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 Diary2003-4

 



 


Neottia nidus-avis サカネラン Jun.08.2003

 

 今年は出ていないのかと思いました。腐生ランは気まぐれで数年で移動してしまうのです。いろいろ見て回った挙句、あきらめて車に戻ったところ、傍にサカネランが数本生えていました。灯台元暗しとはこのことです。
 すでに日は落ちて暗くなり、肉眼では細部がよく見えません。それでも写真ではなんとか写っていました。薄暗い中、透けるような花茎だけがニョキニョキ生えている様は、かなり不気味です。ここは青木原です。

Jul.04.2003 Rev.18.31

 


 


Cypripedium debile コアツモリソウ Jun.08.2003

 

 フガクスズムシ探索のついでにコアツモリも見てみました。ちょうど花の時期で、恥ずかしげにうつむき加減で咲いていました。
 小さな花を葉の陰にぶら下げるので、上から見たのでは単なる双葉です。潜りこんで見上げて初めてリップの壷が見えます。Cyp.の壷は上あるいは前を向いて、虫の侵入を待ちうけているのがふつうです。下向きの壷に虫が入るのでしょうか。壷には返しがあって花の付け根からしか出られないようになっており、その出口には花粉塊が待っていました。このようにちゃんと仕組みを備えています。小さくなるほど重力の影響は少なくなります。きっと小さな虫が壷の穴に上って行くのでしょう。
 ところで、フガクスズムシは見つけることができました。樹上遥かかなたでしたが。

Jul.03.2003 Rev.18.30

 


 


Liparis lilifolia スズムシソウ Jun.08.2003

 

 リパリスの仲間でもスズムシソウは存在感があります。あまり良い株ではありませんが、そのスズムシの翅を想わせる唇弁が異様に目立ちます。
 この唇弁がやや反り返り、広葉樹に着生するフガクスズムシがあります。また、ジガバチソウにも完全に着生するクモイジガバチがあります。ここらに着生への適応進化の謎を探る鍵がありそうです。
 てなことを調べている学生さん達と一緒にその様子を見て回りました。

Jul.02.2003 Rev.18.29

 


 


Liparis krameri ジガバチソウ Jun.07.2003

 

 ここではジガパチソウも岩場へ着生していることがあります。マメヅタランのように岩そのものに付くわけではありませんが、岩場の浅い土壌にウチョウランと一緒に生えていたりします。風通しが好きなのでしょうか。
 今回ちょうど咲き始めていました。兄弟株とおもえますが、左の株だけ緑花でした。

Jul.01.2003 Rev.18.28


 


Dendrobium moniliforme セッコク Jun.07.2003

 

 ここは岩場への着生が多いのですが、上部では樹木へも付いています。今年は例年になく花が多く、時期もぴったりです。時間帯も良いので、しばらく訪花昆虫を待って見ました。しかし、虫は姿を見せません。まあ、何度も場数を踏んで、確率に頼るしかないとあきらめました。
 朝から夏鳥達が鳴いていました。近くでオオルリのさえずりがするので、見上げると青い姿が見えました。でも双眼鏡で覗こうとしたとたん逃げて行ってしまいました。気付かれないようそっと動いたのですが。
 花に夢中になっている時、鳥がすぐそばに寄ってくることがあります。動いても逃げようとしません。自分たちに対する視線で殺気を感じるのでしょうか。

Jun.30.2003 Rev.18.27

 


 


Water fall 涼感 Jun.07.2003

 

 ぶら下がったり、這いつくばったり、汗と埃でどろどろになって登って行くと、落差のある滝が現れました。水量はあまりありませんが、糸引く流れが涼しげです。思わず飛びこみたくなります。
 回りこんで見ると、滝の上部の岩場にもセッコクが咲いています。今まで何度か登って見逃していました。最近、わき見、寄り道する余裕が出てきたおかげで、発見が増えたような気がします。涼感だけ味わってまた登り始めました。

Jun.29.2003 Rev.18.26

 


 


Dendrobium moniliforme セッコク Jun.07.2003

 

 岩場を攀じってゆくと見晴もよくなり、遠くに滝も見えてきました。そして、セッコクも次々姿を現しました。
 やや潅木が多くて開けていないせいか、大株はありません。葉がないものが多く、岩場から茎がにょきっと出て、その先に花だけ咲いているのは、少し異様な感じです。全部落葉するのは岩場で環境が厳しいためでしょうか。これから展葉して行きます。

Jun.28.2003 Rev.18.25

 


 


Bulbophyllum drymoglossum マメヅタラン Jun.07.2003

 

 マメヅタラン、クローズアップで見るとリップは小さめながら赤色で目立ちます。そして、Bulbo特有のヒンジのしかけでゆらゆら動きます、虫を誘うかのように。でもすごく小さいので、どんな虫がこれに惹かれるのでしょうか。

