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 Diary2001-2 


 


Mentha arvensis ハッカ Nov.03.2001

 色づいた草むらでは、逆に緑の草が目立ちます。よく見るとラベンダー色の花を付けています。ハッカです。今まで虫除けなどで結構ハッカ油を使ったことがありましたが、こんなに身近にあるものとはつゆ知りませんでした。
  本来、虫に食われるのを防ぐための物質を人間さまが利用しているのでしょう。どの葉も虫食いは見られません。でもよく見ると、ツユムシの仲間がいるではありませんか。この緑もかえって目立ちます。

Nov.18.2001 Rev.7.23


 


Bothriochloa parviflora ヒメアブラススキ Oct.27.2001

 休耕田は、雑多な草花で被われ尽くされています。ミゾソバ、ツリフネソウ、ガマ、サンカクイ、ススキ、、、 紅葉始めた草もあり、周囲の雑木林に先駆けて色づきます。開けたところの方が冷え込みが強いせいでしょうか。朝露でしとどに濡れています。
 ガマの向こうに赤い葉の一群が目立ちました。この手の仲間の同定はいつも自信がありません。

Nov.16.2001 Rev.7.22


 


Lycaena phleas ベニシジミ Oct.21.2001

 ミゾソバの群落では、虫たちも朝を迎えます。だんだんと冷え込みが強くなり、彼らも朝露を浴びてしまいます。ベニシジミが羽を開いて朝日を浴びてています。触覚の露がきらめきました。ふつう彼らは羽を閉じてとまりますが、温まらないと動けないのでしょう。近づいて撮ることができました。
 越冬する虫たちもいますが、多くは冷え込みとともに死んでしまいます。湿原もだんだん緑色を失っていきます。もうすぐ草紅葉、そして霜の季節です。

Nov.14.2001 Rev.7.21


 


Pennisetum alopecuroides チカラシバ Oct.20.2001

 朝露や霜がついた草木を逆光で見ると、プリズム効果で光輝き、回折で七色に見える時もあります。特にチカラシバとかネコジャラシとかいったふさふさした奴は、ふさ全体が微小なプリズム集合体と化し、光ファイバーのイルミネーションのようで圧巻です。
 きわどく対向した逆光でしか輝やいて見えず、朝露が消えるまでの一時だけです。そのうち朝露も蒸発し始め、靄が上がってきます。クローズアップも面白いですが、ワイドでピーカンの朝の雰囲気を出して見ました。

Nov.11.2001 Rev.7.20


 


Spider net コガネグモ Oct.14.2001

 この季節、丸々と太ったクモ達の巣が至るところにかけられています。冬を迎えるにあたって、産卵前の最後の食事でしょうか。よく写真に撮られていますが、クモの巣についた朝露が逆光に輝くと、とてもフォトジェニックです。
  その幾何学的パターンの精緻さは驚異ですが、クモ自身は意識して作っているわけではないのでしょう。単純な行動原理の組み合わせ、一種のフラクタクルなのでしょう。でも、それがこの種に代代受け継がれ、種として生存できてきたカギなのでしょうか。
  複雑系の話しとか進化論を絡ませて周りを見つめると、見なれた風景の中に、新鮮な発見があるかも知れません。まだまだ、面白いものが見つかりそうです。

Nov.10.2001 Rev.7.19


 


Kalimeris pinnatifida ユウガギク Oct.14.2001

 ユウガギクとしましたが、はっきりいって自信がありません。キク科は似たものが多く、特徴があいまいな気がします。また、どこにでもあるため、めったに撮ることもしませんでした。しかし、いろいろ目を向けてみること必要かと感じています。
 ランや前回のツリフネソウなど、一つ一つの花に独特の形があって、存在感があります。それに対してキクは集合花であるとはいえ、どれも同じような形で面白みに欠けます。”野菊の墓”とかいって日本人の情感に訴えるものはありますが、博物学趣味の私にとっては、昆虫チックなランのような花の方がやはり合っています。
 とはいえ、野の傍らでひっそり咲いている野菊は、郷愁を誘うものです。やはり日本人なのです。そう言えば、インドネシアではこんな花はありませんでしたね。

Nov.10.2001 Rev.7.18


 


