Subject:[china-e:77] 日中韓環境教育ネットワークに関する第1回日中韓ワークショップ及びシンポジウムの結果 Date:Sat, 23 Dec 2000 00:22:37 +0900 大村@環境庁環境協力室です。 様々な方々、リストにクロス投稿です(重複して受け取られるかた には申し訳ありません。宛先はBCC扱いです) ===================== 環境庁より案内させていただきました標記会合開催については、皆様の多くの 御参加を賜り、心より御礼申し上げます。 このたび結果概要を以下のとおりお送りいたしますので、ご一読いただければ幸い です。 今後ともよろしくお願いいたします。 環境庁環境協力室 日中韓環境教育ネットワークに関する第1回日中韓ワークショップ 2000年11月30日〜12月1日 静岡県田貫湖、日本 結果報告書 (和訳版) 日中韓環境教育ネットワーク(TEEN)に関する第1回日中韓ワークショップ  は、2000年11月30日〜12月1日に、日本の静岡県田貫湖で開催された 。  日本国環境庁が主催し、日中韓から行政官、NGOの実践家、専門家など20名  が参加した(参加者一覧を別添)。ワークショップは、日中韓三カ国環境大臣会  合のプロジェクト(TEMMプロジェクト)の一つとして、3カ国の環境教育に  関する人的ネットワークを形成していくために計画されたものである。  ワークショップの結果とその後の経過は、2001年に日本で開催される日中韓  三カ国環境大臣会合に報告される。 日本環境庁環境協力室長の田口博之氏が開会の挨拶を行い、埼玉大学助教授であ る阿部治氏及び日本環境教育フォーラムの岡島成行氏が議長を務めた。 TEENのフォーカルポイントがワークショップの内容を、以下のとおりとりま とめた。 1. 環境教育の現状について情報を共有するため、以下のように9つの報告 が行われた。 a) 中国、韓国及び日本における環境教育の現状の概観について、中国国家環境 保 護総局の環境宣伝教育センターの焦志延(Jiao Zhiyan、ジャオ ジヤン)女史、 韓国環境教育協会の李仙景(Lee Sun-Kyung、リ スンキュン)女史、埼玉大学の 阿部治助教授がそれぞれ発表した。 b) 環境教育の実践に関する事例報告が、中国国家環境保護総局環境宣伝教育セ ン ターの牛玲娟(Niu Lingjuan、ニウ リンジュアン)女史、アンテロープカープ ロ ジェクト(SOFと自然の友中国)の赦冰(Hao Bing、ハオ ビン)女史、韓国消費 者保護市民連盟の金在玉(Kim Jai-Ok、キム ジャイオク)女史、環境文化セン ターの朴銀瓊(Park Eun-Kyung、パク エゥンキュン)女史、大阪教育大学の鈴 木 善次氏、こども環境活動支援協会の小川雅由氏から発表された。 2. 参加者は、環境教育の概念と目的について討議を行い、環境教育は環境 にやさしい持続可能な社会の実現に大きな役割を果たすとの認識を共有した。 3. 参加者は、3カ国環境教育ネットワーク(TEEN)の様式と重要性に ついて討議を行い、以下のような示唆を行った。 1) 生産的で効果的なネットワークを作成するためには、公的、非公的及び 専門的教育という3つの領域間の連携を考えるべきである。 2) 行動に関する目標の設定と戦略の設定が不可欠である。 3) 政府、地域社会や学校などの組織に関するネットワーク、行政官、専門 家、教員や学生などの個人的なネットワークの2つのネットワークを形成するべ き。 4) 行動のためには以下の6段階を検討すべき:(1)優先的な行動を特定 する、(2)それぞれの国で、環境教育の重要地点を選び出す、(3)資金源を 探求する、(4)人的開発を行う、(5)得られた経験を共有する、(6)成果 を評価する。 5) NGOsのスタッフの訓練など対処能力の開発が、とりわけ中国で、重 要 である。 6) それぞれの国が協力してTEENの実現に貢献し、その成果を共有すべ き。 7) 以下の3つの要因がTEENの持続可能性において重要である:(1) 年次ワークショップやウェブページなどアイディアや経験を共有するためのコ ミュニケーションチャネル、(2)効果的な実施のための財源措置、及び(3) 適切な運用のための助言委員会 8) 環境教育に関する幅広い関係者の参画が重要である。 9) TEENは特定の分野に焦点を当てて開始したうえで、そのスコープを 他の分野にも広げて行くべき。 10) TEENの重要な役割の一つは、共通の課題を見つけるために3カ国間 で環境教育の実践を共有することである。 11) 年次ワークショップは生産性を高めるよう、特定のテーマを選んで開催 し、そのテーマの関係者を招いて行うべきである。 12) 年次ワークショップは3カ国の回り持ちで開催すべきである。 13) 国際機関と共催することが重要である。 4. 参加者は、TEENの様式は、次回のワークショップでさらにつめるべ きであるとの共通理解に達した。 5. 参加者は、TEENを活発化するための以下のようなアイディアについ て議論した。 1) 英語とそれぞれの母国語でウェブサイトを作成する 2) 教科書、ビデオ、映画などの環境教育教材を開発する 3) 教育者のための体系的トレーニングプログラムを開発する 4) 環境教育に関する学校教育カリキュラムを開発する 6. 