Jun.25.2003 Rev.18.24


 


Bulbophyllum drymoglossum マメヅタラン Jun.07.2003

 

 マメヅタラン、いつもの岩壁に行って見ました。ちょうど咲き始めで、高度感を出すアングルでの花の密度もバッチリでした。垂直に近い壁にびっしりです。
 訪花昆虫にも期待したのですが、これだけ花があっても来ていません。こういう花なら飛べない虫が這ってでも花を回れそうなのですが。

Jun.24.2003 Rev.18.23

 


 


Lecanorchis japonica ムヨウラン Jun.06.2003

 

 ムヨウラン、別の株にも同じ甲虫がつかまっていました。2匹も来るのですから偶然とは言えません。甘い汁とかの報酬があるのでしょう。開かない花なのですが、蜜がにじみ出たりしているのでしょうか。それとも噛みついて吸うのでしょうか。
 現場では、カミキリの仲間に違いなく、帰って図鑑で調べればすぐにわかると決め付けていました。しかし、図鑑を見てもカミキリには似た種が見当たりません。それよりヘイケボタルがそっくりです。ここは水場から離れているし時期的に少し早い気がします。そしてこんな行動をするのでしょうか。

Jun.23.2003 Rev.18.22

 


 


Lecanorchis japonica ムヨウラン Jun.06.2003

 

 ムヨウランの季節がやって来ました。昨年新しく見つけたがすでに花が終わっていた場所です。やはり、他のポイントに先駆けて咲くようです。褐色が強く、花が開かないタイプばかりです。ホクリクムヨウランとなるのでしょうか。
 よく見ると甲虫がしがみついています。

Jun.22.2003 Rev.18.21


 


Dendrobium moniliforme セッコク Jun.01.2003

 

 セッコクの木です。といっても一面の枝にセッコクが付着した杉の木です。
 天気も回復してきたので、訪花昆虫を期待するのですが、これだけ花があっても来る気配がありません。昨年の果実の残骸を探しても1つしか見当たりません。あまり昆虫は来なくて受粉も成り立たないのでしょうか、それともたまたま運が悪かっただけでしょうか。

Jun.21.2003 Rev.18.20

 


 


Oberonia japonica ヨウラクラン Jun.01.2003

 

 ヨウラクランの群生なのですが、遠く目には大きなコケのようです。雨上がりなので、水滴が葉の先、花穂の先にたまっています。ぶら下がるのはこうして水分を集めるのに役立つようです。でも花に水がたまっても良いことはないと思うのですが。これでは訪花昆虫は期待できません。
 昨年の果実の残骸も残っていますが、果実はあまりありません。自家受粉ではないようです。

Jun.20.2003 Rev.18.19

 


 


Tipularia japonica ヒトツボクロ Jun.01.2003

 

 ヒトツボクロ、1cmに満たない小さな花です。こうしてクローズアップで見るとランの顔をしているのがよくわかります。ランでは花が上下に反転するため、花柄と距がねじれあっています。また、花粉塊を覆う葯もはっきりわかります。
 よく小さな虫たちが来ていることがあります。この日は雨上がりでまだ虫はいませんが、なんとなく昆虫チックな花だと思いませんか。

Jun.19.2003 Rev.18.18

 


 


Cremastra appendiculata サイハイラン Jun.01.2003

 

 昨日からの雨もやっと上がり、沢も増水していました。沢沿いにサイハイランが点在していて、水の流れを背景になかなか風情があります。
 幸い風がない日ですが、沢沿いは別です。水の流れによって空気が揺らぎ、なかなか揺れが止まりません。なんとか水の流れも表現できた1枚です。  

Jun.18.2003 Rev.18.17


 


Gastrodia elata オニノヤガラ May.31.2003

 

 公園に生えたオニノヤガラ、今年は10本も出ました。多くはすでに果実になりつつありますが、若い株はこれからです。とうとう雨が降り始め、少し大気も動き始めました。でもなんとか撮ることができました。
 近くなのでよく見ているのですが、虫の来たのを見たことがありません。それなのにほとんど結実します。やはり、自家受粉でしょうか。  にょきっと伸びた姿はとてもヤツシロランの仲間とは思えません。でも花はなんとなく似ていますし、根がイモなのは同じです。そのイモが漢方薬になるので、中国では栽培されています。日本でも最近F先生によって実現され、東京ドームのラン展にも出展されました。

Jun.17.2003 Rev.18.16

 


 


Cremastra appendiculata サイハイラン May.31.2003

 