Impatiens textori ツリフネソウ Oct.14.2001

 湿原ではツリフネソウも朝日で輝きます。ぶら下がった個性的な舌状花が透過光で堤燈のように映えます。訪花昆虫も多く、ホウジャクがホバリングしながら吸蜜して回るのも眼にします。写真におめてやろうと思うのですが、なかなかうまく行きません。この花は次々と咲き、長期間楽しませてくれます。

Nov.07.2001 Rev.7.17


 


Polygonum thunbergii ミゾソバ群落 Oct.14.2001

 秋晴れの朝、しっとり濡れた露に朝日があたって輝きます。もやもわきたって、短時間の幻想的なひとときが訪れます。開けた谷津田こその光景です。
  横沢入は、放置された田んぼが湿原化して、その動植物を楽しむことができます。熱帯から帰ってきて、初秋の雰囲気を楽しみにたびたびやってきました。写真のトレーニングや自然観察にぴったりです。
  この週は、ミゾソバがピーク、一面を覆っていました。逆光気味で撮りましたが、この花は曇りか雨のしっとりした雰囲気の方が良いかも知れません。

Nov.05.2001 Rev.7.16


 


Gastrodia pubilabiata クロヤツシロラン Oct.06.2001

 昨年、果実で見つけておいたクロヤツシロランとおぼしき株、まだ花は残っているだろうかと気になり、帰国後すぐ自生地に駆けつけました。昨年は果実がニョキニョキ出ていたので、見事な株もありはしないかと期待するところもありました。しかし、見つかったのはたった5株、しかもほとんどは果実になりつつあり、花はこの1株だけでした。右の茶色のぼこぼこしたかたまりがそうです。まだ開ききっていないようなので、次の日再度来て見ると無くなっていました。知る人もないはずで、果実も折れていることから動物にせいにするしかありません。近くに獣道はたしかにあります。
 Gastrodia属は、沖縄で新種らしきものが次々見つかっているそうです。クロヤツシロランにしても、静岡産に対し、藤沢産は形態が少し違うと聞きます。この八王子産も、確認したかったところですが、またもう1年待ちです。クロヤツシロラン、横浜まではあるときいていますが、現在この八王子が北限でしょうか。ご存知の方ありましたらお知らせ下さい。
 今年は秋口の腐生ランが不作でした。夏の高温少雨が影響しているのでしょうか。 ところで、1ヶ月ぶりに熱帯から帰ってきて日本の初秋の里山を歩くと、とてもすがすがしく、四季があることの楽しさを体で感じました。

Nov.04.2001 Rev.7.15


 


Neottia SP カイサカネラン Sep.08.2001

 しばらくウツボカズラに逃げていましたが、またランに戻ります。日本の話しです。
  インドネシアに出かける直前、探検隊を結成してカイサカネランを探しに行きました。キノコのニョキニョキ生えた広葉樹林、カラマツ林を交互に登って行き、ここという場所のしばらく捜すと出てきました。落ち葉から突き出ていますが、ふつうのサカネランに較べると華奢です。緑がかっていて、外側に毛がたくさんあり、唇弁の形が違います。まして、咲く時期が全然違います。
 まだ登録されてなく、位置付けもされていませんが、私としては別種なのかと思います。古くから2、3産地があったらしいのですが、 今はここだけと聞いています。まだこういった訳のわからないものが残っていることがうれしくなってしまいます。
  山を下る途中、西表島であったM氏に出会いました。同好の志、世界は狭いものです。

Oct.31.2001 Rev.7.14


 


Nepenthes SP Sep.15.2001

 インドネシア赤道直下Batam島でのラン紀行、ウツボカズラの続きです。
 腐生ランはないものかと、樹林帯の中へも入って行きましたが、気配さえありません。落ち葉はあるのですが、ふかふかした日本で見なれたものではなく、固い葉が重なっているだけです。分解が激しく新しい落ち葉だけが残っているのでしょうか。キノコも時々見かけますか、地面から出ているのは少ない気がします。
 いつもあまり面白いものが無いのですが、この日はつぼだけが並んでいるのを見かけました。ウツボカズラのようですが、葉が見当たりません。ふつう葉の先がつぼになっているはずなのですが。
 林床では、動物にも出会いません。樹幹ではサルとリスを見た事があります。でも、聞くところによると、8mのヘビがまだこの島には住んでいるそうです。油断は禁物です。怖いけど、一度見て見たい気がします。以外と人家の近くに現れ、ニワトリなんかがよくやられるそうです。

