■ セイラムの風〜From Etsuko #013--オレゴン・ステート・フェアー(Oregon State Fair)
セイラムの風 目次
セイラムの最も暮らしやすい時期は、5月からちょうど今頃の、爽やかな空気と青い空の気候の楽しめる季節でしょう。気候の良い美しい季節になると、セイラムではダウンタウンを中心に、いろいろなフェアーなどの催し物が開かれるます。

ウェディングドレスの展示
入り口を入ると正面に素敵な手作りのウェディングドレスが展示してあり、その周りは、デコレーションケーキやテーブルウェアーで華やかな雰囲気でした。
オレゴン紹介のブース
オレゴン紹介のブース。いろんな種類の南瓜やじゃがいもなどの野菜やワインなど、特産物がレイアウトされ、オレゴン各地の生活を身近に感じられるようになっています。
毎日の生活に身近なところでは、5月から10月まで、週2回開かれる朝市。近在の農家の人が、朝採りの野菜や花、手作りのジャムやケーキ、手芸品などのお店を開きます。水曜日(ファーマーズ・マーケット)はダウンタウンの一つの通りを開放して会場に、土曜日(サタデー・マーケット)は役所の300台位は入れる野外駐車場が会場になります。6月(今年は26、27日)はセイラム・ワールド・ビート・フェステイバル。これはセイラムと近郊に住んでいるいろんな国々の人たち主催のお祭りで、各国の珍しい物産、料理、踊りなどの民族紹介です。日本はPortlandから日本総領事館などの参加があり、折り紙や書道、居合い抜き、空手、また、TIUA(東京国際大学アメリカ校)の学生のソーラン節などのパフォーマンスなどでした。会場はウィラメット川岸のリバーフロント・パーク、広い会場一杯にたくさんのテントが立ち並び、熱気がひろがります。7月16〜18日は、セイラム・アート・フェアー。ダウンタウン近くの林の中のブッシュ・パークで開かれる、セイラムまたオレゴン、その他の州の芸術家のフェアーで、絵画、陶芸、木工、アクセサリーなど、素敵な品が沢山展示、即売されます。これらはまたの機会に詳しく紹介するとして、今回は8月26日〜9月6日に開かれたオレゴン・ステート・フェアー(Oregon State Fair)について書きましょう。

キルトとスウェーデン刺繍のコーナー
四方の壁に飾られた沢山のキルトとスウェーデン刺繍のコーナー。意外と知られていませんが、キルトはアメリカではとても盛んで、様々なデザイン、色彩、布地の使い方など、素晴らしい数々の作品に見とれてしまいます。
オレゴン・ステート・フェアー。その名のように、オレゴン州の大規模な物産展で、州都セイラムので、年1回、フェアー・グラウンドと言う会場で行われます。ダウンタウンから車で10分位の所に、広い広場と大きな数棟の建物があり、普段は何もないのですが、この時には、あっという間に、いろんなテント、出し物で埋まってしまいます。広場には移動式の遊園地が出来、大きな観覧車、回転木馬、空中高く上がるフライング・チェアー、ラジコンカーのレース場などいろいろな遊具が一日?にして出来、びっくりします。

手作りケーキの品評会
手作りケーキの品評会。ガラスの中に飾られたケーキは、一部切り取られ味見をされたのでしょうか。中の出来具合がよく見えて面白い。どれも同じ様に美味しそうで、どのように等級をつけたのでしょうか。
野菜や果物などの盛り籠
野菜や果物などの盛り籠。1、2、3等の入賞リボンが綺麗です。奥にジャンボ南瓜、茸がみえます。
車や、ダウンタウンから出ている無料のシャトルバスに乗ってきた人たちは、まずチケット(大人$8、65才以上$5)を買って、手荷物の検査を受けたあと、本館に入ります。ここはオレゴン各地の紹介のブースが並び、綺麗にレイアウトされた名産、物産がパンフレットとともに、オレゴンが海や山、森林など豊かな自然に囲まれた農業国であることを示しています。西は太平洋の美しい海岸が南北500キロ続き、ダンジネス・クラブなどの蟹や貝が取れ、クラムチャウダーも美味しい。オレゴンとその北にあるワシントン州に沿って東西に流れ、太平洋に注ぐコロンビア川には鱒や鮭が多く、スモーク・サーモンは代表的な名産のひとつです。展示品を見ると、小麦畑、ジャガイモ、たまねぎ、トーモロコシなどの野菜畑、ヘーゼルナッツやアーモンド、またりんごや桃などの果樹園、牧場などが占める面積の大きさを実感します。農産物のコーナーではとりどりの野菜や、果物など、農家の人が丹精込めた品々が綺麗に並べられ、賞をうけます。日本ではカリフォルニアほどには、余り知られていませんが、東西70キロ、南北250キロのウィラメット・バレーには100を越す多くのワイナリーがあり、ワインも名産でその試飲コーナーは賑わっていました。多くの人からはカリフォルニアを凌ぐ評価を受けています。 その上、価格安いので、我が家ではウイラメット・バレー産のワインを楽しんでいます。