 5月にして台風本土上陸です。台風4号が四国に近づいた余波を受けて、東京でも朝から今にも雨が降り出しそうです。裏山を歩いて見るといつものサイハイランが満開でした。虫食いもなく均整の取れた花です。しかし、暗すぎてピントがわからないほどです。幸いまったく風がありません。大気がはりついてしまったかのようです。
 超スローシャッターで撮った写真を見ると、花粉塊がなくなっている花があります。ファインダーでは見えなかった世界です。昨年この株の花はたくさん結実しました。ポリネータはやはりいるのです。匂いにむせてしまいそうな、ユーモラスな花でした。  

Jun.16.2003 Rev.18.15

 


 


Bletilla striata シラン May.25.2003

 

 セミアルバの花はとてもきれいです。かえって白地のために縁取りの紫が映えています。
 これが園芸品だったらここまで感動しなかったでしょう。自生地で見ればこそです。来年もこの岩場の姫君にお会いしたいものです。

Jun.15.2003 Rev.18.14


 


Bletilla striata シラン May.25.2003

 

 ちょうどセミアルバの花に虫が来ていました。残念ながら花粉塊はついていません。受粉した花は結構ありますが、なかなか決定的な瞬間には出会えません。
 シランは中国にもあって白及といいます。球根を漢方として使い、咳止めなどの薬効があるそうです。粘りがあるのでそれがのどの粘膜を覆うとかでよいのだそうです。広島の師匠に教えていただきました。シランなのに白及ですが、薬の色から来ているようです。中国産が白花と言うわけではないようです。  

Jun.14.2003 Rev.18.13

 


 


Bletilla striata シラン May.25.2003

 

 以前ここからシランを採取して輸出していたそうです。その自生株の残りか植え戻したものかわかりませんが、野生状態にあるシランです。種子繁殖と思われる株があちこちにあり、群落を作っているところもあります。ふつうの栽培では種子繁殖しませんが、ここでは菌類との生態系が成り立っていることになります。
 花もちょうど盛りですが、すでに茶色になった花が結構あります。よく見ると子房が膨らんできています。受粉した花なのです。ポリネータとの生態系も成り立っていると言うことです。以前の華やかな大群落を取り戻してもらいたいものです。

Jun.13.2003 Rev.18.12

 


 


Cremastra appendiculata サイハイラン May.24.2003

 

 サイハイランも咲き始めました。が、咲いたはなから虫食いです。青虫に食われ、小さな甲虫も潜りこんでいます。ポリネータではないでしょう。そんなに魅力がある花なのでしょうか。ひとつなめてみました。例の独特の匂いがするとともに、花の根元の方で甘みを感じました。結構甘いのです。納得です。
 さて細長いサイハイランの花ですが、ポリネータはどんな虫でしょうか。花粉塊は先端にあるが花蜜は根元です。その細長い空間にもぐりこまなければなりません。きっと細長い奴に違いありません。と思って見ているとやって来ました、細長い奴が。腰のくびれたハチです。ただ潜りこまないで飛んで行ってしまいました。

Jun.12.2003 Rev.18.11

 


 


Platanthera mandarinorum ヤマサギソウ May.24.2003

 

 ヤマサギソウの仲間は分類が難しい。これは葉が細長いのでハシナガヤマサギソウとするべきかもしれません。あえて分ける必要はないのかも知れません。
 数年振りに来て見ましたが、3本ぐらいしか見つかりませんでした。以前はもう少しはあったはずです。取られるものでもありませんが、以前あったところにベンチができていました。
 近くにツレサギソウもありました。株はそこそこ残っていましたが、花茎は1本だけでした。
 これだけの株数で繁殖して行けるか心配です。自家受粉でしか種子ができそうにありません。結果を追って見る必要がありそうです。

Jun.11.2003 Rev.18.10

 


 


Bulbophyllum inconspicuum ムギラン May.19.2003

 

 ムギランが岩壁、そしてそこに生えている樹木に一面はりついていました。あると聞いていましたが感動です。残念ながら花はありません。
 ムギランとはムギ粒のように割れ目が入るところからきていると聞きましたが、なるほど葉の葉脈がそれっぽさにつながっています。
 短期間の広島遠征でしたが、植物だけでなく人とのふれあいも思い出深いものとなりました。気まぐれ広島人さん、SKさん、KJYさん、ありがとう。

Jun.10.2003 Rev.18.09

 


 


Water fall 瀑風 May.19.2003

 

 特に有名ではありませんが、瀑風でしぶきが舞い上がり、心地よい滝です。マイナスイオン効果で癒されるのでしょうか。

Jun.09.2003 Rev.18.08


 


Cephalanthera subaphylla ユウシュンラン May.18.2003

 

 続いて案内頂いたのがユウシュンランです。思いもかけぬところにポツリポツリ生えていました。
 ギンランの仲間ですが、葉が退化して包葉程度しかありません。その割りにたくさん花を付けます。しかも開く花で結構訪花昆虫がみれました。ギンランやササバギンランが開かないのと対照的です。背丈も小型のギンランより大きいくらいです。菌類に栄養依存する割合が強いのでしょうか。