Oct.29.2001 Rev.7.13


 


Nepenthes SP Sep.15.2001

 インドネシア赤道直下Batam島でのラン紀行、ウツボカズラの続きです。
 開けた陽光地、地生ランをいつも見に来るポイント、Nepencis gracilisは結構茂っていますが、傍らにちょっと違った大きなつぼを見つけました。小さなコップぐらいはあります。ウォーレスはウツボカズラのつぼの水を飲んだということですが、ちょっとためらわれます。蓋が開かない間にも水はたまっていて、まだ虫は入りこんではいませんが、消化液なのです。結構なみなみと入っているので、もしほんとに飲めるのなら、水筒が要らなくてすむのですが。

Oct.27.2001 Rev.7.12


 


Nepenthes gracilis Sep.15.2001

 インドネシア赤道直下Batam島でのラン紀行、ウツボカズラの続きです。
 ウツボカズラといえばつぼの写真ばかりなので、どんな花が咲くのかまったく知りませんでした。多くはありませんが、気をつけて見ていると花を付けた株、果実になった株を見かけます。一つ一つの花は地味ですが、花序は結構目立ちます。葉は特殊化していますが、花は残念ながら普通です。

 今回、ウォーレスの゛マレー諸島゛を読みながら、ウォーレスごっこの続きです。中に結構住民に対する記述が出てきます。原住民が、文明に出会い、キリスト教やイスラム教に改宗していくさまも出てきます。一般に住民では、キリスト教徒よりイスラム教徒の方が信用できると書かれています。宗教だけでなく、生活全体がイスラムで、戒律も厳しいためです。
  1日5回の礼拝、そして最終的には巡礼、これらがモスリムの共通体験として、一体感をもたせているのでしょう。各国のモスリムの反米感情が高まっているのもわかるような気がします。友人たちの本音も聞いて見たいものです。

Oct.23.2001 Rev.7.11


 


Nepenthes gracilis Sep.16.2001

 インドネシア赤道直下Batam島でのラン紀行、小さい島ですがまだまだ発見があります。
 ランから外れますが、島を回っているといたるところでウツボカズラを眼にします。沼地の木や林縁、そして道路の法面です。特にこの種は日当たりが好きなのでしょう、開発されてむきだしになった土壌を被うように生えています。一面つぼだらけです。
 注意して見ていると、いくつかの種があるようです。 面白いので、目に付くものを撮ってきました。いくつか紹介しますが、素人で資料もないため同定できません。詳しい方おられれば紹介下さい。
 ランは多様に進化したといっても、食虫植物があるとは聞いた事がありません。パフィオのリップがこのつぼに似てはいますが、栄養を採るための物ではありません。でも、水の溜まったリップに虫が浮かんでいるのは見たことがあります。そのうち、そのように進化するなんてことはないでしょうか。でもそうすると、本来の生殖ができなくなってしまいますね。

Oct.21.2001 Rev.7.10


 


Dendrobium crumenatum Sep.30.2001

 インドネシア赤道直下Batam島でのラン紀行、小さい島ですがまだまだ発見があります。
 シンガポールは、街中が公園のようでガーデンシティなどと呼ばれます。熱帯樹の街路樹によくビカクシダやランがついており、いやがうえでも熱帯の雰囲気を盛り上げています。これらは人為的につけられたものが主ですが、気候が合うためよく繁茂しています。良く見られるランはDen.crumenatumでピジョンオーキッドと呼ばれるものです。
 隣のバタム島では、自然林が多く残っていますが、こんなに多く着生は見られません。低地熱帯雨林は込み合いすぎているのかも知れません。随分捜していましたが、友人とビーチに泳ぎに来た時、たまたま見つけました。花芽があるように見えたので次週再度来てみると、終わり気味でしたが花を見ることができました。このランは、夕立による急な温度低下がトリガーとなり、数日して午前中だけの花を咲かせるそうです。私も、シンガポールで7月に1度出会ったことがあります。この花でフィルムが終わりましたが、そのあと大株で開花株を見つけました。シンガポールでは街路樹ですが、本来は海岸の明るいところが好みのようで、他の海岸でも見つけました。再度、挑戦です。

