■ セイラムの風〜From Etsuko #024--オレゴンドライブ旅行(その1:南西部)
セイラムの風 目次
今回は、夏休みを利用してドライブ旅行したオレゴン南西部を、日記風に紹介いたします。

OSUの構内、学生会館
OSUの構内、学生会館(University Common)。夏休みなので学生の姿は少ない。小学生の一団が、先生とボランティアの学生に連れられ、会館前の緑の広場に、夏休みのフィールドワークにきていた。
-8月1日(月)-
8:00am。我が家を出発。ワシントン州からカリフォルニア州まで、アメリカ西部を南北に貫いているインターステイトI-5、このフリーウエーを南に約1時間、コーバリス(Corvallis)にあるオレゴン州立大学(OSU:Oregon State University)に着く。

夫が2003年夏学期を過ごし、私も何度か訪れた学舎、構内が懐かしく、ゆっくり散策。緑豊かな中にレンガ校舎がとても映える。OSUを後にHWY 99Wを南にユージン(Eugene)へ。1時間ほどで初めて訪れるオレゴン大学(UO:University of Oregon)へ到着。アメフトはOSUと共に、オレゴンを代表する強豪チーム。この2校の試合の時はとても盛り上がる。

ここからHWY 126を西に2時間弱、オレゴン・コーストの街フローレンス(Florence)に到着、さらに海岸沿いをハイウエーHWY 101で南に。途中、海岸の美しい州立公園(South Jetty Dune)に寄る。海からの風は強かったが、白い砂浜、風紋は、故郷の鳥取砂丘に似ており、千鳥が群れ、遠くまで霞んで見える海岸はとても綺麗であった。
美しい海岸に沿ってさらに南へ下り リーズポート(Reedsport)へ。 ここから10分程アンプカ川(Umpqua)の上流にある、ホテルへ。途中、エルク(ヘラジカ)の一群を草原の中に見る。


レッドウッド
トレイルはレッドウッドのこの様な巨大な樹間を歩く。上を見ても樹の先端は見えない。成長が始まったばかりから老いて倒れたものなど様々なレッドウッドの密集している森は、迷い込んだらと思うと怖いようである。
-8月2日(火)-
早朝のホテルから見る川は、霧に覆われていて幻想的。Reedsport近くでやっと川霧が晴れた。ここから再びHWY 101でオレゴンとの州境、カリフォルニア北部にあるレッドウッドの森をめざす。

途中オレゴン海岸で一番古い灯台 ケープ・ブランコ(Cape Blanco Lighthouse)に寄る。紺碧の空、海、幾多の岩を打つ白波、素晴らしいコーストの眺めであった。HWY 101沿いの何でも屋で買った、おばあちゃん自慢の手作りのサンドイッチとスープを、灯台の下で広い海を見ながらの昼食。すばらしく美味しい。

13:00pm過ぎカリフォルニア(California)に入る。途端、霧が多くなり、時として川や海を隠す。オレゴンの澄んだ青い海と違い、灰色がかった海になった。霧の多い天気だったからそう見えたのか。

14:00pm近くに今日の宿泊地クレセント・シティー(Crescent City)に到着、チェック・インした後、レッドウッド国立&州立公園(Redwood National & State Park)へ。
1時間位レッドウッドの森の中を走り、インフォメーションセンターへ着く。説明を聞いた後、ショート・トレイルに出発。樹齢600〜2000年、樹高約100mの世界一高い木であるレッドウッドの森に入ると、小人になったように感じる。巨大な倒木の根の直径は、私の身長の倍以上もあるものも多く、人が何人も入れるほどの大きな洞のある樹もある。ただ、体積(樹の周囲など)は、先年、ヨセミテ国立公園で見たジャイアント・メタセコイアの方が2倍ほどは大きいように感じた。羊歯や苔も多く、鬱蒼とした森の神秘的な精霊を感じる。

夕食は漁港のレストラン(The Grotto)でフィッシュ&チップス、シーフード・プレート、クラムチャウダーなどの夕食。フィシュ&チップスを食べ比べてみたが、昨日の方がスパイシーだった。でも両方美味しい。観光客のような人は見られず、地元の人たちで賑わっている店だった。ここまで427miles


鍾乳洞
鍾乳洞内部は保護のためか照明が暗く、ごつごつした岩の道を手すりにつかまりながら歩く。うっかりすると頭を打つ。ハート型になったもの、人の顔に似たものなど、面白い鍾乳石もあった。
-8月3日(水)-
8:00amにホテルを出発、朝の清々しいレッドウッドの森をホウランド・ヒル・ロード(Howland Hill Road)で楽しむ。 レッドウッドの樹々を自然のまま残し、その樹間を縫うようにつけた未舗装の道で、樹すれすれに走る所も多く、迫力のあるドライブであった。30分の森林ドライブの後、HWY 199に乗って北に向かい、宿を出てから1時間半程でカリフォルニアからオレゴンに入った。

Cave JunctionでHWY46に入り、オレゴン・ケイブ国定公園(Oregon Caves National Monument)に着く。ビジターセンターで申し込んだ1時間半の洞窟ツアーへ。Caves(鍾乳洞)に入るメンバー15人。レンジャーの注意を聞き、案内してもらう。中は5度位、皆ジャンパーなどを着ている。私たちも用意した長袖のシャツを重ねたが、Tシャツだけの少年は寒い寒いと震えていた。