Jun.08.2003 Rev.18.07

 


 


Oreorchis patens コケイラン May.18.2003

 

 清流のほとりではコケイランも咲いていました。尾瀬で見て以来久しぶりです。ここの花は、斑点が抜けるタイプでした。見ていると、小型の虫たちが結構やって来ました。
 ここ芸北にはまだ多くのツキノワグマがいるそうです。尾瀬も結構クマ騒ぎがあり、誰も来ない山道を辿ってコケイランを探したとき、びくびくだったのを思い出しました。

Jun.07.2003 Rev.18.06

 


 


Calanthe tricarinata サルメンエビネ May.18.2003

 

 リップが花には珍しい茶系で、サルメンと言うのもうなづけます。誰かが京劇の猿のようだと言いました。京劇のご当地中国にもありますが、名前の発想は異なるようです。変な漢字なので出てきません。
 ふつう距があるエビネの中にあって、このサルメンエビネには距がありません。そのせいか唇弁から距の入口に導くようなラインも見られません。虫の訪花形態も異なるのでしょうか。小さな虫たちが少し来ていました。

Jun.06.2003 Rev.18.05

 


 


Calanthe tricarinata サルメンエビネ May.18.2003

 

 小さな沢に入って行くと、それはすぐにありました。永年待ち望んでいたサルメンエビネとの出会いです。花径の高さ、昨年の葉の大きさが印象的でした。もちろん、その独特の花の色、形もです。東北方面で株は見た事がありましたが、野生の花は初めてです。
 北方系と思われるものが広島にあるのが面白いところです。そう言えば石鎚山系にもあるそうですが。周囲にはルイヨウボタン、ヤマシャクヤクも咲いていました。計6本花茎がポツリポツリあり、昨年の果実が1つだけ確認できました。なかなか受粉は成り立っていないようです。

Jun.05.2003 Rev.18.04

 


 


キシツツジ May.18.2003

 

 ネットで知り合った人を頼って広島に遠征しました。芸北の渓流沿いではキシツツジが満開で、新緑に彩りを与えていました。このキシツツジはモチツツジの渓流沿いに生える変種で、ちょうどサツキのような存在でしょうか。
 最近ネットの負の側面が取り上げられることが多いのですが、こうして同好の士が集えるところは最大のメリットです。お互い、
大変刺激された1日でした。

Jun.04.2003 Rev.18.03


 


Lecanorchis japonica ムヨウラン May.17.2003

 

 雨の季節、もうムヨウランも動き始めていました。昨年花径らしき痕を見つけておいた場所です。たしかにムヨウランで、何本もニョキニョキ伸び始めていました。昨年は暑さで溶けてしまい、花は確認できていません。
 ムヨウランでは花にいろいろ変化があるので、どんな花を付けてくれるか楽しみです。

Jun.03.2003 Rev.18.02

 


 


Cephalanthera longibracteata ササバギンラン May.17.2003

 

 今年はササバギンランを見逃していましたが、なんとか終わりかけの花が残っていました。すでに下の花では子房が膨らんできています。花の開きは少ないのにほとんど結実する、これは自家受粉しかないでしょう。
 近くに同じ仲間のキンランがあり、そちらでは花が終わり、1つだけ子房が膨らんできていました。こちらはまぎれもなく他花受粉です。花が光で開閉し、訪花昆虫もやってきます。
 近い仲間ですが、なぜこうも違うのでしょうか。

Jun.01.2003 Rev.18.01

 


 


Cymbidium goeringii シュンラン May.17.2003

 

 シュンランの子房がふくらんできていました。この場所は結実率がよく、ちょっと歩いただけで5本はありました。
  試しに強制自家受粉させてみましたが、その花でも子房が膨らんでいました。自家和合性はあるようです。ただ花の構造上、虫が花から出るとき花粉塊が虫に付着するので、自家受粉できないようになっています。ただし、再度そのまま同じ花に入れば可能性はあります。
 柱頭の先に3つのこぶみたいになった膨らみがあります。受粉させて1週間でこれができていました。受粉後、花で最初に現れる変化です。始めてこれを見たとき、花の異常かと思いましたが、膨らんだ子房を見て理解できました。

May.31.2003 Rev.18.00

 


 


Foggy woods 霧の森 May.17.2003

 

 もう梅雨になったかのような天気が続きました。裏山を歩いてみると、緑陰に覆われた雑木林を霧が包み、いつもとは異なる幻想的な雰囲気になりました。
 そろそろ腐生植物の季節です。ここらではムヨウランが増えてきています。他のギンリョウソウなどと合わせ、重点的にチェックしようと思います。

May.30.2003 Rev.17.32



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