アンコール・ワットから1.7kmほど北にあるアンコール帝国最後の首都。12世紀末から13世紀初頭にかけて仏教徒のジャヤヴァルマン7世によって建立された城砦都市で、城壁内には王宮、寺院、官庁、僧侶・官吏などの住居があった。

バイヨンはその中心に位置する寺院で、54の塔の四面には観世音菩薩の顔が彫られている。仏教寺院とはいえ、内部のレリーフは、長年続いたヒンドゥー教の影響が見られる。

写真はシンハ(左側の獅子)の像が安置された東正面入口。

躍動感のある柱のレリーフ。バイヨン様式。

宴会の準備をする人々。<第一回廊南>

左から粉をこねる人、お米を炊く人、飲み物を運ぶ人、動物を鍋に入れようとする人、魚を串に刺して焼く人、など、当時の生活の様子がうかがえる。

木の上には孔雀、猿など様々な動物が描かれている。

このレリーフは、うたたねしている店番(中央)のスキを見計らって、食べ物を盗もうとしている人を、左端の人がたしなめている所。

右端の二人の男性は、店の裏で酒を酌み交わしていて、店の様子には気付いていない。

<第一回廊南>

こちらは闘鶏の一場面。<第一回廊南>

髪型や顔つきから、左がクメール人、右が中国人と思われる。どうやらクメール人が賭に負けて、中国人に支払いをしている様子。

第一回廊から塔を望む。

美しいデヴァター。

バイヨンのレリーフは彫りが深く、立体感がある。

中央祠堂の塔の四面仏。観世音菩薩とも、ジャヤヴァルマン7世の顔とも言われている。慈悲深い表情で下界を見守っている。

それぞれ顔立ちや装飾は違うが、 伏し目がちで、かすかに微笑んでいるような表情は共通している。