■ セイラムの風〜From Etsuko #021--アート・イン・セイラム(Art in Salem)
セイラムの風 目次
寄木細工の壁掛けの店
オレゴンを代表する産物、木を使った細工の店が多かったが、その一つ、いろんな木を組み合わせて作った、寄木細工の壁掛けの店。色も良く、重量感があって美しい。
会場の風景
会場の風景。このメインロードに沿って、白いテントの店が広がっている。木陰が多く、凌ぎやすい。
今回はセイラム(Salem)のArtについての、最近の身近な出来事を書いてみましょう。

【セイラム・アート・フェアー】
毎年行われる大きな催し物、セイラム・アート・フェアー(Salem Art Fair & Festival)が今年も7月15日〜17日に開催されました。この催しには例年10万人以上の人が訪れ、アートを楽しみ、セイラムを知ることとなります。

会場はブッシュ公園(Bush Pasture Park)。
我が家から南に車で10分足らず、歩いても30分程、州庁舎、ウィラメット大学、セイラム病院を過ぎた、ダウンタウンに隣り合っている大きな公園です。バス・ターミナルから無料のシャトル・バスが頻繁に出ているので便利です。

200以上あるアーティストの白いテントは緑の林の中に設営され、人々はメインロードに沿って、オーク・ツリーなどの大きな樹の間をゆっくり歩き、アーティストの作品を観賞し、気に入った品を買います。

森のコーヒー店
森のコーヒー店。自動車ですが素敵な店になっている。コーヒー、ジュース、アイスクリームなど。暑いので冷たい飲み物がよく売れていた。
雰囲気の良い店
ガラスのアートも多い。スッキリした花器をおしゃれにレイアウトした雰囲気の良い店。
配布された資料を見ると、アーティスト達はオレゴンはもとより、隣の州、ワシントン、カリフォルニア、アイダホ、遠くはニューヨーク、カナダからも来ていて、様々な作品を展示、即売しています。

木工、陶器、ガラス、金属、絵画、アクセサリー、衣服、デコレーション、その他いろいろあり、アーティストも訪れた人も和気藹々と、その出会いを楽しんでいます。

轆轤を回して器を作ったり、タイルに絵を描いたり、来た人たちが参加できるものもあります。今年は初めて、野生生物協会のボランティアが子どもたちに、粘土で作る動物などを教えていました。

もちろん、多くのボランティアの人たちが、いろんな所で手助けをしています。子どもの遊園地ではブランコやジャングルジムが賑わい、子ども達は顔にペイントしてもらって大喜び。中央の広場ではコンサート、周りにあるお弁当屋で買った、鳥の串焼き付きやきそば、ジャマイカ・ビーンズ・ライスなどの昼食を食べながらひと休みしました。

陶器屋
陶器屋。いかにもアメリカっぽい、ポップな作品。面白い器や置物。手前にあるカップやポット、皿などを付けた庭のデコレーションは、鳥のための餌台、水のみ場になるものもあるが、単なる飾りだけのも多く、楽しく暮らそうという、アメリカの家庭の雰囲気が伝わってくる。
ビートルの中にいっぱい詰め込まれたポテトチップ
ビートルの中にいっぱい詰め込まれたポテトチップ。この数を当てるクイズが付いていた。適当に数字を書いて応募したが、さて結果は?この”Kettle Chips”はセイラムで作られていて、日本でも販売されているとか。種類も多く、美味しいのでお勧めです。
舞台に向かって芝生の傾斜になっているので、舞台を見るのに丁度よく、大勢の人が座ったり、寝そべったり、思い思いの格好でのんびり過ごしています。

「自然とアートを一緒に楽しめる、なんてこの日々は素晴らしいのでしょう。入り口で3ドルの寄付をすれば(払わなくても良い)この素敵な経験をし、アート振興の手助けになります。どうぞ寄付をお願いします。屋外の催しなので天気が気になるでしょうが、この期間、私たちは天気予報を見ません。”r”(rain)の付いた字はここでは使わないのです。」とは大会委員の言葉でした。私たちも 一人3ドルの寄付をし、ワッペンを貰って入りました。

オレゴンの夏、雨はほとんど降りません。Rainの字が必要ないほど、この3日間は晴天の暑い日でした。でも樹の陰に入ると涼しく、アーティストのテントを訪ね歩いてもそれほど疲れません。この時期、林の中で開催される意味がわかりますね。

シャトルバス
シャトルバス。バスターミナルから会場まで無料で巡回している。会場近くに駐車場がそれほど多くなく、ダウンタウンの駐車場などを利用する人など便利に使っていて、結構お客さんが乗っている。
会場のマップ
会場のマップ。中央道路脇に並んでいる、小さな四角が1つ1つ白いテントの店。裏側にアーティストの名前、出身地、出展作品などが書いてある。
会場のブッシュ公園は、ブッシュ二世の邸宅、牧場のあった所です。
彼は1851年、27歳で新聞社「Oregon Statesman」を設立(後、「Statesman Journal」となり、今もセイラムダウンタウンに新聞社がある。学校の授業の一環で取材したことがあります。)、また、セイラム市を設立した重要人物の一人として、政治的にも活躍しました。

