ケミカルにはフィジカルを!

chemical vs physical

by I.M.


以下は薬のお話です。

 私は薬は飲まない方だ…と書きました。理由も、自分の体調が薬で変わって しまうと、自分で自分の体の感じが分からなくなるのが困る…ということも書きました。
ただ、こういうように「薬を否定」しているように書いてしまうと、「薬はいらないのだ・
役に立たないのだ…」などと言っているように誤解されそうなので、きちんと書いて おくことにしました。

 私の友人知人に、向精神薬を処方してもらっている人がいます。主に精神安定 剤・睡眠薬などなどのようですが、それはそれでOKだと思っています。それが本人 にとって最も適切なのでしょうから。
(薬の種類や出し方などで、病院や主治医の先生と意見が食い違ったりする場合は 、また別に考える必要があるとは思います。)

 最近、いわゆるパニックというヤツを、私ははっきりと「心の問題」と「ケミカルな 問題」とに分けて考えることにしています。心の問題とは文字通り、心の・内面の・ 問題…ということで、悩んだり苦しんだりする元になってることです。それに対して 、「ケミカル」とはchemical 「化け学的」な問題という意味です。

 パニック障害は、いわゆる「心の問題」ではなくて、主に「脳内のケミカル物質の 分泌・分解・分布状態」に寄るものと言われています。私自身は、どうも気温とか 体温の変化とかが、「生理的パニック」つまり「突発的な生理的混乱状態のきっかけ となっているように感じているわけですが、いずれにしても、それは「心の問題」では なくて、ほとんど純粋に脳内分泌系の混乱…といった「ケミカルな問題」だと思って いるのです。

 そういう意味では、最初に起きるパニック、「初回パニック」はたぶん、純粋にケミ カルな理由によるのではないかと思っています。
 その際、脳とか大脳とかの言葉を持ち出すとどうしても、精神とか神経とか下手を すると生き方とか…そういうことを持ち出されてしまいそうなので、最近は、

「内臓としての脳」 

という見方をしています。

たとえば、胃酸過多。もちろん、ふだんの生活パターンや食生活の影響がないはず はないのですが、イサンカタと聞くと、「ああ、内臓の問題なのね」と素直に思えます。
しかし、パニックだとかパニック障害だとかという言葉を使うと、またゾロ、精神とか 心理状態とか生き方とか…と知らないうちに結びつけられてしまいそうで、困るわけ です。だから…



脳味噌がイサンカタなんです…


という比喩的な言い方が面白いじゃないかと思ったりしています。たぶん、「セロ トニン過多ないし過小」というのが医学的な命名になるのかもしれませんが…。

 さて、最近は向精神薬も多種・多様にあり、いろいろととっかえひっかえしながら試 してみて、一番良さそうなものが見つかれば、かなり楽になれるわけです。基本的に は、ウツの場合には脳の神経伝達が亢進されるような薬物が使われ、興奮・混乱 状態の場合には神経伝達が遅延するような薬物が使われるわけです。
 残念ながら、私は薬を飲まないので、パニックの時に処方される薬については ほとんど無知です。すみません。「何の役にも立たない!」と怒らずにもう少しつき あってやってくださいね。

 問題は、パニック障害が主に「ケミカルな問題」が引き金になって「心の問題」化 を引き起こしてしまい勝ちだ…ということです。パニックにおびえて、鬱々したり おびえたり不安になったり…など、心の対処のあり方に「問題」を広げてしまい勝ち なのです。

 パニックを直接抑える薬があるのかどうか、私は知らないのですが、結果的に 引き起こされてしまったら、その「心の問題」の対処の方にも薬を使う…という手も 当然、考えられるわけです。
以前に書いたように、気絶してしまえば・眠り込んでしまっていれば、パニックだろう がなんだろうが、勝ったも同然!なわけなので、睡眠薬なども良いのかもしれません。

 さて、薬に頼らない私は、では、薬の代わりにどうやってケミカルに対処してい るか―ということについて。



 

「ケミカルにはフィジカルを!」

と私は呪文を唱えます。

フィジカルとは、
身体的・物理的…という意味です。たとえば、サッカーでは、選手が上体や 肩で押し合いながらボールを取りに行くとき、「フィジカル・コンタクト」身体的接触 と呼んで、身体での押し合い・へし合いの強い選手を「フィジカル・コンタクト」の 強い選手…と呼びます。
 つまり、ケミカル的な問題には、身体の側で勝負をしよう!ということなのです。 つまり、くよくよ悩んだり、考え込んだり…などのように「心」とか「思い」に沈む代わりに、身体として物理的に対処することを選択するのです。
 話は簡単です。走ったり、高速歩行したり、腕立て伏せをしたり、腹筋をしたり等々 、体を徹底的に使うことへと必死に向かうのです。「徹底的」と言っても、体をこわす のが目的ではないので、本人にとって「キツイゾ!」というちょっと前あたりか、 ちょっと過ぎたあたりまで頑張ってみる…という意味です。

