プロパガンダX
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第1話 弱小柔道部の十年ぶりの県大会出場
地方都市にある、創立百周年をこえる伝統校に、その柔道部は存在した。かつては強豪校としてならして、地区大会では何度も優勝していた部
であった。 しかし、ここ数年、部員も満足に集まらず、地区大会で敗退を続けていた。 そんな中、細くて背の高いだけの初心者が入部してきた。
この男は練習熱心であったが、試合では秒殺された。 その男が2年生の時、柔道部は県大会出場への絶好のチャンスを得る。 満を持して出
場したその大会で、県大会出場をかけて対戦した。 チームのガンは男一人であったが、なんと男は奇跡の縦四方固めを決めて勝ってしまう。 残
された2名は、3年生の主将と副主将。相手は1年生。誰もが勝ったと思ったが、なんとその1年生に2人とも敗れて、県大会出場を逸した。
悔しかった。
男達は最上学年になった。男は、なんと主将になった。柔道のセンスはともかく食欲は人一倍あった。男は練習熱心であった。
しかし男は、投げ技のセンスがゼロだった。3年生になろうかとした冬、顧問はやけくそで男に「内股」を教えた。(オリンピック金メダルの井上康生
の得意技である)
残された時間はあと半年
男の技は練習でも滅多にかからなかった。そして県大会出場をかけた地区大会。 相手は奇しくも、1年前に敗れた学校である。しかも男の相手
は前年、前主将がやられた選手だった。 ちなみに男は、練習ではいつも前主将にボコボコに投げられていた。常識的には勝ち目ゼロである。
絶体絶命のピンチ
試合が始まり、一点リードされた場面で男は出てきた。 男は顧問の指示通りに組み勝って、思い切り内股をかけた。
そして、奇跡がおこった
男の内股は、きれいに決まり、男は一本勝ちした。勢いに乗って、男達は10年ぶりに県大会に出場した。
技が決まらないで苦労した男の最高の晴れ舞台だった。男達は県大会でも初戦を突破した。
その後の物語です。
男が卒業した後も男達の学校は県大会出場を続けている。
男は高校卒業後は柔道をやめ、ローソンでバイトをしながら、大学に通っているらしい。
風の噂では、あやしげなホームページを作ったり、変な掲示板に書き込んだりしているらしい。