■ セイラムの風〜From Etsuko #009--早春のセイラム
セイラムの風 目次
辺り一面の雪景色
1月6日:我が家の前の道路の様子。辺り一面の雪景色、4回目の積雪でそれほど深くはないが、雪対策の間に合わない車も多く、学校も休校。街は静かであった。
3月に入り、セイラムもやわらかな春の雰囲気になってきました。

秋、冬はあまり日が射さないと聞いていたように、去年は10月後半位から雨、曇りの日が多くなりました。でも、一日中降っている事はあまりなく、降ったりやんだり、そして日が射したりと結構めまぐるしく変わります。よほどの雨でないかぎり、人々は傘をささないで歩いています。日本のように降りだすとかなり長く降ることを 想定していて、アメリカとかイギリスは変だと思っていましたが、ちょっと木陰などに入ればやり過ごせると分かると納得です。また、車社会なので歩く距離も少ないのも一因だと思います。

樹氷
1月7日:枝にどうしてこんなに厚く氷が付いたのか不思議。葉、金網、電線、あらゆるものが凍りついた数日間であった。
雪が降っても積もる程ではないセイラムの冬。ただ、今年は何十年ぶりと言われる異常気象に見舞われ、年末、年明けに4回の積雪(それぞれ、15cm位)。お正月7日はマイナス9度の寒波の中、雪景色が氷の世界になりました。地面や枝などに積もった雪が融けないうちに、そのまま氷ってしまったのだと思われます。街中硬い氷に覆われ、交通、電気、電話などの被害が出た地域も多くありました。私の友人の中には、電気・電話が何時間も切断され、まるで冷蔵庫の中に閉じ込められていたようで、寒くて怖かったと後で言っている人もいました。樹が裂けたり、枝が折れた樹も多く、この様な状態に木々が慣れていなかったのでしょう。でも、車や人がいない雪や氷の静かな街の様子はとても美しく、街の中で身近に樹氷を見たのも初めてでした。電線や細い枝、葉などに不思議なほど厚く付いた氷、その氷も数日で融け、いつもの穏やかな冬景色になりました。

名前は分からないが可愛い花
2月28日:道路脇の芝生の中に名前は分からないが可愛い花が咲いていた。たんぽぽや、クローバーなど日本でもよく見かける花も多い。
2月に入ると、木々や草花の芽が動き始め、春の訪れです。あの雪・氷の影響などなかったように、枝先は赤みを帯び、蕾が膨らんできて、落葉樹が多く寂しかった街路もほんのりと色づいてきました。街路樹の下、車道と歩道の間は幅広い芝生になっていて、その中に、たんぽぽや、小さな草花が咲き、家々の庭はクロッカス、水仙など綺麗な色で明るくなってきています。こちらの芝生はなぜか一年中緑で、むしろ雨の少ない夏・秋が茶色ですので、種類が違うのでしょう。人々は土を掘り返し、庭の手入れをして、これから来る美しい季節に備えています。気温が日中10度位になる日もあり、太陽の日差しも少しずつ増えてきて、散策するのに良い季節になってきました。

ミル・クリーク川
2月28日:ミル・クリーク川。幅7〜8m位、水量は多く、街中の家の傍、公園脇などを、いつも滔滔と流れている。曇りの日に写したので少し暗い。
自然豊かなこの辺りは小鳥も多く、朝早くから綺麗な声を聞かせてくれます。飛んでいたり、大きな樹の枝に止まっていたり、目と耳を楽しませてくれますが、残念ながら啼いているの鳥の名は分かりません。いつか調べようと思っていますが。我が家の近くの小さな川:ミル・クリークも、春の水を豊かに流しています。街の中を様々に蛇行している川は、多分、昔のままの面影を残しているのでしょう。川岸の木々の自然な様子、その影を映し、葉を浸しながら流れている川には、プラスティックなどのごみがありません。自然を大切にするセイラム魂なのでしょうか。家々の庭はもとより、道路の落ち葉なども度々掃除をしていて(多分清掃局)街の美観を保っているようです。

ウィラメット大学の構内の早咲きの桜
2月28日:近くの家の前庭に咲いているクロッカス。こちらの家は道路に面して垣根がなく、庭が綺麗に手入してあるので、これからの季節、散歩が楽しい。
学校に行く日には、6時半に目覚ましが鳴ります。夜の明けるのが一番遅いクリスマスの頃は、窓が未だ真っ暗で、バスに乗る7時半頃にやっと明るくなり始めていたのですが、今では起きる頃には、窓から明かりが射しこむようになりました。バスに向かう道の真正面、遠くの山脈から日が昇り、天気の良い日には木々、家々をまぶしく照らし始めます。朝の未だ開けきらない内に見る、薪の暖炉から上がる煙は、一段と気持ちを豊かにしてくれましたが、もうしばらくで見えなくなると思うと寂しい気持ちにもなります。冬眠はしないけれど、動きが静かになっていた近所のリスも電線をつたったり、樹の幹を登り降りして活発になってきました。

ウィラメット大学の構内の早咲きの桜
3月1日:ウィラメット大学の構内に早咲きの桜があった。青空に満開の桜の花が映えてとても綺麗。セイラムでこんなに早く桜を見ることが出来るとはビックリ。
先日、初めて稲光・雷鳴をききました。まさに、春雷です。でも同時にあられも落ちてきて、冬と春の間にいるのを実感しました。その後には虹が出ていて、目まぐるしく変わるセイラムの天気を象徴している様だと改めて思いました。夏に見た虹は、地面から高く立ち上がっていましたが、今度の虹は地面低くかかっていて、何か未 だ私の出る幕ではないので済みませんと言っているようでした。

これからセイラムの街は、木々の緑と様々な花で彩られる、美しい季節となります。

2004/03/02-from etsuko
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