予防原則の将来性? Graham 論文から

A Future for The Precautionary Principle ?

John D. Graham

Journal of Risk research 4(2), 109-110,2001

 

Grahamの所属:Center of Risk Analysis, Harvard School of Public Health

予防原則の将来性? Graham 論文から

予防原則の将来性?

予防原則について比較的早い段階で行われた1999年のワークショップの紹介である。この前年1998年に、Thicknerらのウィングスプレッド会議があり、この翌年の2000年にはEUによるガイドラインが発表された。

このJournal of Risk research 4(2)号には、このときのワークショップの発表論文6編が収録されており、その冒頭に、このGrahamの序論が載せられている。

Grahamは「予防原則は改良するか取り替えるか」と問われれば、いくつかの理由で「改良」である、と答えている。その理由の一つは、リスクアナリシスが不確実性を含み、政策決定に適切な助言を与えられない状況であり、ガイドラインの定義が出来ていない。もし予防原則が定義され、ガイドラインに従って運用されるなら、予防原則が適用できるため、改良が必要である。2番目の理由は、EUではすでに予防原則が合法化され、今後国際的な環境政策に大きな役割を演じるであろうと考えられること。3番目として、WTOでさえ、EU2000年のガイドラインはリスクアセスメントの流れの中で用いられ、リスクマネージメントの一つとして予防原則が位置付けられているので建設的なステップの一つである、と述べていることである。大竹

 

 


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