参加者は、さらに段階を進めるための基礎として、3カ国における環境 教育に関わる組織のデータベースを整備するというコンセンサスに達した。 7. 参加者は、日本の環境庁がワークショップを主催したこと、並びに、阿 部、岡島両氏の優れた議長采配に謝意を表明した。 8. 中国の参加者は、次回のワークショップを中国で開催することを申し 出、参加者全員がこれに謝意を表明した。 (了 ) <中国> 焦  志延(Jiao Zhiyan、ジャオ ジヤン)・女性:国家環境保護総局宣伝教育 セ ンター主任 牛 玲娟(Niu Lingjuan、ニウ リンジュアン)・女性:国家環境保護総局宣伝 教 育センター 叶 志容(Ye Zhirong、イェ ジロン)・女性:広東省環境保護教育センター主 任 張 小兵(Zhang Xiaobing、ジャン シャオビン)・女性:深セン市環境保護教 育 センター主任 叶 民(Ye Min、イェ ミン)・男性:国家環境保護総局行政体制人事局 赦 冰(Hao Bing、ハオ ビン)・女性:自然の友中国Antelope Carコーディネ ー ター <韓国> 權 泰◎(Kwon Tai-Joon、クオン タイジュン)・男性:ソウル大学大学院教授        (◎は韓国の文字のため表示できません) 金 在玉(Kim Jai-Ok、キム ジャイオク)・女性:韓国消費者保護市民連盟理 事 朴 銀瓊(Park Eun-Kyung、パク エゥンキュン)・女性:環境文化センター主 任 金 首宗(Kim Soo-Jong、キム スジョン)・男性:Hankook Ilbo 編集ライター 李  仙景(Lee Sun-Kyung、リ スンキュン)・女性:韓国環境教育学会理事 申 東元(Shin Dong-Won、シン ドンウォン)・男性:環境部国際協力課長 <日本> 阿部  治 埼玉大学助教授 岡島 成行 環境教育フォーラム 小川 雅由 こども環境活動支援協会 鈴木 善次 大阪教育大学名誉教授 本間 健志 環境庁企画調整局企画調整課環境保全活動推進室 日中韓環境教育公開シンポジウム 2000年12月2日(土)13時〜17時半  主 催:環境庁、(社)日本環境教育フォーラム、 場 所:東京ウイメンズプ ラザホール 結果概要  概 要:日中韓の環境教育ネットワークの構築を検討する環境教育専門家による ワークショップ(11月30日〜12月1日、静岡県富士宮市/休暇村富士) と あわせて翌2日に開催したもの。     川口順子環境庁長官の挨拶に引き続き行われた、議事は以下のとおり。     1 加藤登紀子氏基調講演「感性でつなぐ人と自然」       歌も披露していただきながら、人が地球に負担をかけながら      生きていることを感性でとらえることの重要性についてお話し      いただきました。    2 ケビン・ショート氏事例発表「私の自然教室」       スライドを用い、ケビンさんが日本で行っている里山での自然観察 についてユーモアを交えつつ、お話しいただきました。    3 パネルディスカッション「明日をつくる環境教育」        テーマ1「各国における環境教育の現状と課題」                 テーマ2「日中韓の今後の環境教育における協力のあり方」        パネリスト○焦志延(ジャオ・ツィアン)               中国国家環境保護総局・環境宣伝教育センター所長             ○權泰◎(クオン・タイジュン)               韓国ソウル国立大学教授               (◎は韓国の文字のため表示できません)              ○阿部治               日本埼玉大学教授        コメンテーター             ○ケビン・ショート氏             ○小島敏行              環境庁官房審議官        コーディネーター             ○岡島成行日本環境教育フォーラム常務理事     4 会場からの質疑応答      なお、同シンポジウムでは、これに先立つワークショップにおいて、次 回ワークショップが中国で開催されること、3カ国における環境教育に 関するデータベースを整備するという合意に達したことが報告された。 みなさん。よいお年を。 なお、1月6日より環境省の発足に伴い、 環境省職員のアドレスは  namae_sei@eanet.go.jp の形式から  namae_sei@env.go.jp の形式に変わります。  (従来のeanetをenvに置き換えていただくようお願いします) ================================================ 大 村  卓 (Taku OHMURA : Mr.) E-Mail: taku-o@bigfoot.com 勤務先)  環境庁 地球環境部   環 境 協 力 室 室長補佐    代表TEL 03-3581-3351 内線6744    ダイヤルイン03-5521-8248 FAX 03-3581-3423  URL:http://www.eic.or.jp/eanet  〒100-8975 千代田区霞が関1-2-2 .