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このレッスンについては文字と画像でかなり丁寧に解説をしているのですが、 この内容を読んで眺めただけでは、その体験の実際については分からない… ということが最近、はっきりしてきました。 身体的な感覚が開いていなかったり、日常的な意識のままで試しても、 このレッスンの意味には気がつかない、ということです。 もちろん、体験した人たちの中には、かなり気に入って自宅でも続けたり、 他の人にも勧めたりしているのですけれども。 ポイント― 「あっ、そうかあ!」「分かった!」という「アハー体験(Aha!)」や 「ユリイカ体験(Eureka!)」がないとき、それは「腕の立ち上げ」ではありません…。 そうした「分かった」感覚がないときには、画像にあるような「かたち」だけのこと だと思って、ぜひ再挑戦してみてください。 (7/27,2002記) |
この手順12bのレッスンは、両腕や肩・肩胛骨の筋緊張を減少させて、両腕が伸びた状態を維持するのに最低限の筋緊張に至った段階で意味のあるレッスンです。
その段階では、両腕は筋緊張によって固着しているのではなく、呼吸や心拍などに影響されて自然に揺れが生じており、そのような微細な動きも感知できるほどに感受性も開いてきていることが前提となっています。
観念誘導運動を体験することによって、意識的制御による動作ではなく、非意志的に「身体は自ら動く」という自動感を体験することによって、「制御する側vs制御される側」という分断を乗り越えることが目的です。
*なお、観念誘導とは、本人が動かすのではなく動作や動きを「思う」だけでも、その動作が起きてしまう現象です。これは、「思う」だけでも、脳から神経パルスが一定程度発射されている…という神経生理学的事実から了解される現象です。
この「腕の立ち上げ」レッスンを解説したところ、かなり気に入った方がいて、
ずいぶん練習をしたようです。そうしたら、「腕の立ち上げ」の状態(手順12aの写真)
のままで「眠ってしまった…」とのことでした。うむ。
なかなかそういう体験まではいかないのですが、思えば、「馬などは立ったまま眠る」訳で、そうすると、馬は、この「腕立ち上げ」レッスンの姿勢を逆さにひっくり返して、かつ、「四つ足でこのレッスンをしている図」というのが「立ったまま眠っている馬」…ということになりますね。
となると、「腕の立ち上げ」レッスンの前に、四つん這いの姿勢で眠ってみる…というワザを練習する方がいいのかもしれません…(^_^;。
なお、一人一人、骨格や筋肉や脂肪のつき方などが違っているため、このレッスンに簡単に入れる人もいますし、なかなか難しい人もいます。「腕の立ち上げ」状態を維持するのが難しいときは、次のようなバリエーションも試してみて下さい。
バリエーション - いずれも「腕の立ち上げ」の状態において…
さて、この「腕の立ち上げ」は腕についての動きと感覚の基本レッスンです。ある程度このレッスンを体験した後は、腕がもっている本来的な動きの発見…といった次のレッスンに入っていくことになります。
- 腕全体をいろいろな方向に傾けてみて、できるだけ少ない力で支えられる
角度を探しだす。(快適な角度が左右で違うことはよくあります。)- 手首の力を抜き、手首が折れ曲がった状態を試してみる。
- 肘の力を抜き、肘から先が、肘関節から垂れ下がった状態を試してみる。
- 肘関節から先を外側に曲げる「サル腕」の状態を試してみる。
- 仰向けではなく、横向きの姿勢で、「腕立ち上げ」を試してみる。
(この場合は、肩の内部に腕の重さの重心ができることになる)
以上。