コンカリーニョ ファイナル
とうとうこの日がきてしまいました。コンカリーニョのファイナル
企画です。
偶成天を旗揚げしたころ・・・コンカリーニョが生まれました・・楽屋
がなかったりトイレがなかったり床板がなかったり・・・。私たち偶成
天も自分たちが公演をさせてくれる場所ならばワゴンに荷物を積み、仕
込みをして踊って撤収して・・・一つ一つ少しずつ活動の場所を広げて
いくことができました。気がつくと7年・・・ヨーロッパやアメリカで
の招待公演を重ねる中でこの劇場が日本の中でもとても希有なクリエイ
ティブなスペースであるということを実感しました。いつかここにいろ
いろなジャンルのアーティストが海外からやってくる劇場にしたい・・
と夢をもつようになり、そして、これから実現していこうと思っている
矢先でした。
竹内にとっては舞踏の初舞台を踏んだのもこの劇場です。大事にしても
らった劇場でもあります。卒業式のような少し複雑な気持ちもあります
。寂しいような悲しいような気持ちです。しかし、悲しんでばかりもい
られません。ここから、また始まるのだ・・と少し心が引き締まります。
日程も丁度8/15、お盆です。ここに出入りしたたくさんの観客の皆
さん・・スタッフ出演者の思いとともに大事に踊りたいと思っています
。そしてまだ来たことがない観客の方たちと出会えたら・・とも思います。
最後に今回の作品は昨年アメリカで初演しました。「あまへれや」この
言葉は頑迷な父親が初めて意地っ張りの息子にみせた優しい言葉から生
まれたものです。その父親は2年前に他界されましたが、もしかしたら
お盆なのでこの作品を見に来てくれるのではないかと思っております。
作品ができ出発間際になって丁度ワールドトレードセンターのテロがあ
り初演の翌日にはアメリカの報復がはじまったり炭疽菌がまかれたりし
たころでした。強いアメリカが国全体で怯えていた時期でした。
あまりいままで作品について書くことはしないできました。それは、見
た人たちの感じ方を操作するようなことをしたくない・・ということか
らでした。しかし今回は少しだけエピソードを書かせていただきました
。そしてこころの中ではどうかそういうことに振り回されずに見に来て
くれたらいいなあ・・とひっそり思ったりもしています。
なにかと忙しい季節ではありますが、どうか足をお運びくださいますよ
うお願いいたします。
そしてどうか、コンカリーニョという場所の最期を一緒に過ごしてください。
偶成天 竹内実花
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