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 Diary2002-2

 



 


ジャケツイバラ May.05.2002

 

 山道を登って行くと、いきなり棚田が開け、ちょうど田おこしの真っ最中でした。石組みの土手、溜池、一昔前の農村風景がよみがえります。でもこんなところまで圃壌整備が進んできています。
 山道を進んで、町おこしの温泉に到着。さすがGW、結構込み合っています。お湯につかって高原からのながめを楽しんで、久しぶりの家族サービスとなりました。
 山道脇に、黄色い花が目立ちます。昔、高尾山に通っていた時、友人が教えてくれたジャケツイバラです。実家の裏山の道端でも見つけました。じっくり見ると面白い形で、結構ハナバチ類が群れています。東京に帰ってきてみると、高尾山系大垂水峠で、やはりこのジャケツイバラが満開でした。

May.22.2002 Rev.9.31


 


Lamium album オドリコソウ May.03.2002

 

 子供のころ、庭先にたくさん生えてトゲトゲがちくちくする雑草でした。名前なんて知る由もありません。ところが東京に来て見れば、オドリコソウが咲いたと新聞に出る程珍しいものでした。減少したというより、分布の東西での偏りでしょう。
 実家を近くを散歩していると、まだいたるところに生えています。花は今ごろだったかどうか思い出せません。花の色は変化があって、濃いピンクから淡い色まで、そしてほとんど色の抜けた白花も見つけました。
 オドリコソウという可憐な名前をもらっていますが、私にとってはトゲトゲの痛い思い出がまず浮かびます。でも実は、触れると痛い思いをするという命名なのかも知れません。

May.21.2002 Rev.9.30


 


Barley field 麦畑 May.03.2002

 

 GW、故郷の岡山に帰省しました。竹久夢二、緑川洋一という天才を生んだ邑久町です。大先輩方の画才に及ぶべくもありませんが。
 子供の頃は用水路が張り巡らされて舟が行き交う田園風景でしたが、現在では圃壌整備されてしまいました。最近麦の栽培が増えてきました。ちょうど穂がふくらんで実りの季節を迎える頃でした。穂の先が色付いてきて、微妙な色合いをかもし出します。心地よい風が、麦穂を波打たせて吹きぬけてゆきます。

May.20.2002 Rev.9.29


 


Cephalamthera falcata キンラン Apr.30.2002

 

 すでに公園などの日当たりのよいところではキンランは終わっていましたが、ここは日当たりがイマイチのせいかこれからです。この日はパッとしない天気にもかかわらず、花が開いていました。
 キンランは日差しに反応して花が開くことが知られています。私はふつう朝方見に行くのですが、よい天気でも10時ごろになってやっと開いてくるので、風も出てきていつも写真撮影で泣かされます。この日見たのは2時ごろでどんより雲っていましたが、昼前のわずかな晴れ間に反応したのでしょうか。
 とうとう雨が降ってきました。帰りを急いで行くと、おばちゃんがこのキンランを掘ろうとしているではないですか。活着しないし、数が少ないことを伝えてその場を去りましたが、思い直してくれたでしょうか。

May.19.2002 Rev.9.28


 


Calanthe discolor エビネ Apr.30.2002

 

 この日は研究者の方を案内して自生地を回りました。生物学系研究室では、研究は実験室系とフィールド系にわかれ、実験室系では植物学界のスターであるシロイヌナズナの促成栽培と遺伝子解析に明け暮れる毎日だそうです。植物の遺伝子解明の最前線における研究競争が繰り広げられているわけですが、一方でフィールドにはうとく、その辺に咲いている花の名前も知らないということにもなってしまうのだそうです。やっぱりフィールドが楽しいねと言う結論になりました。
  先日のエビネの自生地に来て見ると、さらにいくつかが開花しています。今まで知らなかった株もあります。やはり花を付けるとよく目立ちます。エビネは、色が個体毎で微妙に異なって楽しめます。この個体はやや色が淡く、ピンクがきれいです。写真を撮っているとついその楽しさの方に走ってしまうという共通認識になりました。

May.18.2002 Rev.9.27


 


Juglans ailanthifolia オニグルミ Apr.29.2002

 

 渓流に赤い雌花が目立っていました。調べて見るとオニグルミのようです。サワグルミでは緑だというのも合わせて知りました。クルミの実は知っていても、花は地味なのであまり、関心がなかったわけです。
 ところでこの花は風媒でしょうか、それとも虫媒なのでしょうか。虫媒では、雄花、雌花ともに虫を呼ぶ仕組みがそれぞれ必要です。虫媒花における雄花雌花の分化は、あまり得策でもないような気がします。明らかな虫媒花であるランにも分化した奴があります。Catasetumとかよく知られていますが、おもしろいのは最近手にしたORCHID of SARAWAKの表紙を飾るDimorphorchisです。下垂する花径に雄花と雌花が並ぶのです。現物も見ました。これからは雄花雌花をもっと注目して見ることにしましょう。

