芳賀路の汽笛
 DD13形ディーゼル機関車について
・真岡鐵道の前身は日本国有鉄道真岡線ですが、昭和45年3月5日真岡線蒸気機関車全廃時に置き換われたディーゼル機関車はDD13形でした。水戸機関区真岡機関支区へのDD13形配置は蒸気機関車全廃の1年前の1969年(昭和44年)3月でDD13形131号機の1両のみが配置されていました。1970年(昭和45年)には水戸機関区真岡機関支区への配置は「0」となり、真岡線運用車両は水戸機関区から真岡機関支区への駐留車輌扱いとなりました。水戸機関区にはDD13形が12両配置され真岡線貨物列車運用に1〜2両が運用に入っていました。1972年(昭和47年)には水戸機関区にもDE10形の配置が始まり、その配置数両分のDD13形が配置転換もしくは廃車へと追い込まれて行き、1973年(昭和48年)にはDD13形とDE10形の勢力分布も逆転、水戸機関区の配置はDD13形が9両、DD13形は6両となりました。真岡線へのDE10形入線もこの頃と考えられます。しかし、1978年(昭和53年)10月1日には益子〜茂木間各駅貨物営業廃止となり貨物列車は益子までの運用となりました。1980年(昭和55年)2月20日には久下田駅貨物営業廃止。そして1982年(昭和57年)11月1日下館〜益子間、貨物運輸営業廃止となって真岡線貨物列車の運用廃止となりました。当時水戸機関区に配置されていた車両はDD13形が349号機・356号機の2両。DE10形は60号機・61号機・101号機・145号機・147号機・570号機・1136号機・1137号機・1749号機の10両でした。

