Diary  Wild Orchids in Japan  Links  Profile  Top

 Diary2003-5



 


Platanthera minor オオバノトンボソウ Jul.06.2003

 

 裏山でシュンランと並んで多いのがこのオオバノトンボソウです。しかし、なかなかきれいに咲いてくれません。花茎は上がってくるのですが、夏場になるととろけてしまう事が多いのです。この株も期待していたのですが、いくつかの花が痛んでしまいました。暑さのせいかと思っていたのですが、今年は冷夏です。何が影響しているのでしょうか。
 この花は夕方香りがすると聞いていました。確認してみるとかすかに匂います。蛾がやってくるのでしょうか。

Aug.18.2003 Rev.19.28

 


 


Cymbidium lancifolium ナギラン Jul.06.2003

 

 ナギランはつぼみがもう少しで開き始めるところでした。マヤランはナギランの葉のないタイプというイメージが長年染み付いていました。こうやってつぼみでもじっくり見ていると、全然違うことに気付きます。
 どんな花でも固かったつぼみが膨らみかけていくところは、想像力をかきたて期待を抱かせてくれます。このつぼみはどんな花になるでしょうか。花とは我々にとって、思いの投影なのでしょう。

Aug.17.2003 Rev.19.27

 


 


Cymbidium macrorhizon マヤラン Jul.06.2003

 

 マヤランもそろそろ咲き始めていました。井の頭公園のように大発生するわけでなく、ポツリポツリ散在していました。これがふつうで、井の頭が異常と考えるべきでしょうか。井の頭では、大発生するので果実に虫がつくようになったとも考えられます。
  ここでも色の抜けたサガミランモドキタイプが混じっていました。やはり、サガミランモドキは単なるアルバなのでしょうか。しかし、形態が違うという話もあります。

Aug.16.2003 Rev.19.26

 


 


Liparis nervosa コクラン Jul.06.2003

 

 本当はこのコクランを見に来たのでした。赤黒くて小さい地味な花なので、背景のタシロランの白の方が目だってしまいます。葉やバルブは立派なので、もう少し大きな花を咲かせてくれてもよさそうに思うのですが。
 わりとよく見かけるので、これを目当てにしたこともなく、逆にこれと言った写真もない状態でした。今回これ目当てで来たわけですが、イマイチでした。なかなか思うようには行きません。

Aug.15.2003 Rev.19.25

 


 


魚付きの森 Jul.06.2003

 

 楠の大木が茂る森、海からの風でガスに包まれ、水墨画の世界になります。白くフェードアウトする背景に、手前の枝振りが異様に浮かび上がります。
 徘徊して見ると、崖の先に巨大な窪地があったりして、何かと伝説、いわくのありそうなところです。

Aug.14.2003 Rev.19.24


 


Epipogium roseum タシロラン Jul.06.2003

 

 幽霊の正体見たりタシロランと言うような伝説でも生まれそうな天気でした。低く雲がたれこめ、雨が降ったりやんだり、大気も動いています。暗い樹林下、ニョキッと生えた白い陰が灯火のように目立ちます。至る所でゆらゆら揺れて、灯明山というのもうなづける気がします。実は落ち葉の下には埋まっているのです。
 アップで見ると白地に赤の斑点があり、透明感もあってなかなかきれいです。幽霊チックと言っていいかも知れません。実は結構好きなのです。
 東南アジアから太平洋あたりのランの文献を漁っていると、このタシロランがよく出てきます。太平洋戦争で日本軍が攻め入ったところとオーバーラップするかもしれません。実は英霊たちなのです。

Aug.13.2003 Rev.19.23

 


 


Epipogium roseum タシロラン Jul.06.2003

 

 今度は魚付きの森です。それは至るところニョキニョキ生えていました。森の中はもちろん、周囲の道路にもはみ出していました。見た人は異様に感じないのでしょうか。きっと暗闇で見ると不気味なことでしょう。
 正体は腐生植物のタシロランです。昔来た時は数株あっただけでした。それがもう一山じゅう生えています。落ち葉や枯れ枝が堆積されており、環境もよかったのでしょう。菌類から栄養をもらうとは言え、この生え方はキノコをしのいでいます。

Aug.12.2003 Rev.19.22


 


Sparassis crispa ハナビラタケ Jul.05.2003

 

 それは海綿のようでした。知らない人が見たら、何でこんなところにスポンジがあるのかといぶかるかもしれません。それにしては大き過ぎるのです。子供の頭ぐらいありました。
 正体はハナビラタケです。ここらで見かけたのは2度目です。カラマツと相性がいいらしく、今回もすぐ脇に生えていました。以前テレビで、このハナビラタケは幻のキノコで美容に良いとかやっていました。今日読んだ雑誌によると、栽培品が出回るようになったそうです。でも天然ものの方がありがたみがありそうです。
 ところで、私はまだ海綿を見たことはありません。ギリシャの海で潜って見たいものです。

