■ セイラムの風〜From Etsuko #025--オレゴンドライブ旅行(その2:北西部)
セイラムの風 目次
今回は夏休み後半にドライブ旅行したオレゴン北西部を、前回に引き続き、日記風に紹介いたします。

開拓者の言葉
オレゴントレイル開拓資料館の入り口の階段に書いてある開拓者の言葉。「イリノイ州からオレゴン・シティーまで、8ヶ月と4日もかかってついに・・W. Barlow 1845年。」カリフォルニアのゴールド・ラッシュは1849年。
オレゴントレイルの地図
オレゴントレイルの地図。幾多の困難を経て、このようなルートを幌馬車や徒歩で西海岸まで進んだ、西部開拓者に敬意を表する。
-8月21日(日)-
8:20am。我が家を出発、少し曇で肌寒い。HWY I-5からHWY 205でオレゴン・シティー(Oregon City)へ。
街に入る橋の少し手前にビュー・ポイントがあり、そこから川向こうの、木々の中に見え隠れしている可愛いオレゴン・シティーの街や、街の郊外にある幅はほぼ川一杯ながら落差の小さな滝を見る。

9:30am市内に入り、オレゴントレイル開拓者資料館に行く。オレゴントレイルとは東部、中西部から西部を目指す開拓者が通った北米大陸西部横断ルートの一つ。10:30amの開館まで外の展示物をみる。建物の外部に大きな地図があり、ミズーリーからカンザス、ネブラスカ、ワイオミング州を通り、ロッキー山脈、アイダホ州のスネーク川を越え、オレゴン州のロンビア川に沿っての、2,000マイルに及ぶいくつかのルートが描いてある。

巨大な幌馬車をかたどった3つの建物内部に、ミズーリーの西部開拓の準備倉庫が再現してあり、当時のコスチュームを着たガイドの説明を聞きながら見学。食料、家財道具なども展示されており、当時の開拓者の生活を知ることが出来る。1840年代から南北戦争(1861〜1865年)にかけて多くの人が西部に向かい、約30万人がオレゴンを目指したとか。6ヶ月以上におよぶ過酷な3200kmの旅はどんなに大変だったか、当時の人々の苦労、開拓精神が偲ばれる。

東からミシシッピーを越えた辺りの、大平原では、木が殆どなく、バイソンの糞が唯一の燃料で、これを集めるのは子どもの仕事とのこと。 実物があったので、手にとって見たが直径20cmくらいの軽い円盤形で、子どもたちがフリスビー(Frisbee)のように投げて遊んだのが実感できた。

ティンバーライン・ロッジ
ティンバーライン・ロッジ。1930年代にルーズベルト大統領の経済政策の一環としての、失業者対策として建てられた。オレゴン特産の木をふんだんに使った重量感のある素敵なロッジ。冬は入り口がトンネル状に覆われ、雪が直接入らないようになる。
コロンビア川
ヒストリック・ハイウエーから見下ろしたコロンビア川。対岸はワシントン州。オレゴン中部の辺りなので、木々の緑が少ない。
12:00pm発。オレゴン州の最高峰マウントフッド(Mt.Hood)の中腹にあるティンバー・ライン・ロッジ(Timber Line Lodge)まで1時間のドライブ。
ここまで100miles。名前の通り森林の上限界にある。夏スキーが出来る雪の残った斜面があり、リフトが動いていた。ロッジで昼食の後、廻りを散策。天気が良くここからの景観が素晴らしい。前回来たのは、雪がある冬で、一面の霧だったので、今回とは正反対の感じであった。ここはポートランドからも近く、一年中この雄大な大自然を楽しむことが出来、スキー、スノーボードのメッカと言われている。

15:00pm発。1時間でコロンビア川岸のフッド・リバー(Hood River)の街へ。
対岸はワシントン州(State of Washington)。川に沿ってHWY I-84があるが、それではなく、ここからはヒストリック・コロンビア・リバー・ハイウェイ(Historic Columbia River HWY)をコロンビア川沿いにザ・ダルズ(The Dalles)まで東に向け(上流に向かって)走ることにした。この道は崖を上り下り、左へ右へのカーブが連続する道で、運転に神経を使うが、コロンビア・ゴージ(Columbia River Gouge)の見晴らしは素晴らしい。このハイウェイは、川に沿った美しい自然の景観を、最もよく見える所に行くように道を工夫して建設されたもので、楽しいドライブが出来る。

17:00ザ・ダルズ着、ホテルのレストランで夕食。足のあるワインの樽がバンダナをしめて、キビキビと活発に動くような感じのウエイトレスに目を奪われながらの、楽しい食事であった。地元の人が多く訪れる評判の店のようだった。170miles


ホース・テール滝
ホース・テール滝。まるで馬の尻尾のような滝が岩の間から落ちてくる。結構高さがある。
-8月22日(月)-
8:00am発。今日は、コロンビア・ゴージを始点にして、コロンビア川に沿って河口にあるアストリア(Astoria)まで。
ザ・ダルズはオレゴンのセントラル地方に入るのか、大きな川沿いなのに乾燥地帯のようで、川の両岸は岩のごつごつした木のない黄土色の風景。I-84を西に進み、フッド・リバーの街を再び通る。

この辺りは、夏は冷たい海風が東に向かって吹き込み、川は白く波立っている。この様ないい風がコンスタントに吹くので、ウィンド・サーフィンのメッカとして有名で、世界選手権も行われる。