May.17.2002 Rev.9.26


 


Fresh water 新緑の渓 Apr.29.2002

 

 ちょっと秩父の山間の方まで足を伸ばして見ました。この日はGW最高のピーカンで、山間の遅い新緑がまぶしく輝いていました。渓流沿いのオートキャンプ場はテントで満杯で、子供たちが沢で遊んでいました。これもいいのですが、私の流儀として自然と対峙するには誰もいないところで、独り夜を明かすに限ると思っています。そう言えば、去年の今ごろは西表島で独りキャンプし、夕方のホタルの大群の背後になにかいるのではないかという妄想でおびえていたのを思い出しています。
 石灰岩地帯の渓流では、サワグルミが芽吹いたところでまだ明るく、水は冷たくどこまでも綺麗でした。

May.16.2002 Rev.9.25


 


Platanthera minor オオバノトンボソウ Apr.28.2002

 

 今年も瑞々しくオオバノトンボソウが芽を出してきました。この時点で茎が見られるものは花径を伸ばしてきます。こういった株が毎年結構たくさんあって花を期待するのですが、毎年のように夏猛暑になり、花の時期には花径がいたんで、まともに咲くのがほとんどありません。それでもこれだけ芽が出ているのは新株ではなく、株としても持ちこたえているからでしょう。数年は同じところから生えてきます。
 ところでこの株は、細いですが一本の斑が入っています。以前、片側が全部白い大胆な斑入りも見たことがあり、これで3度目です。この種は斑入りが出やすいのでしょうか。  

May.15.2002 Rev.9.24


 


Cephalanthera erecta ギンラン Apr.28.2002

 

 見つけた時は、てっきりササバギンランだと思っていましたが、草姿特に葉の様子からするとギンランです。40cmを越える高さがあり、先日お見せした5cmに満たない個体と比べると、別種かと思ってしまいます。同じく、ササバギンランとも比較してみてください。
 結構交雑があるのではないかと思うのですが、花が開く個体が少ないのでなんともいえません。結実はままあるようなので、自家受精か他花受精か確認したいところです。キンランにはよく訪花昆虫がくるのですが、ギンラン、ササバギンランではまだ見たことがありません。

May.14.2002 Rev.9.23


 


Calanthe discolor エビネ Apr.28.2002

 

 よく見ると先ほどのエビネに虫がついていました。ナナフシの幼虫のようです。エビネにはハナバチ類がやってきますが、それを捕食するには小さすぎますし、ナナフシは虫を食べないでしょう。それとも蜜をなめるのでしょうか。ナナフシは葉を食べるものと思っていましたがどうなのでしょう。しかしいずれにせよ、小さすぎてポリネーターにはなれそうにありません。

May.13.2002 Rev.9.22


 


Calanthe discolor エビネ Apr.28.2002

 

 エビネも雑木林の早い奴が咲き始めました。同じ標高でも明るい分、杉林のものより2周間ほど早いようです。今年は花が好調ですが、このいつもチェックしている株も色ののりが良いようです。
 昨年大株を盗掘されましたが、今年も10本以上の花径が期待された大株を根こぞぎやられてしまいました。杉の倒木だらけで、誰も来ないだろうと思っていたのに。やはりマニアは恐るべしです。今年は、一本立ちでも色のバラエティを注目してみようと思います。

May.12.2002 Rev.9.21


 


Thrixspermum japonicum カヤラン Apr.28.2002

 

 落下したカヤランです。カヤランはよく落下していると紹介してきましたが、この日も1箇所で20株近くが落ちていました。多くは小枝や実についたものがそれごと落ちたものですが、大きく育ったものでは写真のように根がちぎれて落ちるものもあります。
  杉との相性が良いのですが、杉は枝が折れたり、皮がはがれたりすることが多く、他の樹種より落下しやすいようです。
 近くに着けておくこともするのですが、低い位置では湿度や日照、あるいは菌類のせいか、ほとんど活着したためしがありません。

May.11.2002 Rev.9.20


 


Canopy 多摩川河岸林 Apr.28.2002

 