・真岡鐵道で活躍していたDD13形55号機の前身は神奈川臨海鉄道(第3セクター1963年に創立。主な株主は日本貨物鉄道・横浜市・神奈川県・東燃ゼネラル石油・JREスチール)のDD55形4号機で、1967年(昭和42年)に富士重工業宇都宮車両工場で新製され神奈川臨海鉄道に配置されていました。DD55形は日本国有鉄道DD13形を基本設計とする神奈川臨海鉄道自社発注の車両で、19両が汽車会社・富士重工・東急車輛で1963年(昭和38年)から製造されました。僚機も初期配置車(1963年〜70年前半)は取り扱い貨物減少により1985年(昭和60年)から1990年(平成2年)にかけて5両(DD55形1〜3・6・7号機)が廃車。1992年(平成4年)から1994年(平成6年)にかけてDD55形18・19号機新製によりDD55形4・5・8号機が廃車及び譲渡されました。その後も余剰車扱いとなっていたDD55形9・10号機が2002年(平成14年)3月に廃車となりました。東急車輛で唯一製造されたDD55形11号機は、本格的廃車が始まる前の1977年(昭和52年)に早々と廃車解体されてしまいました。殆どがすでに廃車となり解体の運命をたどりましたが、DD55形5号機が東急車輛横浜工場へ譲渡され現存しています。2003年(平成15年)3月31日現在、DD55形12号機以降の8両が在籍しています。神奈川臨海鉄道で活躍していたDD55形4号機は1991年(平成3年)12月30日付けで休車扱いとなっていましたが、翌1992年(平成4年)8月1日に増備されたDD55形18号機の親製配置に伴い余剰車となり、真岡鐵道への譲渡契約締結に伴い、同年11月30日付けで神奈川臨海鉄道を除籍となりました。真岡鐵道移籍後、改番されDD13形55号機となりました。この改番は、50系客車が11・22・33番を付け、44番は欠番。DD55形4号機が55番でC12形66号機と続けました。ちなみに日本国有鉄道に在籍していたDD13形55号機は新製配置吹田第一機関区で姫路第一機関区・直江津機関区と転属後、最終配置北海道深川機関区所属ですでに廃車となっています。日本国有鉄道DD13形55号機も最後はDE10形4号機配置により休車から廃車の運命をたどりました。
真岡鐵道のDD13形55号機は、入線当初の計画ではC12形66号機牽引の「SLもおか」の回送列車が下館駅構内の配線上、蒸気機関車単独での運転が不可能な為、真岡から下館への回送列車の牽引と、「SLもおか」の後部補機役を全区間(当初は全線後部補機連結運転の計画でした)行う予定でしたが、C12形66号機の状態が良い事から、「SLもおか」は営業運転からC12形の単独運転となりDD13形は真岡〜下館の回6100レと下館〜真岡回6103レ(後に6103レ)を担当し、運行日には下館で日中待機している姿が見られました。又これまでに定期運行以外で、機関士訓練運転の為にDD13形55号機+PC3両での牽引やNHKロケ発送の無火回送C12形66号機を牽引したり、復活増備のC11形325号機を下館まで受け取りに行ったり、レールバス増備車輌牽引、マヤ検牽引等々を臨時で牽引して来ました。2002年1月、2基搭載されているエンジンの内茂木寄りエンジンよりオイル漏れ発生し、運転時は下館側1基にて運転を行いました。真岡運転区でエンジンの修理を行い一時は完治。同年6月25日から森工業により真岡運転区でDD13形55号機の全般検査が実施されました。台車を外しての大掛かりでの検査は初めての事でした。全般検査後は至って快調でしたが、2002年11月にはバッテリーが上がって下館駅構内にてエンジン始動出来ず、約6時間遅れで6103レを運行しました。2003年に入ると今度は茂木寄り変速機故障で再びエンジン片肺運転。変速機は何とか修理しましたが、同年11月には再び2基搭載エンジンの茂木寄りエンジンよりオイル漏れ発生。修理までを約2ヶ月間掛かりその間オイルの洩れた茂木寄りエンジンを停止し、下館寄りエンジン1基での片肺運転を行いました。2004年4月に3回目の茂木寄りエンジンからオイル漏れが発生。今回は真岡鐵道検修陣も度重なる不具合に根本的修理が必要と判断し、明希工業経由でDD13形のエンジンアッセンブリー調達に走りました。DD13形購入元の神奈川臨海鉄道へ出向き、修理部品調達への協議等も行いましたが、結局エンジンアッセンブリーも真岡鐵道に譲渡出来る物は無く、また神奈川臨海鉄道での余剰機購入も視野に入れて折衝しましたが、現時点ですぐに譲渡出来る車両もない事からDD13形の修理及び車両入換えについては断念さざるを得ませんでした。真岡鐵道では、DD13形に置き換える代換え機関車の選定及び譲渡についてJR東日本と折衝した結果、宇都宮運転区にて余剰機扱いとなっていたDE10形1535号機の購入が決定し、2004年(平成16年)8月24日真岡鐵道真岡へ回着しました。DD13形55号機は、2004年(平成16年)9月25・26日に最後の「SLもおか」としてのラストランとして回6100レ及び6103レにHMを付けて運転されました。DD13形55号機にHMが付けられたのは真岡鐵道入線後初めて事で、真岡鐵道10周年の時もDD13形と保線モーターカーの2両には取り付けられませんでした。「ラストラン」後、回送牽引はDE10に置き換えの計画でしたが、国土交通省関東運輸局からDE10の認可が下りず、DD13は結局10月31日まで定期運用に就きました。10月31日の最後の運転にも「さよならDD13」のHMが付けられました。11月2日にはさよなら臨時運転として、DE10と共に重連とPP運転を行い最期の走りを見せてくれました。11月3日以降は、運転区内に留置されていましたが、10日にはナンバープレート・製造銘板・前照灯・エンドプレート・尾灯等が外されました。11日には解体の為、真岡0番線に移動。16日から解体が始まりました。16日は、ガラス類・電装部品・茂木寄りエンジンラジエターが外されました。17日からは本格的解体に入り、ユンボが作業し易い用に始めに手すり等を溶断。続いて点検用扉を溶断し、下館寄りエンジンラジエターを外してから上屋部を三ブロックに溶断し鉄の爪で分解。最期にエンジンをそのままの状態でマウントを溶断して外しました。床下の配管類を取り外して17日は終了。18日は残ったフレーム部と変速機部ですが、フレームを三分割に溶断して台車と分離。そのままの状態でトレーラーに積み込まれ、あっけなく解体は終わってしまいました。