Oct.19.2001 Rev.7.09


 


Bromheadia finlaysoniana Sep.23.2001

 インドネシア赤道直下Batam島でのラン紀行、小さい島ですがまだまだ発見があります。
 このBromheadiaは、一日花ではないかと前回紹介した時書きましたが、やはりそのようです。島のあちらこちらに生えているのを見つけましたが、咲いていないことのほうが多く、咲くときは同期しています。写真のようにとても綺麗な花なので、花持ちが良ければ人気がでるでしょうに。香りがあるのはわかりますが、花弁に蜜があるのでしょうか、小型のハエ類がさかんに嘗め回していました。しかし、本来のポリーネータは来ないのでしょうか、この花で果実をまだ見た事がありません。

 エアロビックのワークショップに引き続き、コンペが行われました。インストラクタのJinothと歌手のNichky Astoriaが扇動しながら、皆踊り狂います。いくつかのカテゴリに分かれ、インドネシア独特の踊りもあります。6人チームで盆踊り風のPocoPoco(ポチョポチョ)、衣装と合わせて競う民族芸能風Dangdut(ダンドゥ)です。どちらもディスコにも取込まれています。とりのDangdutで興奮は最高潮に達します。よくよく乗りやすい国民性だなとつくづく感じました。つい私も参加していました。

Oct.15.2001 Rev.7.08


 


Dendrobium sp. Sep.22.2001

 インドネシア赤道直下Batam島でのラン紀行、小さい島ですがまだまだ発見があります。
 ジャングルを抜ける林道を歩いていると、ランの草姿をした草がありました。前回地生のDen.lobbiiの例もありますし、この草もDen.の仲間に見えます。残念ながら花がないため種同定までは行きませんが、遊川先生によるとDen. Section Grastidiumの仲間のようです。こうして見ると、Denの地生は特殊でもなさそうです。

 今回、ホテルでエアロビックのワークショップがあり、暇つぶしで参加しました。AdeLayというボディビルダーがジャカルタからやって来ました。世界チャンピオンだと言う話しもあり、インドネシアのスーパースターです。シュワちゃんを超えた肉体、その逆三角形は国鳥ガルーダの翼のようで、圧倒されます。バリ出身の彼が、民族衣装をまとってポージングする様は、希望の若き王子と行ったところでしょうか。兄ちゃんもおばちゃんも、モスリムも華人も、皆が熱狂したことは言うまでもありません。私もついサインをもらってしまいました。

Oct.13.2001 Rev.7.07


 


Pelexia obliqua Sep.23.2001

 インドネシア赤道直下Batam島でのラン紀行、小さい島ですがまだまだ発見があります。
 いつもの場所に出かけてみると、ネジバナのような奴を見つけました。確かにランの顔をしています。帰って調べて見ましたが地域の植物誌にも出ていません。 遊川先生によると、南米からの帰化種でジャワなどでは広がっているそうです。Batamもインドネシア各地から人々が集まってきているので結構移入種も多いのでしょう。ちなみにこの株は運転手のIwanが見つけてくれたものです。連れ回すうち彼も目ざとくなり、Anggrek(インドネシア語でラン)を連発するようになりました。
 
 道路脇で、人が焼き殺されたことがありました。友人達はドクン(Black magician)のせいだと言います。もともとBatamにはいないが、ジャワやスマトラから呼んできて呪をかけるのだそうです。中沢新一のファルマコスの島でブラックマジシャンとホワイトマジシャンの戦いを読んだことがありますが、実際にそう信じられていることに驚きを感じました。古来からの風習がイスラム導入を超えて生きつづけているのです。

Oct.11.2001 Rev.7.06


 


Lecanorchis nigricans クロムヨウラン Aug.25.2001

 米英の報復攻撃が始まりました。その前に日本に帰れてよかったと、いまさらながらほっとしています。
 インドネシアはアラブではありませんが、同じモスレムとしてオスマ氏を支持する人たちがいます。共産主義が消滅した今、虐げられた人々の救済思想としてイスラムに回帰している面がありますが、なぜイスラムがこれほど人を惹きつけるのか、不思議でなりません。友人いわく、指導者レベルでは魂が浄化されていて、何事もすべてお見通しとのこと。ワヒド前大統領もそれで何度も暗殺の危機を乗り切ったとのこと。他者である私は、祈りの調べやモスクの天井などに何か神秘的なものを感じてしまいます。しばらく友人の言葉に耳を傾けて見ようと思います。

