其の弐
「他にも誰か戦前の世界へはまってくれないかな〜」と思っていた理由は単純明快 横に乗せてもらって、戦前車を堪能されているオーナーの御相伴に・・・
と云う不純な動機に他なりません。
戦前車に興味が湧いているのは自分でも解っているのだが、手を出したら最期。社会復帰は不可能になる危険性が有る。
いかん!こういう世界はまわりの方たちに任せ、私は一線を越えないように心がけよう!!
・・・こんな考えを木っ端微塵にしてしまう事件!?が起きたのが1999年1月の事。
この日、仲間数人と某自動車博物館へ遊びに行った帰りにあれを目撃したのです。
最初に発見されたのはイタリアの某車を飼育されている
I 氏。突然「ありゃ何だ!?」と叫ぶではないですか。
場所は東京のど真ん中、こちらはワンボックス車の中。何事かと真下を覗き込むと、赤い車が走っている。
赤い車なんぞは別に珍しくはない、問題は形。どう見ても戦前車。しかもかなり小さい。
ま、その位なら「あー、古いのに頑張っているね〜」で話は終わる。一番の驚きは
右側車線を走っていた事、さらに我々の乗っていた車をあっさりと追い抜いていった事なのです。
昼間博物館で見てきた車に圧倒・感動した数時間後、別の感動を東京で味わうとは思いもしませんでした。
誰とも無く「あれ、オースティン・セヴンじゃない!?」と先程の車の正体の推理。
え?オースティン・セヴン? あんなに速いの?と云うのが私の抱いた感想。
大体、オースティン・セヴンって英国の大衆車。エンジンは750ccのサイドバルブだしミッションは3段しか無いし
昔読んだ本には「ブレーキが全然効かない」と云う風な事が書かれていたし。
SVのエンジンであんなスピードは出ないだろうし、もしスピードが出たとしても止まれないだろう。
そんなネガティブな事柄ばかり頭を過ぎる。
いやいやしかし、実際我々をあっさり抜いていったではないか。それに日本を代表するジャーナリストの某氏が、戦前の世界へ行く足掛かりに
オースティン・セヴンを勧めるような事を書かれていたのを読んだ憶えが有るし・・・。
頭の中でセヴン肯定・否定がシェイクされ、馬鹿が大馬鹿になった頃、とどめの一撃を4月に受けてしまったのです。