芳賀路の汽笛

C12形蒸気機関車について

C12形蒸気機関車は大型タンク式機関車であるC10・C11形蒸気機関車が進出出来ない簡易線区で使用する事を目的とした、より小型の近代的タンク機関車として誕生しました。1932年5月に簡易建設規定が制定され、ロカール線区は乙線(線路規格)よりも弱い丙線が作られるようになりました。C12形蒸気機関車はこのような線区の建設や完成後の列車に使う目的としていた為、軽量・小型である事が求められました。全面的に溶接構造を採用するなど当時としては画期的な製造技術を採用するなどして、軸重軽減と製造コストの削減に成功しただけではなく、さらに運用・保守などのメンテナンスコストの低減を徹底した事が特徴です。運用速度の関係から除煙板は初めから取り付けられていませんでした。1932年(昭和7年)の5両を手始めに1947年(昭和22年)に生産が終了するまでに293両が汽車製造・川崎車輛・三菱重工業・日立製作所・日本車輛で製造されました。日本国有鉄道が発注したものが282両ですが、私鉄に導入され再び国鉄に戻ったC12265〜275号機があり、結局製造数は293両になります。配置先は当初の目的通り九州から北海道まで全国に及び、小型ながら客・貨両用に用いられて活躍しました。日中戦争から太平洋戦争中には60両以上が中国等に渡りました。

C12形66号機履歴

1933年(昭和 8年)11月29日       日立製作所笠戸工場にて落成(製造番号517)
1933年(昭和 8年)12月08日       鹿児島機関区 新製配置 
                           主に指宿線の西鹿児島〜五位野間の客貨牽引
                           と五位野〜山川の線路建設の資材輸送等に使用。
                           鹿児島機関区での走行距離 23,852.1Km

1937年(昭和12年)12月          小牛田機関区 小牛田での運用は1938年1月25日から
                           で、石巻線で客貨牽引と石巻〜女川の線路建設資材輸送で
                           使用。
                           小牛田機関区での走行距離 1,167.2Km
1938年(昭和13年) 2月08日       宮古機関区転属 山田線建設資材輸送用で配置。
                           
1939年(昭和14年) 9月17日       釜石機関区転属 山田線全通に伴い釜石機関区に配置。
                           主に釜石駅入換と釜石線建設資材輸送に充当。
                           宮古・釜石機関区での走行距離 66,468.1Km
1939年(昭和14年)11月12日       弘前機関区転属 
                           黒石線の客貨牽引と川部及び弘前入換に使用。
                           弘前機関区での走行距離  225,769.8Km
1944年(昭和19年)10月03日       上諏訪機関区転属 辰野・岡谷・上諏訪駅構内入換
                           に充当。中央東線辰野〜塩尻の補機運用。晩年は、
                           長野機関区に貸出し飯山線でスキー臨客の牽引にも
                           充当された。
                           上諏訪機関区での走行距離1,195,866.1Km
1972年(昭和47年) 3月22日       会津若松機関区転属 国鉄長野工場で簡易路線用
                           DD16形DLの完成に伴い上諏訪機関区のC12形は
                           DD16形に置換えられた。
                           C1266号機は余剰機となり廃車対象となったが、幸運
                           にも国鉄川俣線廃止に伴う地元自治体から2両のC12形
                           蒸気機関車保存対象車両として白羽の矢がたった。保存の
                           の為に会津若松機関区に転属となる。会津若松機関区
                           での運用は無し。
1972年(昭和47年) 5月13日・14日   国鉄郡山工場から岩代川俣へ保存のため有火回送
                           飯野駅跡に保存するC1260号機と共に回送された。
1972年(昭和47年) 5月14日        除籍  福島県伊達郡川俣町へ国鉄より無償貸与。