 今年も暑い夏でした、特に7月は。昨年もそうでしたが、今年もこの暑さでクロムヨウランの花径が花の前にとろけてしまい、ほとんど開花を見ることができませんでした。この株は矮生ですが、一度花径がとろけた後、再度出直したものです。8月幾分涼しかったのが幸いでした。

Oct.08.2001 Rev.7.05


 


Pecteilis radiata サギソウ Aug.26.2001

 インドネシアBatam島から、約4週ぶりに帰って来ました。今回は、アメリカでのテロ、オスマ氏を支持するジャカルタでの暴動と、緊迫した世界そしてインドネシア状況となりました。Batamではオスマ氏のポスターは見かけましたが、まだ表層は平穏を保っていました。
 Batamでは、経済特区として国中から人が集まってきています。宗教もモスリム、キリスト教、華人の仏教、ヒンドウとありますが、日本人が考える以上に生活に溶け込み、ここでは共存しています。モスリムの友人の祈りに立ち会ったところ、魂が清められたと感じると彼らは一様に言います。ベールをかぶった女の子は、けっして人前でははずしません。スポーツでも海水浴でもです。貧しさゆえ犯罪も多いのですが、厳しい戒律は抑止力になっています。スリッパを盗んだだけで、両手首を切り落とされた話しも聞きます。
 
 話しは変わって、サギソウにイチモンジセセリが訪花し、頭についた花粉塊を落そうとしています。4つも付けばじゃまでしょう。これは栽培品ですが、この夏帰省したおり自生のサギソウにも来たのを見ました。ため池周辺などまだ結構残っているようです。

Oct.06.2001 Rev.7.04


 


Eulophia graminea Aug.05.2001

 インドネシア赤道直下Batam島でのラン紀行、今回はEulophia gramineaです。
 Batam島から南に低い島々が連なっていて、立派な橋で結ばれ最南端まで道路が伸びています。途中、熱帯雨林やマングローブ、ベトナム難民のキャンプ地跡 を見ることができます。シンガポールからの観光客を呼ぶためのものです。
 最南端のひなびた船の渡し場で、海上につき立てた竿に大きなカワセミを見つけました。くちばしまでオレンジで色が鮮やかです。売店の兄ちゃんに名前を聞きましたが現地名はあるようです。かごに白い綺麗な鳥も飼われています。彼はブギス人でスラウェシ島から来たそうです。ここにランはあるかと尋ねましたが、ここには花はなく植えているところだ、日本の桜は綺麗だとの答え。こちらは現地の自然を見たいのに、綺麗な花という認識の違い。一般的な通念かも知れません。
 帰りしな、草むらにEulophiaを見つけました。前回はSPとしましたが、gramineaとわかりました。前の株は果実が割れましたが、こちらは咲き始めたところです。熱帯は季節感が希薄で、咲く時期のばらばらです。
 今日からまたインドネシアへ出発です。今度は何が見られるでしょうか。

Sep.09.2001 Rev.7.03


 


Dendrobium lobbii Aug.04.2001

 インドネシア赤道直下Batam島でのラン紀行、今回は地生のDendrobiumです。
 前回お話したBromheadiaは、道路脇の法面で水が染み出して流れてくるような、湿った場所に生えていました。周囲には何種かのウツボカズラも生えています。よく見てみると小さなランがあるではないですか。顔が茎の方を向いて目立たないのですが、確かにランの顔をしています。シンガポール植物園に問い合わせたところ、Dendrobiumの一種とわかりました。Den.と言えば着生と思っていただけに、意外な適応に驚きました。水分の多い土ですが、根をちゃんと張っていました。この種も地生の例に漏れず、ポツリポツリの開花し、順繰りに果実を実らせて行くようです。
 今回のBatam滞在中、新妻昭夫著”種の起源をもとめて”を読みふけっていました。 ダーウィンと同時期に、マレー諸島(現在のインドネシア周辺)を探検しながら進化論の先陣争いをしたとされるウォーレスの足跡をたどる旅です。その中で、彼らが博物学のニュートンになりたかったことが出てきます。記載から原理へ、しかしそれは予測を可能にするものではありませんでした。自然はあまりに複雑で豊かです。熱帯の不思議に囲まれて、気分はもうウォーレスです。