ビーズアクセサリーの実演コーナー
ビーズアクセサリーの実演コーナー。ビーズの細かい手仕事を見ながら、質問したり、おしゃべりしたり、見ている人も実演者も楽しそうです。奥はジャム、ピクルスの棚、照明が当たって綺麗な色の美味しそうなビンが並んでいます。
羊の家
羊の家。大きな建物の中に、幾種類もの羊が数頭づつ、仕切られた柵の中でおとなしく過ごしていました。羊の毛を刈り、種類の違う毛を展示し、糸に紡ぎ、セーターになるまでを見ることができます。
会場の半分は手作りの手工芸品などの品評会、壁の四方にかけられた百枚以上のキルトが圧巻です。レース編み、刺繍、洋服、木工製品、そしてケーキやパイ、ジャムなどまでも展示されています。一位は青、二位赤、三位白のリボンをつけた入賞作品はどれも誇らしそうでした。羊毛の糸繰車、陶器の絵付け、ビーズのアクセサリーなど実演をしていて、その人たちとの会話も楽しみながらゆっくり会場を見てまわります。また家畜の品評会もあり、馬、牛、豚、羊、兎、鶏、家鴨などなど種類によっていくつかの建物に分けられ、触れられる位間近かに動物を見ることができます。飼料、寝藁なども沢山持ち込まれていますが、数頭づつ柵に囲まれた日々は、いつもは広い牧場で生活している家畜には少し窮屈かもしれません。でも世話をしている人たちを見ていると、家畜は家族同様に大切に育てられていることを感じます。羊の毛刈りの実演などもあり、子供もとてもたのしめます。

小さなテントのお店
建物の外は、小さなテントのお店がずらっとならんでいます。アクセサリーから大きな農機具までバラエテイーにとんでいてゆっくり見て歩くと面白いです。
アイスクリーム屋さん
天気の良い日でしたので、アイスクリーム屋さんは大忙しでした。
外には白いテントの店が並び様々な買い物がたのしめます。洋服やアクセサリー、玩具などだけでなく、バーベキュー用品、トラクターなどの農機具、ジャグジーの浴槽が売ってあるのもアメリカらしく、消防自動車やパトカーも展示してあります。警察のテントには本物のシェリフの星型のバッジ、ピストル、手錠なども、もちろんケースの中ですが、展示してあって驚きました。署員募集、安全についてなどのパンフレットも置いてあり、警察を身近に、親しく感じるようになっています。レストランコーナではハンバーガー、ホットドッグ、ピザ、バーベキューなど現代のアメリカの代表的な食事だけでなく、ご飯ものもあり(カレーライスや肉や野菜の炒め物がご飯にかけてあります)私は昼食に、ご飯の上に照り焼きチキンがのっているテリヤキどんぶり "Teriyaki Donburi" (Teriyaki はSukiyaki 以上に、こちらではポピュラーです。)を買い、腹話術や犬の曲芸などを見ながらフラワー・ガーデンへ。様々な花が美しく咲いている庭の一角では、ばら、ダリヤ、ハーブなどのコンテストや園芸の講習会がありました。ラテンのバンド演奏を聴きならしばし休憩をして、実演販売の建物へ行きます。日用品、日曜大工用品、健康に関するもの、化粧品、寝具、食品など生活に必要な様々なものの実演販売です。洗剤やモップがいかに家を物をきれいにするか、包丁の切れ味の見事さ、気持ち良いマッサージはいかが、ジューサの販売店で試飲し、チーズの店で試食し、販売員の熱演、お客さんとのやりとりを目の前で見るのはとても面白く、言葉は分らなくても十分楽しめます。この他にも、鳥、爬虫類、魚、自然に関するものの小屋、など盛り沢山にあり、大人も子供も楽しくオレゴンのことを知り、学べる様になっています。

アルカトラズ島からの、霧に霞んだSFダウンタウンの眺め
このカッコイイ車は私達の住んでいるマリオン・カウンティー(Marion County)のパトカーです。横に書いてあるシェリフの文字がいかにもアメリカ。(ポリスと書いた白と黒のパトカーの方が多い)2台の消防自動車と一緒に展示してありました。ピストルや手錠が展示してある警察のテントがこの前にあります。アメリカでは、消防車も救急車も緊急電話番号は同じで”911”です。緊急事態の内容によって、先方で判断して、手配をしてくれますが、救急車が有料なのが大きな違いです。
西側に海:オレゴン・コースト、その東に、平原:ウイラメット・バレー、そして、山脈:カスケード山脈、、さらにその東側に、やや荒野、など変化のあるオレゴンの最大の物産は自然。一時その綺麗な環境にハイテク工場も多く進出したようですが、時代と共に少なくなり、日本企業もかなり撤退しています。やはり森林、農業が中心になっています。アメリカの中では失業率が高い方と聞きますが、消費税もなく、物価も安く、住みやすい州のひとつと思います。観光で訪れてもカリフォルニアなどとは違った楽しさが味わえますが、住んでみるとその快適さがいっそう感じられ、アメリカ人の中でも、住みたい場所の上位に選出されいるのを実感します。

2004/09/27-from etsuko
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