Aug.11.2003 Rev.19.21

 


 


Ephippianthus sawadanus ハコネラン Jul.05.2003

 

 よく見るとハコネランの花を一匹のアリが徘徊していました。次から次へ花を渡り歩き、唇弁と蘂柱の間にももぐり込みます。さらに唇弁の裏に回って唇弁の付け根あたりをしつこく攻め立てます。ここらに蜜の分泌があるのでしょうか。
 ハコネランの唇弁には、同属のコイチヨウランと違って御覧のように細かい裾歯があります。アリが移動する際、これがちょうどよい足場になっていたようです。さんざん堪能したアリのようですが、花粉塊は付着していませんでした。

Aug.10.2003 Rev.19.20

 


 


Ephippianthus sawadanus ハコネラン Jul.05.2003

 

 今回は久しぶりに縦走路まで登り、以前見た株が見られることを期待していました。しかし、オオヤマサギソウ、ヤマトキソウ、セイタカスズムシソウ、どれもだめでした。トンボソウさえ見られませんでした。どうしたことでしょうか。
 裏側の廃道に回りこんで見ると、一面ササで覆われ、どこが入り口かわかりません。なんとかササをかいくぐって進むと、ハコネランは健在で、ちょうど花時でした。ここは比較的株が大きく元気そうで安心しました。しかし、ササが覆い尽くす勢いで、このままでは暗くなりすぎてだめになりそうです。

Aug.09.2003 Rev.19.19

 


 


Liparis krameri ジガバチソウ Jul.05.2003

 

 尾根道を登って行くと、カラマツ林と広葉樹林が左右に分かれています。カラマツ林の中ではジガバチソウが結構見られますが、広葉樹林ではなぜか見られません。他の草もあまりありません。夏場は木が茂って暗すぎるのでしょうか。
 ここのジガバチソウは小型ですが色の抜け具合が様々で、緑花から赤花までバリエーションが楽しめます。特に透過光で見る赤花がきれいです。この花は緑花ですが、萼弁に赤がほんのりのこり、緑から赤への淡いグラデュエーションがきれいです。

Aug.08.2003 Rev.19.18

 


 


ブナ Jul.05.2003

 

 今年初めて山らしい山に登りました。登山口にクマ注意の看板、4月に出没とあります。いつものことながら、早朝では誰もいません。いつかばったり出くわすのではとびくびく進みます。
 天然樹林とカラマツ林が交互に出てくる道を登ります。周りはエゾハルゼミの輪唱で、鳴いている間は大丈夫と勝手に励まされます。ミズナラに混じってブナも出てきました。巨木とは言えませんが、存在感があります。クマの形跡はありません。

Aug.05.2003 Rev.19.17


 


Cymbidium macrorhizon マヤラン Jul.04.2003

 

 今年も出てきました、井の頭公園のマヤランです。出だしは遅かったのですが、数十本の株立ちがいくつもあります。ランネットワークの保全活動が効いているのでしょうか。
 
せっかく結実しても、ハエの一種が産卵して種子ができなかったのです。網掛けをしてハエを防いでいます。果実を守ること以上に、幼虫の餌を隠すことでハエの発生を押えた効果があったと聞きます。しかし、多くの花がネットの下になって見えなくなったのですが。

Aug.04.2003 Rev.19.16


 


Nelvilia nipponica ムカゴサイシン Jun.29.2003

 

 見つけた時はまるでモヤシのようでした。1本だけ見つかったムカゴサイシンの花です。花と葉の時期が異なるため、葉の時期にマーキングしておかないとまず見つかりません。Yさんと3年前に来て以来、記憶と朽ちかけたマーキングを頼りに探したのです。
 本来もう少し開くはずなのですが、前回もほとんど開いていませんでした。これで花かと言われそうですが、斑紋の入ったリップがわずかにのぞいています。

Aug.03.2003 Rev.19.15

 


 


Amitostigma garcile ヒナラン Jun.29.2003

 

 ヒナランは西日本中心ですが、関東にも隔離分布しているそうなので、Sさんの案内で見に行きました。岩場のコケの中に数本、小さな花を咲かせていました。小さいせいか、花茎が短く花の数も多くありません。すらっとした姿を予想していたのですが。
 周りの岩場には、ウチョウランも咲いており、マメヅタランも張り付いていました。帰りしな、岩場の陰に数本つぼみの個体を見つけました。それらはすらっとした姿でした。

Aug.02.2003 Rev.19.14

 


 


Ponerorchis graminifolia ウチョウラン Jun.21.2003

 