Sep.03.2001 Rev.7.02


 


Bromheadia finlaysoniana Aug.04.2001

 インドネシア赤道直下Batam島でのラン紀行、今回はめったに開花を見ることのできないランです。
 前回滞在時、道路脇に白いつぼみのようなものをつけたランぽい株がいくつもあるのを見つけました。次の日行きましたが、ランであることはわかりましたが、すべて閉じた後でした。周囲を捜しましたが、同様の株ばかりです。正体ををつきとめられないまま今回に持ち越したわけですが、先週は同じく閉じた後でした。今週満を侍して来て見ると、ほとんどの株で咲いています。次の日来ると全部閉じています。どうやら、花期が非常に短く、1日程度しか持たないようです。
 花は清楚で美しく、L.ancepsのアルバといった風情です。しかし、花径に1個ずつしか花がなくさみしい限りです。調べて見ると地生ランのBromheadiaとわかりました。花径がジグザグにおれ、そこから一輪ずつポツリポツリと咲いて行くそうです。今週雨が多く、それがトリガーになって開花のタイミングがそろったのと思われます。他の場所でも同じ日に咲いていました。香りもあり、ハエが訪花していましたが、果実は見当たりませんでした。一日で受粉するのは難しいのでしょうか。なら、美しい花をもっともたせればいいものを。

Sep.01.2001 Rev.7.01


 


Arundina graminifolia ナリヤラン Jul.29.2001

 インドネシア赤道直下Batam島でのラン紀行、今回はナリヤランです。
 入り江を横切る道路の堰堤、日当たりもよく川も流れ込んできていて、日本で言うナリヤランが群生していました。 ここではコウトウシランなどと同様、年中咲いているようです。ひとつの花が終わってから次の花が来るので、花径がにぎやかになりません。日本では、夏場に限られるようで、GWに西表島に行った時はまだ咲いていませんでした。
 結実率が良くないことから自家受粉ではないと考えられます。コウトウシランでほとんど結実するのとは対照的です。 写真では果実の花径にとまっているように、ハエ類がさかんに訪花していました。しかし、花粉塊の付着までは確認できませんでした。
 この島では、相当古い日本車がかなり走っています。外観はぼろぼろで、ドアもない場合もあるのですが、走る機能に問題はないのでしょう。ここにはホテルタクシーで来たのですが、見た目はいいのにベアリングから異音がして今にも止まりそうです。それはフランス車で、ドライバーいわく、高くても品質のいい日本車がいいとのこと。他でも、品質で日本製がやっぱりいいと言う声も聞きます。まだ日本も捨てたものではありません。

Aug.29.2001 Rev.7.00


 


Bulbophyllum sp Jul.28.2001

 インドネシア赤道直下Batam島でのラン紀行を数回お届けします。
 今年1月から3週間程度の滞在を繰り返す内、島の様子にもだいぶ明るくなってきました。前回滞在時、工場のメンバーと遊びにきた滝に、親しくなった奴と2人でやって来ました。前は滝壷で泳いだりしただけでしたが、今回は見つけておいた着生種をじっくり見ようとカメラ持参です。それはこの写真のBulbophyllumでしたが、残念ながらすでに果実でした。倒木にもCoelogyneが張付いており、果実が鈴なりについていました。着生種は大きな沢沿いがポイントのようです。でも小さな低い島なので、あまり期待はできません。
 今回は渇水状態で泳げる状態ではなく、人もまばらでした。しかし突然の豪雨、スコールと言うには長く、3時間も降り続きました。樹上にしつらえたシェルターで待つしかありません。38℃の東京を尻目に、震えながら語り会いました。雨が降って、レインフォレストは香りがすると彼は言います。その中を帰途につきます。視界が開けると、遠くレインフォレストが驟雨に煙っています。彼の好きなこの光景もこの経済特区で、いつまで残るでしょうか。彼は今、故郷のロンボクで休暇を楽しんでいることでしょう。

Aug.27.2001 Rev.6.40



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