                           福島県伊達郡川俣町静態保存

1991年(平成 3年) 9月 7日       JR東日本から芳賀地区広域行政事務組合へ
                           有償譲渡契約を締結。所有権移転
1991年(平成 3年) 9月10日       C12を分解しトレーラーへの移載作業開始。
1991年(平成 3年) 9月13日〜14日  川俣町から真岡駅へ陸送。真岡駅構内に留置
1991年(平成 3年)10月 5日       真岡駅前にてSL歓迎式
1992年(平成 4年)12月 5日       JR東日本より解体調査開始の通知
1992年(平成 4年)12月18日       真岡駅からJR大宮工場へ陸送
1992年(平成 4年)12月28日       C1266号機動態復元に関する覚書取交し
1993年(平成 5年) 2月16日       JR大宮工場復元工事着工
1993年(平成 5年) 3月25日       分解調査結果「復元可能」の判断
1993年(平成 5年) 8月 5日       ボイラー載せ
1993年(平成 5年)10月14日       車輪入れ
1993年(平成 5年)11月17日       火入れ式
1993年(平成 5年)12月 7日       JR大宮工場構内試運転
1994年(平成 6年) 1月14日       車輛確認認可、車籍復活
1994年(平成 6年) 2月 6日〜7日   JR大宮工場から真岡鐵道へ回送
1994年(平成 6年) 2月23日       JR東日本より芳賀地区広域行政事務組合へ引き渡し式
1994年(平成 6年) 2月16日       試運転(単機運転にて真岡〜茂木)
1994年(平成 6年) 2月18日       編成牽引による試運転(18・19・22日実施)
1994年(平成 6年) 2月28日〜3月18日 訓練運転
1994年(平成 6年) 3月27日       営業運転開始
1995年(平成 7年) 6月12日〜20日  重要部検査
1995年(平成 7年) 6月14日〜15日  ボイラー性能検査
1996年(平成 8年) 3月27日       発電機故障前照灯が点かなくなる。
                           30日の運行からバッテリー点灯に変更される。
1997年(平成 9年) 1月20日〜2月4日 重要部検査。先輪切削。発電機修理
1997年(平成 9年) 7月 7日〜16日  第2・3動輪軸受け損傷、緊急修理。12・13日運休
1998年(平成10年)11月24日       NHK「すずらん」撮影の為、北海道旭川機関区へ回送。
1998年(平成10年)12月27日       NHK撮影から真岡帰着
1999年(平成11年) 3月 1日〜2日   ボイラー性能検査
1999年(平成11年) 4月18日       SL運行5周年の為、七井駅にて展示。真岡〜単機回送。
1999年(平成11年) 9月20日       全般検査の為、JR東日本大宮へ回送
2000年(平成12年) 1月19日       全般検査より帰着
2000年(平成12年)12月12日       平成12年12月12日にちなみ、C121212の
                           ナンバープレートを装着して運行
2002年(平成14年) 4月28日       灰箱扉開閉不良。29日の運行を急遽C11へ変更
2002年(平成14年) 9月16日       コンプレッサー不調。DD13連結にて運行。
2002年(平成14年)11月 6日〜15日  重要部検査
2002年(平成14年)11月18日       重要部検査後試運転。運転区間真岡〜茂木。
2003年(平成15年) 2月15日       始業点検にて不具合発生。DD13連結にて運行。
2003年(平成15年) 9月27日       昇圧不良により、DD13連結にて運行。

2004年(平成16年) 4月19日〜27日  重要部検査
2004年(平成16年) 4月28日       重要部検査後の試運転。運転区間は真岡〜茂木間
2005年(平成17年) 2月11日       コンプレッサー不調。運行終了後緊急修理。
2005年(平成17年)
10月17日       全般検査の為、JR大宮車輌センターへ回送。
                           (水戸線内はDE101654牽引)
2006年(平成18年) 4月 4日       全般検査終了の為、JR大宮車輌センター出場、真岡回着。
                           (大宮3日出)
2006年(平成18年) 4月11日〜13日  全般検査終了確認試運転(真岡〜茂木)。
                           13日全般検査完了。JR東日本から真岡鉄道へ引渡し。
2006年(平成18年) 5月25日       営業運転復帰


C12形66号機主要諸元
項目 C1266
車軸配置 1C1
重量 機関車(運転整備)(t) 50.50
炭水車(運転整備)(t)
動輪上(運転整備)(t) 32.02
機関車(空車)(t) 39.54
炭水車(空車)(t)
換算両数 運転整備 5.0
空車 4.0
主要寸法 最大長(mm) 11350
最大幅(mm) 2936
最大高(mm) 3900
固定軸距(mm) 3800
全動輪軸距(mm) 3800
全軸距(mm) 8700
動輪直径(mm) 1400
シリンダ直径(mm) 400
ピストン行程(mm) 610
ピストン棒直径(mm) 70
使用蒸気圧(kgf/cm2) 14.0
火格子面積(m2) 1.30
最大動輪周馬力(Ps) 505
最大運動速度(Km/h) 75
伝熱面積 全(m2) 74.2
過熱(m2) 19.8
煙管(m2) 46.1
火室(m2) 7.4
アーチ管(m2) 0.9
ボイラー水容量(m3) 2.9
水タンク容量(m3) 5.5
燃料積載量(t) 1.5
煙管 煙管長(mm) 3200
大煙管直径(mm) 130
大煙管数(本) 16
小煙管直径(mm) 45
小煙管数(本) 68
弁装置形式 ワルシャート式
台車復元装置の種類(先台車) コロ
台車復元装置の種類(従台車) コロ
空気圧縮機
砂箱容量(m3) 0.25
K・(KS)相当値 12.3(12.6)
製造年月日 昭和8年11月29日
製造会社 日立製作所笠戸工場
記事 C1238以降アーチ管付き
参考文献:日本の蒸気機関車(講談社)、蒸気機関車(キネマ旬報社)、真岡鉄道10年史

最終更新日10・JUN・’06