 家のそばの多摩川の河岸林です。ウワミズザクラが終わり、ミズキとフジの花が満開です。毎日目にしていると、樹幹は独自の生態系だと言うのがよくわかります。ムササビが飛び、鳥達、昆虫達の生態もよく見えます。熱帯林のCanopy Walkも是非体験してみたいものです。
 今年は植物だけでなく、早くから カジカも鳴き始めました。昨日はアオバズクも確認しました。残念なのは、魚が減ってきていることです。ウが上流まで上がってきているのです。ヤマセミを見る機会も減りました。釣り人も放流の時期しか来なくなりました。

May.10.2002 Rev.9.19


 


Cephalanthera longibracteata ササバギンラン Apr.27.2002

 

 典型的なササバギンランです。葉が細長く伸び、筋状の葉脈もよく見えます。また、全体に細かい毛が見られます。花序の苞葉が花序以上に伸びるのが特長といわれます。
  雑木林の林縁によく見られ、新緑が出揃ったころ咲き、コナラの花穂がよく引っかかっています。遷移が活発で、たくさんあると思っていると数年でなくなってしまうこともたびたびです。林床が暗くなってくると消えるようで、適度な明るさが必要なようです。林縁型植物の難しいところです。
 ギンランと違って、低い雑木林だけでなく、山の中腹で見かけることもあります。

May.09.2002 Rev.9.18


 


Cephalanthera erecta ギンラン Apr.27.2002

 

 とても小さいギンランです。ギンランはササバギンランに近い大型のものから、このように5cmに満たない小型のものまで、大きな個体差が見られます。包葉しか残っていないユウシュンラン、葉が細長いササバギンランなどとの境界もあいまいな個体も見られます。
  ただ、このように小さくても花を付ける率は高いようです。花の開きようも様々で、結構開くものも見られます。キンランは、日差しによる開閉がありますが、ギンランにはないようです。

May.08.2002 Rev.9.17


 


Prunus padus ウワミズザクラ Apr.21.2002

 

 山沿いの街道脇では、よくウワミズザクラが真白な花穂もたわわに咲いています。葉が出る前であれば全面真白なのでしょうが、でもかえって葉の緑とのコントラストが初夏らしくてさわやかです。
 また、フジがそれこそフジ色の花穂を垂らしています。結構多くの木によじ登っていますが、その絡み方は絞め殺しとまでゆかなくてもすさまじいものがあります。
 これらは、林の中に入るとあまり目にしません。いわゆる林縁が好みなのでしょう。

May.06.2002 Rev.9.16


 


Thrixspermum japonicum カヤラン Apr.21.2002

 

 カヤランも例年になく早い開花です。このぶら下がって咲く黄色い花を見上げると、透過光で内部の粒粒がキラキラ輝いてとても綺麗です。まさしく生きた宝石です。どの花でもそうなのですが、透過光で見るとこの粒粒が見えるのです。ぶら下がって咲くこういった花は自然とそういうライティングになり、透過光で見る面白さを教えてくれました。透過光でもピーカンの直射より、雨の日の全方向から回り込んだ拡散光が最高です。
 このように宝石のようなカヤランですが、小さくて高い位置にぶら下がっているので、結構たくさんあるのに気付かれずにいるのです。

Apr.30.2002 Rev.9.15


 


Fresh green ミズキ Apr.20.2002

 

 若葉も出揃い、新緑のまぶしい季節になりました。見上げると透過光でとてもきれいですが、それだけでなく葉脈などその木の特長がよくわかります。
 ミズキは枝を棚状に広げ、棚に満遍なく葉を散らしている几帳面な奴です。別の枝からの枝葉が見事に空間配置されています。効率よく光を受けるためなどと説明されるのでしょうが、どうやっているのでしょう。年々進む一種のフラクタクルでしょうか。

Apr.29.2002 Rev.9.14


 


Disporum smilacinum チゴユリ Apr.14.2002

 

 斜面一面チゴユリだらけです。雑木林の下生えを刈った後、早いもん勝ちで入ってきたものです。ここまでくるのに何年かかかったはずですが、どう広がったのでしょう。チゴユリの種子はノーチェックだったのでわかりませんが、ユリ科の種子はそんなに微細ではないはずです。そんなに拡散性があるとは思えません。今年要チェックです。
  ランでは、一面ランだらけというのは、前回の保護されたクマガイソウぐらいしかお目にかかったことがありません。種子は微細で拡散性がよいはずなのですが。菌類の助けが必要なのと競争に弱いからでしょうか。そう言えば枝中着生ランだらけと言うのはありました。枝上はそれほど競争が激しくありません。

Apr.28.2002 Rev.9.13


 


Cypripedium japonicum クマガイソウ Apr.14.2002

 

