・折々の会・第31回サロンコンサート ポプラチェンバロ うぶ声コンサート 〜水永牧子チェンバロリサイタル〜 |
2006年5月20日 東松山市 平野市民活動センター リフレッシュホール |
〜プログラム〜 W.バード : 「深い緑の森よ」 J.ブル : 「イン・ノミネ」 J.ブル : 「ブルのおやすみなさい」 W.バード : 「鐘」 B.ストラーチェ : 「チャッコーナ」 H.パーセル : 「組曲 ニ長調」 水永牧子・編 : 「牧場の朝」 D.スカルラッティ : 3つの「ソナタ」 J.S.バッハ : パルティータ第6番から「トッカータ」 J.S.バッハ : フランス組曲 第6番 |
<出演者プロフィール> 水永 牧子[みずなが・まきこ:チェンバロ] 東京生まれ。桐朋学園大学古楽器科卒業。フライブルク音楽大学大学院を卒業後、最優秀の成績にてドイツ国家ソリストディプロマを取得。99年モントリオール国際チェンバロコンクール第2位入賞。M・ゴネヴィルの現代作品を演奏し最優秀賞も受賞。ドイツ留学中は「シュトゥットガルト・バッハ・アカデミー」にて作曲家S・グバイドゥリーナとの共同プロジェクトに参加、モーリス・アンドレと共演するなどヨーロッパ各地で演奏活動を行う。すでに3枚のソロCD「D. スカルラッティ・ソナタ集」「夢見る雨」「イングリッシュ・ガーデン」をリリース。資生堂アートハウス・コンサート、北九州国際音楽祭、東京オペラシティ「B→C」、平安神宮「紅しだれコンサート」など全国でソリストとして活躍中。またアンサンブル”ラ・フォンテ−ヌ”のメンバーとして第11回山梨古楽コンクール・アンサンブル部門最高位入賞。00年ブルージュ国際古楽コンクールのアンサンブル部門第2位と聴衆賞受賞。ロンドンSBC音楽祭、ヨーク古楽祭などにも出演。2001年度文化庁在外研修員。ピアノを坂井由紀子、チェンバロを故鍋島元子、ロバート・ヒル、ミヒャエル・ベーリンガー、曽根麻矢子の各氏に師事。 『…私も北大と深いつながりがあります。私の祖父の祖父にあたる大島正健という人は札幌農学校の第一期生で、クラーク先生より直接教えを受けた人です。1877年にクラーク先生が札幌を去るにあたって語った「Boys be Ambitious!」という言葉を「少年よ、大志を抱け!」と訳し後世に伝えました。著書「クラーク先生と弟子達」に当時のことが書かれています。北大を象徴するポプラで作られたチェンバロを演奏出来ますことに深い感慨を覚えます。』 (水永牧子さんのホームページから抜粋) |
《ポプラチェンバロについて》 北海道、札幌を象徴する美しくも名高い北大のポプラ並木。一昨年秋の台風18号による強風でその51本中19本が無残に倒されてしまいました。さっそく農学部の平井卓郎教授を中心に、並木の再生と倒木の活用に取り組む活動が進められました。ポプラが昔ヨーロッパで楽器材に重用されていたことを知っていた北海道教育大の音楽学教授市川信一郎氏から「倒れたポプラで記念のチェンバロを作ってはどうか」と提案があり、北大から横田工房にチェンバロ製作の依頼がありました。倒木のうち状態のよい7本(直径80センチ、長さ3メートル)を旭川市の製材会社で慎重に挽き割りし、複雑に枝を伸ばしたくせや欠点の多い丸太から奇跡的にチェンバロ3台分ほどの材料をとることができました。約1年の天然乾燥を経た後、周到な人工乾燥を施しました。こうして選び抜かれた良質な部分はヨーロッパの往年の名工達が好んで使ったポプラによく似た軽さと強さのバランスをもったなかなかの良材に思われます。またチェンバロの脚もこの台風で倒れた北大構内の名高いハルニレを使っています。 本日のうぶ声コンサートの後、チェンバロはさらに調整をすすめ、北大のカラーである緑色を主体にしたペイントで装飾を施し、楽器の由来をあらわす銘文を書き込みます。倒木から2年めにあたる今年の9月8日に北大で記念イベントお披露目演奏会が計画されています。もちろん演奏は水永牧子さんです。 (横田誠三・チェンバロ製作家) |
![]() ポプラチェンバロを弾く水永さん (5月20日 加藤わたる氏撮影) |