この鍾乳洞は2億年昔、火山で海と隔てられた海盆が、火山活動とプレート移動によって隆起したことに始まる。断層に寄って海盆から持ち上げられた大理石層の割れ目に酸化した水が流れ込み、長い時間かけて侵食し、地下水道が広がって出来上がった洞窟で、鍾乳石だけでなく岩が多い。500段の階段を上り下りしたので、結構足が疲れた。

外に出て暖かい空気にほっとし、1934年に建てられたロッジで昼食。昔、洞窟掘りの屈強な男たちが食べたという、名物のケーブマン・サンドイッチ(Caveman Sandwich)。肉、野菜、チーズなどが三層に重なり、15cm位の高さ、1個を二人で分けたが充分過ぎるボリューム、ただ厚すぎてちょっと食べにくい。

少し休憩をした後、アシュランド(Ashland)を目指す。HWY 46を引き返し、Cave JunctionでHWY 199を東に。グランツ・パス(Grants Pass)でI-5に入り、メドフォード(Medford)を抜け、Ashlandへ。

16:30pmホテル着。40度近くありそうでとても暑い。そのままダウンタウン散策へ。3つの劇場があり、街並みには本屋が多くおしゃれな可愛い旧い街。2月下旬〜10月下旬に行われるシェークスピア・フェスティバルが有名。各劇場でシェークスピアのお芝居が楽しめる。特に夏が賑やか。ここまで620miles


クレーターレイク
クレーターレイクを見た途端、その美しさに圧倒された。素晴らしい天気に恵まれたこともあって、鏡のように静かに青く輝いている湖を見ることができた。湖の中にある島にフェリーで渡れるが、船着場までの道は急斜面なので結構大変とか。冬は雪が降り、通行止めになる。
-8月4日(木)-
今日は、アメリカで最も深い湖クレーター・レイク国立公園(Crater Lake National Park)へ。
I-5からMedfordでHWY 62を北に向かう。九十九折の道を登り、頂上について見た巨大な湖の美しいこと。遮るもののない高い標高にある湖面は、素晴らしい青空を映し、紺碧に輝くその火口湖は周りを急斜面の溶岩壁が囲み、水深は約600m。これは6,800年昔、標高3,600mのマウント・メザマが大噴火を起こし、山の3分の1が吹き飛んでしまった後にできたカルデラ湖である。稜線に沿って自動車道があり、ぐるりと1周出来る。所々にあるビューポイントからの眺めが素晴らしい。稜線を半周しながらビューポイントを何ヶ所か廻り、3時間近くいた湖を後に今日の宿泊地 クレセント(Crescent)へ出発する。

HWY 232を北に、ダグラス(Douglas)でHWY 138を東に進む。更にHWY 97を北に行き15:30pm頃着。木をふんだんに使った感じの良いロッジ。ゆっくり休んで夕食は隣のレストランで。狼、ボブキャット、熊などの動物の毛皮、剥製、様々なリカーの瓶が、所狭ましと飾ってある、アメリカの田舎の家の雰囲気。夕食のシチューなどもお母さん手作りの温もりを感じた。ここまで790miles


ボブキャット
ボブキャット。ネコ科の哺乳類、オオヤマネコに似るが小形。体長1m弱で尾が短い。北アメリカの森林草原から砂漠に分布、ネズミやリスなどを捕食。凛とした姿が美しく、堂々とした歩き方に野性を感じる。
-8月5日(金)-
旅行最後の日。少しゆっくり、8:30amにロッジを出る。
HWY 97を北東へ1時間、ベンド(Bend)にある博物館The High Desert Museumへ。館内、館外に広い観察ルートがある。館内では開拓者の生活が垣間見える用具の数々、ネイティブ・インディアンのアートワークが興味深い。外ではボブキャットのデモンストレーションをしていた。

初めて見るボブキャットは1歳の赤ちゃんで可愛い。大きくなると危険な動物の一つになるとか。この辺りはオレゴン中部の乾燥地帯に入り、木々の緑が少なく、茶色の荒野が広がる風景になる。

1時間程楽しんだ後、Bendを過ぎた辺りでHWY 20に入る。途中車窓から、雪の残ったスリー・シスターズの雄大な山々を眺めながら、シスターズ(Sisters)の街に入る。毛皮商人などの交易の中継点だったこの町は、西部劇映画に見られるような雰囲気いっぱいの小さな街。

1921年建築でそのまま保存されてセントラル・オレゴンの代表的建物になっているホテル、その1階のレストラン、ブロンコ・ビリーズ(Bronco Billy's)で昼食。プライムリブをはさんだバンにチーズをのせて焼いたステーキ・サンドイッチが美味しい。フルーツ・ヨーグルトのボリュームにもびっくり。室内は牧童のブーツや、ロープで飾られ、バーに入るスウイング・ドアーもあり、古き西部を彷彿させて楽しい。

街を散策した後HWY 20からHWY 22に入りサンチアン川沿いにセイラムへ。夕方5時半ごろ我が家着。全走行距離970miles(約1,500km)

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アメリカに来て始めてのロング・ドライブ。夫の運転、私のナビで心地よい疲れを楽しむ毎日でした。多くの経験を得たオレゴン南西部とカリフォルニア北部の旅。これぞ夏のオレゴンというほどの天気に恵まれ、素晴らしい景色・人々との出会いに感謝し、数え切れないほどの思い出と共に旅を終わりました。

2005/12/07-from etsuko
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