 大宮御蔵尾島家のクマガイソウ、98年の大雪で竹薮が壊れて減っていましたが、少しずつ回復しているようです。竹がすかれたことで内よりではかえって日当たりが増え、株が増えているように思えます。一方、以前畑に面した東面は株がひしめくようにはえていましたが、逆に竹が増えて以前の面影はありません。株が遷移しています。適度な日当たりのある、それこそ林縁が好みなのでしょう。
  こうしてみると、生育が微妙な日当たり具合に影響され、竹薮や杉林など人の管理が入って環境が維持される場所を生息場所としてきたことが理解できます。盗掘以前に、山林の放置による生育適地の減少が問題です。

Apr.27.2002 Rev.9.12


 


Spring 雑木林 Apr.13.2002

 

 緑に覆われる前、まだ日差しが差し込む余地のある雑木林、表側からでは萌黄色でも裏側から見上げると色合いが違って見えます。
 林床では、シュンランやスミレ類が終わりに近づき、チゴユリが咲き始めています。暖かく、虫たちも結構舞うようになりました。心地よい季節ですが、目の周りをうるさく飛び回る奴も出てきました。

Apr.26.2002 Rev.9.11


 


Gastrochilus matsuran ベニカヤラン Apr.13.2002

 

 例年、たくさんの着生ランが落下します。特にカヤランとベニカヤランです。枝先に着生したものが枝ごと落ちてしまうパターン、そして根が外れて落ちてしまうパターン。特にこれらのランでは着生すると下へ下へ伸び、新しい根は古い根の上に覆い被さるようになります。横に這わないため、設置面積が増えません。同じ属でもモミランが横に這うのと対照的で、外れやすいものと思われます。
  今年もいつものツガの大木の下に行ってみると、たくさんのベニカヤランが落ちていました。花が咲いているのも結構ありました。いつも近くの木につけるのですが、なかなか活着しません。

Apr.25.2002 Rev.9.10


 


Spring in the valley 谷間の春 Apr.07.2002

 

 ベニカヤラン生息地周辺の春模様です。ブナ、ミズナラ、ツガ、カヤ、開花中のアセビ、そしてミツバツツジです。里山に遅れてこれからだんだんと芽吹いていきます。山間の渓谷は明け方靄っていましたが、次第に晴れ間がのぞいてきました。
 
足元では、エイザンスミレ、ヒトリシズカ、ハシリドコロが咲き始めています。この日久しぶりにアカゲラを見ることができました。

Apr.24.2002 Rev.9.09


 


Gastrochilus matsuran ベニカヤラン Apr.07.2002

 

 季節は全体にシフトしているようで、ベニカヤランも早い開花となりました。近くのモミランはキブシと同じ頃、このベニカヤランはミツバツツジと同じ頃、季節の早い遅いに関わらず咲いています。これらは生息地と花の時期の良い指標となります。
 着生の仕方にも種によって好みがあるようで、 このベニカヤランは幹が好きなようです。もちろん枝にも付いてはいますが、このような傾斜した幹の下側にあるのが目に付きます。樹種にも好みがあり、ここらでは針葉樹とくにツガの木との相性が良いようです。針葉樹では、枝についた小さな着生は目立たないのかも知れません。
 写真ではよく見えませんが、並んだかぶでも、上の株は赤がなく、下の株では赤が入っています。果実は赤みを帯びてきて、そろそろ割れる時期のようです。

Apr.23.2002 Rev.9.08


 


Viola phalacrocarpa アカネスミレ Apr.06.2002

 

 近場を歩き回っていると、結構な種類のスミレに出会います。これは最近認識したアカネスミレです。毛がないのでオカスミレとした方が良いのかも知れません。
 スミレは一目でわかる特長をもち、かわいいので熱烈な愛好者がいます。唇弁をもち、距もあるのでランに似てなくもありません。しかし中間種が多く、識別ポイントが細かいのでちょっと辟易してしまいます。私としては多様性を楽しむ方が生に合っているようです。

Apr.21.2002 Rev.9.07


 


Wild cherry ヤマザクラ Apr.06.2002

 

 ソメイヨシノはクローンのため一面一斉に開花しますが、ヤマザクラはバラバラです。しかも、花の付き具合もバラバラです。谷津田の脇に見栄えのする花付きの良い株を見つけました。そばには葉桜が並んでいます。
 インドネシアでも桜は有名で、友人たちはぜひ実物を見たいといいます。熱帯では一面が花に覆われるなんてありません。四季のある国ならではです。
 ところで、撮ってみて桜は写真にするのが難しいとつくづく思いました。

Apr.20.2002 Rev.9.06


 


Gentiana zellingeri フデリンドウ Apr.06.2002

 