 わざわざ危ないところに登らなくても、ウチョウランは見られます。壁から下りてくると、暑い日差しが回ってきました。ちょうど岩場の取り付きの株を照らします。昨年より幾分株が大きくなって花も増えたようです。このまま見守っていて欲しいものです。

Aug.01.2003 Rev.19.13


 


Ponerorchis graminifolia ウチョウラン Jun.21.2003

 

 この日は元クライマーのMさんと連れ立って岩場にやってきました。いつも下から見上げているウチョウランを上から撮るためです。いざ岩場に取り付いてみると、思うように体が動きません。脂汗をかきながら引き上げられるように登りました。
 ワイドレンズで高度感のある写真にしたかったのですが、とても近づけません。最寄のテラスから望遠レンズで撮ったのがこの写真です。岩場の雰囲気はでているでしょうか。終わって見ると腕はパンパン、ひざはガクガク、のどはカラカラ、久しぶりにアドレナリンの出た半日でした。
   
 信州大植物進化学の井上先生の訃報が入りました。サハリンで高山植物の調査中に高圧電線に触れて感電死したのです。理解しがたい話です。何度か同行して学ばせていただいただけに残念です。人生何が起きるかわかりません。ご冥福をお祈りします。

Jul.31.2003 Rev.19.12

 


 


Spiranthes sinensis ネジバナ Jun.21.2003

 

 この日ネジバナに多くの虫たちが訪花していました。モンシロチョウ、ベニシジミ、ハチ、アブ達です。今までこんなことはありませんでした。時間帯がよかったのでしょうか。
 後で写真を見てみると、ハチの口吻に花粉塊がついています。小さな花ですので体は入りませんが、口吻さえ入れば良いのです。でもチョウでは口吻が細長いので蜜泥棒にしかならないようです。
   
 UKでは低地は開拓し尽くされて、農地と牧場ばかりでした。その境界と家、道の周辺だけに林がありました。ガーデニングが盛んなのもわかる気がします。
 緯度が樺太と同じとあって日がやたら長く、サマータイムもあって日没が10時ごろでした。明るいとまだ働ける気になってくたくたになってします
。そんな時間帯でも庭の花に多くのハチ達が訪花していたのが印象的でした。

Jul.30.2003 Rev.19.11

 


 


Spiranthes sinensis ネジバナ Jun.21.2003

 

 ネジバナがブタナやシロツメグサ、ニワゼキショウと芝生に群生していました。こういった外来種といっしょに生えるところはいかにも侵入植物的です。といってもなかなかお花畑的できれいでした。明るい湿地などが本来の植生で、人手が入って日当たりが維持される芝生などに適応したのでしょう。
   
 UKに行ってきました。KEW Gardenに行って見ると、このネジバナがセッコクと一緒にAlpine Houseに地植えされて展示されていました。日本でこれだけ繁殖しているのですから、彼地でも移出していてもおかしくないと思うのですが。

Jul.29.2003 Rev.19.10

 


 


Epipactis helleborine ハマカキラン Jun.15.2003

 

 今度は海です。果てしなく続く砂浜にサーファーたちがそれこそ烏の群れのように浮かんでいました。
 そんな光景を傍らに砂防林の中に入って見ると、ハマカキランがポツリポツリと生えていました。もう果実になった株、これから咲こうとする株、集団としての花期は長そうです。花にには淡い色の変化があり、なかなか楽しめます。虫にとっても魅力はあるのでしょう、アリがまぶれている花もありました。

 以前ここらに入るのは少し度胸が入りました。テントの住居があったり、裸のお兄さんが待っていることがあったのです。
 明日からUKです。ヨーロッパに結構この仲間があるそうです。何か見られるといいのですが。でもそんな暇はなさそうです。

Jul.18.2003 Rev.19.09

 


 


Cypripedium macranthos ホテイアツモリソウ Jun.14.2003

 

 アツモリソウの仲間はもはや柵やロープの囲いの中にしか見られません。ホテイアツモリソウの株も健在でしたが、顔をこちらに向けてくれません。アツモリソウもキバナノアツモリソウも柵の中では増えてきているようです。しかしまともには見れません。
 これを目当てにして来た登山者が結構いますが、唖然とするようです。盗掘と踏み荒らし対策ですが、保護と鑑賞の接点はないのでしょうか。

Jul.17.2003 Rev.19.08


 


Aorchis cyclochila カモメラン Jun.14.2003

 

 この山のカモメランにも久しぶりの再会です。以前のポイント、林縁の明るいところでは残っていましたが、樹林が濃くなったところではもはや見られませんでした。
 登山道脇の開けたところで、群生を見つけました。いつ見ても清楚な花です。長年見ていますが、なかなか訪花昆虫に出会えません。

Jul.16.2003 Rev.19.07

 


 


Coeloglossum viride アオチドリ Jun.14.2003

 