コロンビア・ゴージには108もの滝があるそうだが、フッド・リバーのしばらく西で、I-84からヒストリック・コロンビア・リバー・ハイウェイに入ると、まずホーステール滝(Horsetail Falls)が爽やかな姿を見せる。次にアメリカ国内で5番目の規模の滝である、落差189mのマルトノマ滝(Multnomah Falls)へ。滝つぼの少し上に橋がかかっていて、滝を間近に見ることが出来る。ここでパンケーキのブランチ休憩。ワーキーナ滝(Wahkeena Falls)も見る。どれも道沿いにあって分りやすく、それぞれ特徴があり、見応えがある。

その後、I-84、I-5などで、ポートランドのダウン・タウンの北側を通過して、アストリアに向かう。HWY 30沿いのレインニア(Rainier)で、おばさんが楽しみでやっているようレストランでコーヒー休憩をし12:40pm。

アストリア・コラム
アストリア・コラム。階段は狭く、上る人と下る人のすれ違いがちょっと大変だが、息を切らして上った展望台の、遮るものの無い広大な風景に大満足。
14:00pmアストリア着。
コロンビア川の河口にある美しい坂の街。ビクトリア様式の建物が多い。ウオーター・フロントにあるコロンビア川海事博物館へ。体育館のような広い空間に、実際に使っていた釣り船や、沿岸警備クラフトなどが展示してある。裏手に1993年まで使われていた、海上で灯台の役目を果たすライト・シップ「コロンビア号」が停泊、中を見学。

すぐ近くを夏季のみ営業の可愛い路面電車が走っていた。

アストリア・コラムの展望台からのワシントン州
アストリア・コラムの展望台からワシントン州を見る。二つの州を結ぶ重要な橋、アストリア・ブリッジがコロンビア川河口に架かっている。一部は水面すれすれで、海が荒れた時など、怖いのではと思う。渡るのに一体どの位かかるのだろうか。
街の中の坂を登り、街、コロンビア川、太平洋を一望できる展望台「アストリア・コラム」へ。
東部からアストリアへやってきた開拓者を記念して建てられた塔で高さ37.5m、その表面には14場面の開拓の様子が螺旋状に描かれている。164段の狭い螺旋階段を登ると360度の絶景。展望台はやや風もあって怖い感じ。

しばし楽しんだあと車でHWY 101 Southに入り、20分ほどでシーサイド(Seaside)の街へ。
オレゴン最古のビーチ・リゾート。ホテル着後、海へ続くメインストリート、プロムへ。小さな街だが、カラフルで可愛いお店が並び、人も多かった。この街並みにある、お客の多かった、「これはいい感じ」のレストランで夕食。地元で捕れたと言う、特大のダンジネスクラブがとても美味、二人でシェアしたが、それでも満腹であった。373miles


ヘイスタックロック
ヘイスタックロック。遠目にはそれほど大きく見えなかったが、近づくにつれてその大きさにビックリ。この岩は潮溜まり、海鳥たちの巣など沢山の恩恵を周辺に与え、干潮の時には多くの海洋生物の観察が出来る。
Mt.Hood
フリーウェーから見たMt.Hood。富士山に良く似て姿が美しい独立峰。見る方向によっては荒々しい姿に映る。
-8月23日(火)-
8:00am発。HWY 101に乗り南へ。
10分後、キャノン・ビーチ(Cannon Beach)に着く。浜に立つ(干潮時)、海の中の(満潮時)「ヘイスタック・ロック(Haystack Rock)」高さ70m、世界で3番目に高い巨大なモノリス(一枚岩)が堂々とそびえている。少し霧があったが、その大きさに圧倒された。

オズワルド(Oswald)のビュー・ポイントに寄った後、9:45amティラムック(Tillamook)へ。街に入る辺りから、日本の田舎を思い出す懐かしい匂いが漂って来た。人口より牛の数が多い酪農の街。辺りは牧場が続き、沢山の牛がのんびりと草を食べ、寝そべっていた。道沿いにあるティラムック・チーズ・カンパニーに寄り、チーズを作っている様子を見学。ここのチーズはオレゴンを代表する名産品になっており美味しい。アイスクリームや牛乳ももちろん美味しい。私たちもアイスクリームを楽しみ、自宅用のチーズを求めた。

ここからベイ・オーシャン・ロードを西に、ケープ・メアレス灯台(Cape Meares Lighthouse)に。
今は使われていない小さな灯台。裏手に新しい灯台がある。ぐるっと、岬を一周して12:30pm、再び ティラムックに帰り、HWY 101をリンカンシティー(Lincoln City)に向け出発。12:30pm着。前に行って美味しかったレストラン「モッズ(Mo's)」で名物のクラム・チャウダーなどの昼食。丁度、満潮に向かっていて、蟹を獲る人、散策の人などで賑やか。美しい海を眺めたあと、アウトレットで買い物。 商店も多くバラエティーに富んでいて安いので、遠くから買いに来る人も多い。

今日ずっと走って来たオレゴン海岸を離れ、東に向かい17:00pm我が家着。前回のオレゴン南西部と違った景観が楽しめ、天気も丁度良く、素晴らしい旅を満喫した。全行程555mils

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夏休みに2回に分けてオレゴンの有名な、オレゴンに来たら是非行ってみたい所をドライブ旅行しました。西部、中部、東部と変化のあるこの地の、主に西部でしたが、貴重なる素晴らしい経験でした。

12月に入り、セイラムの街はクリスマス・ムードいっぱいです。3日はスター・ツリー・ライティング。ウィラメット大学の構内にある巨大な5本のセコイアの点灯式。カウントダウンをして一斉に灯がつくと、一本の大きなクリスマスツリーになります。アメリカの大学構内にあるツリーでは一番大きいそうです。
州庁舎も沢山のツリーに飾られ、クリスマスまで華やかに賑やかに私たちを迎えてくれます。

日本のように豊かな四季があり、緑の美しい自然に囲まれた、ゆったりとした街セイラム。いつか皆さんも訪れてみませんか。

2005/12/07-from etsuko
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