 尾根筋の雑木林を歩いていて、フデリンドウのコロニーを見つけました。まだ朝早いせいか、花は開ききっていませんでしたが、一回りしてきたとこでちょうど良い具合となりました。
  なぜかサンショの匂いがします。そろそろサンショも芽生えてきたのかなと見まわしても見当たりません。もしやと思ってフデリンドウの花を嗅いでみるとまさにサンショの匂いです。意外な組み合わせに驚いてしまいました。暖かい日差しを浴びて開いた花、匂いに誘われて虫がやって来ないかとしばらく待ちましたが、残念ながら現われてはくれませんでした。いかにも花蜂達がもぐりこみそうな花です。

Apr.19.2002 Rev.9.05


 


Spring 萌黄色 Apr.06.2002

 

 雑木林が芽吹きの頃、コナラの薄緑、ヤマザクラのえび茶、そしてその花のピンクが交じり合って一時の色を見せてくれます。淡い色同士のハーモニー、杉の造林と対照的です。
 このころまだ林の中にも日差しが入りこみ、林床の花達が咲き、冬越しした天狗蝶が日差しを浴びています。

Apr.18.2002 Rev.9.04


 


Gastrochilus toramannus モミラン Mar.31.2002

 

 今年は今までのところ、なんにせよ花が豊作のような気がします。暖冬だったせいでしょうか。モミランもまぶれるように花が咲きました。
  ランの場合、環境が安泰過ぎるとかえって花が咲かないといわれます。いつ枯れるかわからないという危機感がないと子孫を残す気にならないというわけです。それは考えすぎで、適度の刺激さえあれば穏やかな気候の方が栄養を貯え花を咲かせるのに良いのでしょうか。
 ところで、昨シーズンの種子が綿毛のようについています。冬場から見ていますが、なかなか飛び散りません。

Apr.17.2002 Rev.9.03


 


Cymbidium goeringii シュンラン Mar.30.2002

 

 シュンランは結構数があるので、毎年なんらかの変異株を見ることができます。今年は背萼弁が2つに割れたタイプです。同じ株のもう1つの花は普通でしたので、定着した形質というわけではなさそうです。
 今年は、冬あったかかったせいか、シュンランの花がとても多かったように思います。花を付ける株の割合も高いし、一つの株から出る花の数も多いようです。残念ながら受精に関与するような訪花昆虫には出会えませんでした。しかし、どの程度の結実になるか今年は楽しみです。

Apr.15.2002 Rev.9.02


 


After rain 横沢入 Mar.30.2002

 

 天気が周期的にめぐるようになり、横沢入の谷津田も水ぬるんできました。田んぼでは、ヤマアカガエるのオタマジャクシが動き回り、セリも伸びてきました。そろそろセリ摘みの季節をむかえ、一番にぎあう頃です。
  他にさきがけて芽生えたヤナギの黄緑が瑞々しく、まだ色の少ない田んぼで目立ちます。これから雑木林も、芽吹き、林床の花達で一気に春本番を迎えます。この後靄も上がって日が差してきました。

Apr.14.2002 Rev.9.01


 


Listera japonica ヒメフタバラン Mar.25.2002

 

 早い春では、時期を読むのが難しくなります。例年より2週間早めと読んいますが、マージンをみて少し早めに行く必要があります。
 まだ早いかなと思いましたが、ヒメフタバランにちょうどよい時期でした。そんなに綺麗な花でもないのですが、早春を感じながらの足慣らしということで毎年見ています。この時期、ミミガタテンナンショウやナガバノスミレサイシン、キブシなどが見られ、ミソサザイがさえずっています。今年は1月に石垣島でも見ました。涼しい時期に咲くというイメージなので南方にあるのが不思議です。
 ヨーロッパにMan Orchidと呼ばれるのがあり、唇弁が人型としています。そして、花序に小人がぶら下がっている絵を見たことがあります。マンドラゴラと同じ発想で、昔の人のイマジネーションを感じます。このヒメフタバランを見るたび、その小人のぶら下がった花を思い出してしまいます。TバックならぬTフロントです。時間がたつとこの花は両足がはね上がってしまいます。

Apr.13.2002 Rev.9.00


 


Cymbidium goeringii シュンラン Mar.25.2002

 

 ずいぶんインドネシアネタを続けてきましたが、早い春を通りすぎ、進む季節はもうGW前の初夏の装いになっています。帰国後慌てて追いかけた春を振り返ってみます。

 やはり、春はシュンランです。まだあるところにはいっぱい残っていて、暖かい日差しに包まれてたたずむ姿は、春の妖精です。ほのかな甘い香りに酔いしれます。これで杉花粉さえなければいうことはないのですが。

Apr.12.2002 Rev.8.37




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