日本の降伏は、無条件降伏であるとの、政府説明

 日本の降伏を無条件降伏であるとする説明は、日本の独立回復後、国連加盟後も、ごく普通に行われています。大臣の国会答弁のいくつかを掲載します。ただし、法的に厳密な意味での無条件降伏なのか、通常使われている一般用語での無条件降伏なのか、判然としません。日本が占領を脱した後に、日本の降伏が無条件降伏だったのかそうでないのかは、あまり重要でないので、特に意識することもなく、普通に『無条件降伏』と言っている場合が多いと思います。



昭和31年02月29日参議院予算委員会
○鳩山一郎内閣総理大臣
 日本がアメリカに無条件降伏をしたときに、アメリカが日本に必要に応じて要求したことはやむを得ないことと思っております。

昭和32年05月07日参議院社会労働委員会
○神田博厚生大臣
 今度のいわゆる引揚者給付金の対象になりましたものは、終戦の措置に伴って、まあ日本の権限というものは及ばなかった、要するに、ああいったような無条件降伏下において、日本の国威というものが全然保たれなくなった。そして本人の意思でなく、ある期間まあ捕虜というような、

昭和36年02月13日衆議院予算委員会
○荒木萬壽夫文部大臣
 …当時の置かれました無条件降伏の占領中であるという客観条件のもとに、言うべきことも言い得ないままに原案が作られ、国会におきましてもことごとくGHQのアプルーヴァルをもらい得るかいなかの範囲内において制定されたことも…

昭和36年02月24日衆議院予算委員会
○小坂善太郎外務大臣
 受田さん御承知のように、講和条約を結びますときにはアメリカが主導的な地位をとりましたけれども、多数国がこれに加わりまして、連合会議の結果、日本は無条件降伏としてこのきめられたものをのんだわけであります。

昭和37年05月07日衆議院外務委員会
○小坂善太郎外務大臣
 私は、沖繩の状態がいかなる行為の結果こうなったかということから考えてみますると、日本が戦争に負けて、しかも無条件降伏した結果、その後の講和条約によって沖繩の状態というものが今日あるような状態になっておるのであります。

昭和42年12月16日参議院予算委員会
○佐藤榮作内閣総理大臣
 御承知のように、アメリカが施政権を持っておるその根拠、これは一体何なんだ、日本が無条件降伏をした前戦争の結果とはいえ、アメリカが領土的野心を持ってこれらの島々を占有しておる、そういう状態なのか、かように申しますと、これは、前戦争で私どもは無条件降伏をいたしましたが、サンフランシスコ条約を締結した際に第三条によってアメリカがこれらの地域に施政権を持つことになったのであります。

昭和46年12月09日参議院沖縄返還協定特別委員会
○福田赳夫外務大臣
 私どもはそういう過去のいきさつを想起する。日本は無条件降伏をした。そしてカイロ宣言があった。ポツダム宣言があった。そういうようないきさつの中において、今日の講和条約のような立場に置かれ、それを踏んまえまして今日の隆盛を来たしたということかと思いまして、たいへんしあわせな敗戦処理であったと、こういうふうに考えます。

昭和51年10月26日参議院外務委員会
○小坂善太郎外務大臣
 まあ反省と申しますれば、日本は無条件降伏をいたしましたものでございますから占領下にあった、なるたけ早く占領から脱してわが国自身の持つ力を発揮できるようにしたい、…

昭和55年10月16日参議院法務委員会
○奥野誠亮法務大臣
 無条件降伏下の中にあるわけでございますから、占領軍の意思に基づいて日本の管理政策が進められていく、これはやむを得ないことじゃないかと、こう思います。