DD13形55号機履歴

1967年(昭和42年) 5月
1967年(昭和42年) 5月
1991年(平成 3年)12月30日
1992年(平成 4年) 8月 1日

1992年(平成 4年)11月30日
1993年(平成 5年) 5月 8日
1993年(平成 5年) 9月21日

1993年(平成 5年)11月10日
1994年(平成 6年) 1月14日
1994年(平成 6年) 2月15日
1994年(平成 6年) 2月18・19日
2002年(平成14年) 1月26日
2002年(平成14年) 6月25日〜7月 8日
2002年(平成14年)11月 9日
2003年(平成15年) 3月 9日
2003年(平成15年)11月30日
2004年(平成16年) 1月22日
2004年(平成16年) 4月 
2004年(平成16年) 9月25・26日

2004年(平成16年)10月30日
2004年(平成16年)11月 2日
2004年(平成16年)11月11日
2004年(平成16年)11月16日
2004年(平成16年)11月17日
2004年(平成16年)11月18日
富士重工業(株)宇都宮製作所にて落成
神奈川臨海鉄道新製配置
神奈川臨海鉄道塩浜区にて休車指定。
余剰車輌として川崎貨物駅に留置
神奈川臨海鉄道除籍。真岡鐵道への譲渡契約締結
全般検査の為、森工業入場。変速機、足回り交換。
森工業出場全般検査終了

森工業より真岡鐵道真岡回着
車両確認認可
単機運転による試運転(真岡〜茂木)
SL牽引による慣らし運転
茂木寄りENGからオイル漏れ発生
全般検査(真岡運転区にて森工業実施)
下館にてバッテリー上がりの為、ENG始動出来ず。6時間遅れで真岡着。
変速機故障。再びENG片肺運転。
再びENGよりオイル漏れ発生の為、ENG片肺運転。
ENGからのオイル漏れ修理完了。
ENGから三度目のオイル漏れ発生。ENG片肺運転。
DD13引退ラストランでHM付きで運転
最期の定期運用。HM付きで運転
さよなら臨時運転。DE10とのPP、重連運転実施
解体の為、真岡0番線に留置

解体作業開始。ガラス類・電装部品・ラジエター取り外し
上屋解体。エンジン取り外し。
フレーム溶断。解体終了。


 DD13形車両諸元表(内燃機関車)
   
形式 DD13(DD55)
番号 55
車軸配置 B−B
重量 運転整備(全)(t) 55.0
運転整備(動輪上)(t) 55.0
空車(全)(t) 52.0
換算両数 運転整備 5.5
空車 5.5
主要寸法 最大長(mm) 13600
最大幅(mm) 2836
最大高(mm) 3950
全軸距(mm) 9400
台車中心間距離(mm) 7200
動輪直径(mm) 860
性能 最大引張力(Kg) 13300
最高運転速度(Km/h) 70
ディーゼル機関 形式 DMF31SB
(連続定格)出力(Ps)/回転
速度(rpm)
500/1500
個数
動力伝達方式 液体式
液体変速機 形式 DP138M
コンバータ形式 2段4要素
変速方式 変、直
個数
動輪駆動方式 動輪駆動方式 歯車減速及び推進軸
歯数比 1:3.14
台車 形式 DT1113D
固定軸距(mm) 2200
制御 形式 機関回転数及び液体変速
装置 電磁式及び電磁空気式
回路電圧(V) 24
蓄電池 形式 8DGA2回路永久並列
個数 2X2
容量(AH) 12V200AHX4
暖房装置 温水暖房
燃料タンク容量(L) 1000X2
ブレーキ装置 DL14B空気ブレーキ、手ブレーキ
KS相当値 12.5
製造年度 1967年(昭和42年)5月
製造両数
製造会社 富士重工業(株)宇都宮車両工場
製造番号(旧) DD55 4

最終更新日、18・NOV・’04