■ セイラムの風〜From Etsuko #006--感謝祭(Thanksgiving Day)
セイラムの風 目次
案山子
案山子が飾ってあるのを近所でやっと1軒見つけました。かぼちゃはハロウィンの時のもののようでした。
11月第四木曜日(今年は27日)はアメリカ一斉の休日「感謝祭」です。
この日から金、土、日と4連休になり、皆とても楽しみにしています。
感謝祭の日は商店もどこも休みなので、うっかりして食べる物がない、足りない物が・・・という事のないよう、前日までには買い物を済ませます。
テーマグッズは案山子、でも、ハロウィンの様に家を飾ることはあまりせず、家族が集まって、一緒に食事をし、遊び、いろんな事に感謝をする日なのです。

私たちの初めての感謝祭は知人のリーアさんが招待して下さり、リーアさん手作りの伝統的なデイナーをご馳走になりました。
まず全員で感謝の言葉を言い、それから食事になります。

”感謝の言葉”
感謝のお祈りの言葉
感謝のお祈りの言葉を知らない私たちのために、リーアさんが書いて下さり、これを読みながらお祈りしました。
For every happy blessing
全ての喜びと恵みの
That brightens each new day
輝ける毎日を
For food and friends and family
食事と友達と家族のため
Thank you God we pray
神様に感謝の祈りを捧げましょう


”ディナー・メニュー”
ターキー:グランベリーソース添え。丸ごとターキーは2時間かけてオーブンで焼いたそうです。
マッシュポテト:グレービーソースをかけて。
グリーンビーンズ:茹でてあります。
シードルゼリー:ホイップクリーム添え
パンプキンパイ:25cmくらい
パン、ワイン、コーヒー。

前菜の可愛い器に入ったシードルゼリーは、小さく切ったりんごの入ったローズ色の美しいゼリーで、ちょと酸味があって甘くなく、ホイップクリーム(これも甘みなし)はお好みで。
メインのお皿には、薄切りにしたターキーにマッシュポテトと茹でたいんげんを添えて。
デザートは甘いパンプキンパイとコーヒー。。。
開拓時代を偲ばせる歴史の一面を垣間見ることのできた、楽しい夕食でした。

料理は思ったより素朴な感じでしたが、昔は年に一度の大変なご馳走だったことでしょう。
生きるため食物を得るのがいかに大変だったかは、お祈りの言葉の最初に「food」がきていること(friendsでもなく、familyでもなく)からでも解ります。
開拓時代の人の厳しい生活や苦労を思い浮かべながら、今あるを感謝し、これからに希望を託し皆で過ごす一日はとても貴重なものだと思いました。

学校の感謝祭パーテイーの様子。
学校の感謝祭パーテイーの様子。
私たちの学校でも前日26日に感謝祭のパーテイーがありました。これは伝統的な感謝祭ではなく、ポットラック(Pot Luck)と言って、先生、生徒が各々の国の料理を持ち寄り、一緒に食事をし、歌を聴き、歌い、皆で楽しむパーテイーでした。
アメリカ、メキシコ、ロシア、中国、韓国、タイ、カンボジア、日本などの郷土色豊かなお料理に、これは何?といいながら食べるのも、面白いこと、地元の新聞「The Stateman Journal」にこの記事が載り、その中の写真の隅に私が写っていたのもビックリ。
感謝祭の翌日は「After Thanksgiving(Sale)」と呼ばれる、年間で最大の大安売り日です。
大きなスーパーやモールでは早朝5時開店のところもあり、開店前から大勢の人が並んでいて大混雑、怪我人もでる騒ぎで、これも新聞に大きく記事がでました。

「The Stateman Journal」紙
「The Stateman Journal」紙に掲載された、学校の感謝祭パーテイーの記事です。
「感謝祭」についてのクラスの教材の抄訳です。

「Thanksgiving Day」アメリカの法律で定められたこの祭日は、最初、ニューイングランド の初期の植民地時代に祝われました。起源はたぶん世界の多くの地域の伝統的な収穫祭なのでしょう。
1621年最初の収穫祭がプリマスの開拓者によって行われ、州知事ウィリアム・ブラドフォードは植民地開拓者とインディアンによって分かち合われる「感謝と祈りの日」を公布しました。
次第に習慣は収穫の後、年に一度の感謝の祝賀として、ニューイングランドに普及し、後、アメリカ革命の時、それは国家的な感謝の日となるようアメリカ植民地会議によって提案されました。
1817年ニューヨーク州は年一度の祭日として、感謝祭を採用、そして19世紀には多くの州が同じ様に採用しました。
1863年アブラハム・リンカーン大統領は感謝の日を国家の行事として指定し、それ以降の大統領は、その日に声明を発布し、次第に感謝祭は11月第四木曜日に定まってきました。

私には歴史上のことなど、よく解らないことがあり、調べてみました。その一部を書いてみます。(広辞苑より)

【ニューイングランド】
アメリカ合衆国大西洋海岸北部の地方。行政上、メーン、ニューハンプシャー、ヴァーモント、マサチューセッツ、ロードアイランド、コネチカットの6州に分かれる。
イギリスの宗教的圧迫を逃れた清教徒(ピルグリム・ファーザーズ)が最初の植民地を建設した地。

【プリマス】
イギリス、イングランド南西部デヴォン州の港湾都市。1620年ビルグリム-ファーザーズはここを最後の寄港地としてアメリカへ向かった。
アメリカ、ボストン南東の小都市。ビルグリム-ファーザーズの最初の上陸地。

【清教徒】
16世紀後半、エリザベス朝時代に、イングランド国教会に残っていたカトリック的要素にあきたらず、カルヴァン主義の立場から信仰と生活の清純を保とうとした人々。長老派・独立組合教会派・バプテスト派などを含む。その一部は17世紀前半にニューイングランド植民地に移住。ピューリタン。


今回は感謝祭について書いてみました。この日はアメリカの法定休日なのですが、いわゆるお祭り騒ぎをするのではなく、家で家族揃って静かに祝うお祭りです。それだけアメリカ人にとっては意義深く、大切なものなのでしょう。 アメリカ人が、大事な祭日を一つだけ選ぶとすると、それは、独立記念日でも、正月でもなく、クリスマスでもなく、感謝祭であると言っても大げさでないように感じました。

2003/12/10-from etsuko
セイラムの風 目次
MAILHOME
Copyright cafe etsuko All rights reserved.