その遺産である膨大な地所、屋敷は1953年よりセイラム市の所有となって管理、運営され、一般に公開されていて、セイラムの人たちの誇りとなっています。

森の入り口にある屋敷の周りには良く手入れされたバラ園、温室、子どもの遊び場があります。また、隣り合ったギャラリーは、一階はオレゴンのアーティスト達の木工、絵画、陶器などの作品、二回は企画展で、先日は旧い、世界の木琴、ビブラフォンが展示してあり、自由にこの楽器にさわり、音をだして楽しむようになっていました。

この様な所で行われるアート・フェアーは、セイラムのみならず、オレゴンの人たちの、年恒例の大きな楽しみになっているようです。

メイン通りのカフェの前に置かれたサーモン
メイン通りのカフェの前に置かれたサーモン、夏の暑い日差しを浴びて、金色に輝いている。
ギャラリーの入り口
ギャラリーの入り口のは個性的。オレンジ、レモン、ライムの串刺しを食べている。隣の床屋さんの赤、青、白のシンボルと妙にピッタリしている。
【サーモン・アート】
今年2月、ダウンタウンの街角に20匹のサーモンが現れました。グラスファイバーで作られたボディーは、それぞれアーティストの個性豊かなデザインに彩られています。

金色に輝く鮭、何百もの鍵のうろこで覆われた鮭、原色の色彩豊かな南国風の鮭、串刺しの果物を食べている鮭、体の中を鮭が泳いでいる鮭、などなど、探しながら街歩きをすると、とても楽しいものです。

歴史のある劇場の前には人魚の鮭が美しく佇んでいます。これらのサーモンは、市内の個人、企業からのドネーションをもとに、いろいろのアーティストに作成を依頼したものです。私の友人の家族が依頼したものも、市内でも評判のカフェ・レストランの前に飾られていて、何時もうれしく眺めています。

「あなたはセイラムをサーモンのためにやさしい街にすることが出来る。街のシンボルをサーモンに、ウィラメット川に接している、ミル・クリークや他の小川を、サーモンが海から帰ってくるために綺麗にしよう。」ということで、いろいろな催しを行っています。

可愛いサーモン
レストランには可愛いサーモン。カラフルな貝でおしゃれに飾っている。どのサーモンにも、アーティスト、支援した人の名前を書いたプレートが台の上に誇らしく置いてある。
人魚姫
劇場の入り口には唯一の人魚姫。美しく、たおやかに佇んでいる。この劇場は1926年にオープン。シェークスピアの登場人物を描いた、ステンドグラスが特徴の、チューダー・ゴシック様式の建物。今年リニューアルした。
鍵やメタルで全身覆っているサーモン
鍵やメタルで全身覆っている。いったい幾つ鍵を使ったのでしょう。うろこの感じが良くでている。鎧を着た強い騎士のよう。
7月
「Salmon Festival」サーモンを使ったお料理コンテスト、コンサート、模擬店など。

8月
「Lolla Pa Salmon」--サーモン・アート、郷土料理、ワイン、ジャズの会、「5k Salmon Run」-- セイラムの街を5k歩く、走る。

10月
「Carpe Salmon」-- サーモンの街セイラムを一緒に祝いましょう。

この様な催しとともに、このアートのサーモンたちは「Salmon in the City」のシンボルとして、今日も街の中をあちこち泳いでいます。


【美術館、ギャラリー】
ダウンタウンの中心に、それほど大きくはないが、素敵な美術館があります。ウィラメット大学の「Hallie Ford Museum of Art」です。1階は企画展、2階は常設展になっており、私も時々行って美術に触れ、豊かな時を過ごしてきます。月〜土曜日、朝9時〜夕5時開館、大人3ドル、シニア、学生2ドル、12歳以下無料、火曜日は全て無料、となっており、誰でも、とても行きやすく、気軽にアートが楽しめます。ロビーでは(フリーの)コンサートも時折開かれ、私も先日は、ギターとフルートのデュオを夫、友人と楽しみました。

また、街の中には小さなギャラリーが結構ありますが、その他にも、カフェやベーカリーなどにもアートが置いてあります。カフェの古いレンガの壁に現代的な絵が展示してあるのもいいものです。

セイラムは小さな街ですが、歩いていると思いがけなく、素敵なアートに出会うこともあり、周りの緑の美しい自然とともに、心豊かに過ごせる日々を幸せに思います。普段の生活とアートが別々あるのではなく、一緒に溶け合っているように感じます。これからは、アウト・ドアの夏から、アートの秋となり、ますます楽しみが増えて来るでしょう。

2005/08/16-from etsuko
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