パニックの最中とかに効果的だとはあまり思えませんが、パニックになりそうな感覚 の時や、ふつうの時など、フィジカル面を生活や活動の中心に置くということなのです。

 数日前、53分間、ランニングをしました。私は膝などに故障があるので長距離 ランニングは控えていたのですが、途中で5分の休みを入れたら、あれあれ…1時間 近くも走れてしまい、私は嬉しくてなりませんでした。こういうような身体的な活動は、当然、身体全体のケミカルな状態へと影響を与えないわけがないのです。
 一時期、



ランニング・ハイ

という言葉がはやりました。
長距離を走って いると、脳内に麻薬様の物質が分泌されてハイになるのだ…という話でした。麻薬様 の物質とはまさにケミカル、化け学的な物質である訳なので、走ったり運動したりする とき、これ以外にもまだまだいろいろなケミカルが大量に分泌されたり分解されたりして、脳内のケミカル状態も変化しているに違いないのです。
 実際、筋肉内で脂肪が燃えるためには「15分間、運動を続ける必要がある」と言わ れていますが、確かに、15−20分も走っていると、ふいに身体の苦しさが一挙に 抜けてなくなる不思議な時間がやってきます。それまでは苦しくて、ぜいぜい言い ながら走っているような有様ですが、この「ランニング・ハイ」がやってくると、心臓も肺も足腰の筋肉も、きっちり頑張って運動している割には、苦しくないのです。

 これがありがたい!!
こんなに苦しい中で、突然、地獄で仏のようなことが起きる!ということがありがたいのです。
パニックはパニックとして、別な意味でひどく苦しいのですが、苦しがりながら走るのも、苦しさに対処する練習にもなったりしています?!ホンマカイナ…。 こんなに余裕 があれば、まあ、だいたい何とかなるわけで、そうは問屋がおろさないようです、 残念ながら。

 いずれにしても、脳内のケミカルなバランスがどこかでおかしなるのがパニックの原因なのだとしたら、普段から、脳内を含めて、身体のケミカル状態に影響を与えるような 「フィジカル」トレーニングをしておきたいと思っているのです。
体を動かすだけで良くなるかどうかは分かりません…。しかし、苦しがりながらもスポーツ、運動をしていること によって、身体のケミカルな状態に関与していける…という感覚が助けになっているのです、私の場合は、です。

 もしも足腰や膝関節などに問題がなければ、また心臓や動脈などに問題がなけ れば、吐そうなほど走ってみる…とか、オシッコをちびるほど全力で走ってみる… などの荒療治も良いかもしれません…むふふふふ。
ここまで来るとサディストですが、ともかく、こんな考え方が「ケミカルにはフィジカルを」の中身なのでした。

なお、運動ならば何でも良いと思います。走らなくとも、腹筋運動やヒンズー・スクワットや腕立て伏せや…その他、「もうだめだ…これ以上できない…」というようにネを上げるほどキツイ運動であればますますokです。むふふふふふ。

 パニックに落ちるのがこれで少なくなるとか、少し楽になるとか…そういうことになるかどうかは、実は全く分からないのですが、試してみる価値があると実感しています。

実際、最近はあまりパニックにならなくなったのです!理由は分からないわけですが、 何か効いている感じがしているのです。

 パニックのことは別にしても、頑張って運動していれば(極端な無理をしなければ) 、身体も健康になるだろうし、もしかすると、スポーツや運動の分野でも少しは活躍 できるかもしれない…などと思えることも嬉しいですしね。

 薬にお金を使う代わりに、高級スポーツ・シューズにお金をかけたい!しゃれた トレーニング・ウェアにどっと金を使ってみたい!というのは、けっこう、良いのでは ないでしょうか。
 少し、浮ついた口調になったかもしれませんが、最近、パニックにならないので ずいぶん楽になっています。

…アア、ヤットコノアタリマデキタア…!

最近、メールをいただきました。
「…ここの文章を読んで、パニック対処の参考になりました…ありがとう」という趣旨のものでした。

私としても、このような体験談でも、それなりに役に立っている人がいる!ということで大変嬉しく思いました。

こちらこそ、ありがとう!


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