for your letter.”といって抱きしめてくれたアグネータ。でもこんなアグネータよりも,もっとアンニフリッドは優しい人だった。彼女もやはりいつもニコニコ。写真も喜んで撮らせてくれた。彼らが帰った後,すっかり気の抜けてしまった私は,あのアバ,ABBA THE MOVIEのアバに会ったのだろうか……と考えてしまった。あんなに気さくで優しい人が世界一のスーパースターだなんて,信じられない事だった。私の思っていたより実際のアバは本当に人間的で,すばらしい人だった。音楽だけでなく,彼ら自身本当に私にとって最高のものだった。心からThank you for ABBAと叫びたい!

★忠くんのハガキより

 11月20〜25日は全く夢のような一週間でした。ホント僕はついてるなー。ABBAが日本にいる。それだけでもうれしいのに,何とぼくは生でABBAのステージを見ることができたのです。ニッポン放送第1スタジオで,スタジオに4人が入ってきた時の感動は,口では言えません。本物がすぐ目の前にいるのです!! アンナさん,フリーダさん,ホントにステキでした。ビョヨンもベニーもカッコよかった!ン!
 アンナさんの金色の髪,フリーダさんの燃えるような色の髪が印象的でした!!!

FOR MEMBERS

その1:通信販売のお知らせ

 イギリス製のアバの本“ABBA”(by Harry Edgington)を通信販売します。アバのかくれざるストーリー。未公開写真満載。英語の勉強にもなります。300部の限定入荷ですので,お早めに。

〔価格〕¥610(送料¥120)計730円
〔申し込み〕現金書留にて下記の住所へ

申し込み先,問い合わせ先は省略します。

その2:会費の継続方法について

省略します。

DENGONBANダゾ!!

ちはるの愛人さんのハガキ

 今度のABBAの来日で,とうとう我中学にもABBAブームが起こりそうです。
 つい最近まではABBAの事,知らない子が沢山で私とってもみじめでした。でもとうとう……ウヒウヒ! うちのクラスはABBAではちきれそうでス。どーしよー!!
 ところで近所のレコード屋はアホです。ABBAを ABBA注12 と書いて張り出しているのです。どなりこもうかと思ったけどポスターが欲しくてやめました。でもきっとこの店近々倒産するでしょうネ!

★本当に,今回の来日でABBAファンが急増してますね。F.C.の入会も殺到しているし,レコードセールスもすごいんですよ。日本のと外国のを合わせた総合LPチャートで「アライバル」がベスト10入りしているし,シングルも「ダンシングクィーン」と「サマーナイトシティー」の2枚が洋楽シングルTOP10に入っているほどですヨ。(12/4付第1位になりました)

幸子さんのハガキ

 ぎゃびーん!!
 やっとアバとご対面できて(TVで)ホント感激です。
 もーフリーダとアンナの美しいこと! ビヨルンかしこそー。ベニーやさしそー。写真でみるよりTVの方がみんな数倍魅力的!! もちろんラジオもばっちし聞きました。ニューLPに入る予定の曲まで聞くことができちゃって,うっく! もう思い残す事は,ありません…… などといってられないのだ!! そーです!! 来年こそ,来年こそは,ぜひ彼らに,コンサートをやってもらわねば…… うん! ファンクラブのみなさま,その日を夢見て,せっせとファンレターなどをどんどん書きましょー!

ファンクラブからファンレターの宛先を追記していますが,省略します。

Jaime,Newton-Johnさんのハガキ

 ニューセンター9時で見たのよね。私達のABBAを。本当ステキだった。「ABBA THE MOVIE」のときよりもずっと感激しました。だって同じ日本にいて同じ時間に…などと思うと,もう死にそー。Summer night cityをきいた時ワーABBAがいる〜。歌ってるーとただひたすら感動。But,Dancing Queenをきいた時,本当もうなんともいえない気持ちになり,はずかしくも泣いてしまったのです。同じFanの方なら私のこの胸の内,わかってくれますよね。本当に,ABBAは偉大じゃ〜。

★わかるわかるその気持ち。ぼくなんか,あの1週間眠られなかったもんねー。

お知らせ

・年末の郵便じじょうが悪いため,間に合うかどうかわからないけれど12/29のNHK,世界のワンマンショーでABBAをやります。お楽しみに。

・「ABBA in JAPAN」のフィルム注13 がもうすぐできます。TVで放映予定。また1〜2月にフィルムコンサートを企画しています。

以下,省略します。

AFTERTONES

 船山さん,マリさん,ちふみさん,原稿ありがとう。あの嵐の一週間からもう一ケ月もたったんですねー。やっと落ちついてきました。
 会員のみなさん,今年一年間お世話になりました。会報の遅れなど御迷惑をおかけしました。来年はバシバシやりたいと思っています。強力スタッフも加わり,不滅のA.F.Cとなりました。
 それじゃMerry Christmas and Happy New Year, So Long!!

〔初場所では10勝をめざす噂の“長岡”ペンギン〕


注1: この号には発行年月が記載されていません。Chifumiが記事の内容から判断し,追加しました。
注2: 当初は11月20日来日と伝えられていました。
注3: 放送局名の部分の印刷が不鮮明のため,Chifumiが番組名から判断し補いました。
注4: ザ・キャピトルホテル東急の前身。
注5: 第3回世界歌謡祭に出場するため来日しました。
注6: 1972年に来日記念盤として発売した「初恋の街」(CBS・ソニー EPCA-49)をさしていると考えられます。ビヨルンとベニーが作詞(英語),森田公一さんが作曲しています。
注7: アバのマネージャーは,スティーグ・アンデションという人でした。なお,1978年にアバが来日している間,ブッセさんという方が通訳として同行していました。会報の記述「マネージャーのブッセ」は,「マネージャーのスティーグ」または「通訳のブッセ」の誤記と考えられます。どちらか判断できないため,会報のとおり記載しました。
注8: 1978年にアバが来日している間,ディスコメイトレコードとシンコーミュージックのスタッフのみなさんは,背中にアバのロゴが入ったジャンパーを着用していました。DVD『アバ・イン・ジャパン』(ユニバーサルミュージック UIBY-1057/8など)に収録されている「ビハインド・ザ・シーン1978」の各所に,この姿が映っています。背中の部分がよくわかるのは,レセプションパーティーのシーン(開始から6分41秒〜43秒)と,アバが帰国する成田空港でのシーン(同22分5秒〜8秒)です。
注9: 会報には句点がありません。Chifumiが補いました。
注10: 会報には助詞がありません。Chifumiが補いました。
注11: 意味が通じないのですが,会報のとおり記載しました。(当該文の誤字2カ所をChifumiが修正しています)

注12: アバのロゴは,左側のB(アバ全体では2文字目)が裏返しになっています。投稿した方は,近所のレコード店の掲示が誤っていて,右側のB(アバ全体では3文字目)が裏返しになっていることを指摘しています。
注13: DVD『アバ・イン・ジャパン』(ユニバーサルミュージック UIBY-1057/8など)に収録されている「ビハインド・ザ・シーン1978」をさします。

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published: 1978-12
by The Japan Official ABBA Fan Club

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updated: 2021-11-14
by MURAKAMI Chifumi