 以前草原で見た大きなアオチドリの株はもう見られませんでしたが、樹林帯では何株か健在でした。樹林帯とはいえ光の回りこむ道端です。
 アオチドリと言いながら唇弁の褐色が目立ちます。だらりとして間延びした感じです。けっこう虫たちが飛んできます。とまったところを撮ろうとするのですがなかなかとまってくれません。では飛んでいるとことろを狙いましたが写っていませんでした。記憶では腰のくびれた細長いハチ達でした。

Jul.15.2003 Rev.19.06

 


 


Cephalanthra longibracteata ササバギンラン Jun.14.2003

 

 春先里山を飾ったササバギンランですが、高い山へも進出しています。標高差で約1月後の開花です。
 イチヨウランなど針葉樹林帯の花と一緒に咲いているのは不思議な気がします。キンラン、ギンランでは見られないことです。この種特有の対応力があるのでしょうか。

Jul.14.2003 Rev.19.05

 


 


Neottia asiatica ヒメムヨウラン Jun.14.2003

 

 目立たないヒメムヨウランですが、アップでじっくり見て初めて唇弁が確認できます。ふつうのランと違って花柄がねじれず、唇弁が上になっています。
 同じ属のサカネラン同様に、花粉塊が露出してきます。よく見ると、小型の昆虫が訪花していました。平面的な花なので、虫が潜りこませる仕組みもなく、花粉塊を付けさせることができるのでしょうか。よく昨年の花茎の残骸が残っており、たくさん果実の殻が付いています。とても他花受粉には見えないので自家受粉なのでしょうか。他でも小さな虫が来ていました。訪花が花に対する刺激になり、自家受粉を促すのでしょうか。

Jul.13.2003 Rev.19.04

 


 


Neottia asiatica ヒメムヨウラン Jun.14.2003

 

 一方で存在感がないのが、このヒメムヨウランです。そこらじゅうにポツリポツリと無数に生えていますが、誰も目に留めたりしません。普通の人にとって地味で名前もわからないものは、認識されない、すなわち”存在していない”のです。
 
 屋久島に行ってきました。短い日数でしたが、屋久杉、照葉樹林、そして野生蘭、屋久島初体験は印象深いものでした。いずれ載せてゆきます。

Jul.12.2003 Rev.19.03

 


 


Monotropastrum humile ギンリョウソウ Jun.14.2003

 

 存在感があるというとこのギンリョウソウです。その青白い姿は人目を引かずにはおきません。
 ランではありませんが、腐生植物で同じように菌共生を行っています。
裏山の雑木林にもよく出ますが、結構高い山でも大丈夫ということになります。一度、このギンリョウソウと同じく白いタシロランが近くに生えていたことがあります。ギンリョウソウとして知名度が高いせいか、タシロランの方が珍しいのにもかかわらず、人目を引いていました。
 帰り道、この白い妖精達はオバサン達の視線にさらされていました。

Jul.08.2003 Rev.19.02

 


 


Dactylostalix ringens イチヨウラン Jun.14.2003

 

 久しぶりに高い山に登ってみました。樹林帯を歩く時、いつもの雑木林とは小鳥のさえずりが違います。鳴いているのは夏には山に帰るルリビタキでしょうか。
 登山道の脇でイチヨウランを見つけました。この山には何度も登っていますが初めてです。環境的にはぴったりですが。葉が一枚あるのですが、落ち葉に埋もれていることが多く、 独特の花だけが突き出している様は、妙な存在感があります。

Jul.07.2003 Rev.19.01

 


 


Lecanorchis japonica ムヨウラン Jun.13.2003

 

 開くタイプの花の横顔です。これはかなり開いている方ですが、開かないタイプと随分印象が違います。また開くせいか良い香りがします。
 開くタイプ、開かないタイプは混在しています。何度も見ているので、まだ開いていないわけではありません。別系統と考えるべきでしょうか、それとも同じ系統でも花を開かせる因子が発現したりしなかったり
するのでしょうか。開かないホクリクムヨウランとの関係はどうなのでしょうか。

Jul.06.2003 Rev.19.00

 


 


Lecanorchis japonica ムヨウラン Jun.13.2003

 

 梅雨時の靄が立ちこめ薄暗い朝です。オオルリやキビタキに代ってサンコウチョウがさえずっています。子育てで忙しい季節なのでしょう。
 裏山の雑木林ではいつものムヨウランが咲いていました。今まではっきりしていませんでしたが、開く花のタイプと開かない花のタイプに類型化できそうです。今年は開く花のタイプが多く、数株立ちもたくさんありました。ここは比較的黄褐色で薄い色の系統のようです。
 とても暗いのですが、風がなく空気が張りついているようです。なんとか写真をものにできました。

Jul.05.2003 Rev.18.32

 



Diary  Wild Orchids in Japan  Links  Profile  Top