【平成15年度税制改正概要2(企業編)】

平成15年度の企業関係の主な税制改正の内容をご案内いたします。
改正項目は他にもありますが、中小企業にとって重要と思われるものをピックアップしました。

主な改正項目
1.消費税法の改正
2.IT投資促進税制の創設
3.少額減価償却資産の特例の創設
4.交際費課税の軽減
5.同族会社の留保金課税の軽減
6.事業税の外形標準課税の創設

改正内容
1.消費税法の改正
1)免税点の引下げ
 消費税の納税義務が免除される要件である基準期間の課税売上高が3,000万円以下
から1,000万円以下に引き下げられます。

2)簡易課税制度の改正
 簡易課税の適用要件である基準期間の課税売上高が2億円以下から5,000万円以下
に引き下げられます。

3)中間申告制度の改正
 直前の課税期間の年税額が6,000万円を超える事業者は、消費税の中間申告納付を
毎月(改正前は3月毎)行わなければならなくなりました。

4)総額表示の義務化
 事業者が消費者に対して取引価格を表示する場合には、消費税額を含めた価格を表
示することが義務付けられます。

5)適用時期
 上記1)、2)、3)の改正は、平成16年4月1日以後に開始する課税期間(個人の場合
は、平成17年分から適用されます。
 上記4)の改正は、平成16年4月1日から適用されます。

2.IT投資促進税制の創設
1)概要
 企業が一定のIT関連設備等を取得した場合、取得価額の10%の税額控除または
得価額の50%の特別償却をすることができる制度です。

2)対象設備
 電子計算機、デジタル複写機、ファクシミリ、ICカード利用設備、デジタル放送受信設
備、インターネット電話設備、ルーター・スイッチ、デジタル回線接続装置、ソフトウエア

3)金額要件
(1) ソフトウエア以外
同一種類の複数台の合計取得価額が140万円以上(資本金3億円超の法人は
600万円以上)

(2) ソフトウエア
合計取得価額が70万円以上(資本金3億円超の法人は600万円以上)

4)リース税額控除
(1) 対象者:資本金3億円以下の企業者等

(2) リース期間:4年以上でかつ法定耐用年数を超えないこと

(3) 金額要件
イ.ソフトウエア以外
 同一種類の複数台のリース費用の総額の合計額が200万円以上
ロ.ソフトウエア
 リース費用の総額の合計額が100万円以上

(4) 控除税額:リース費用の総額×60%×10%

3.少額減価償却資産の特例の創設
 資本金1億円以下の企業者等が平成15年4月1日から平成18年3月31日までの間に、取得
価額30万円未満の減価償却資産を取得した場合には、取得価額の全額を損金算入するこ
とができます。

4.交際費課税の軽減
 交際費の損金算入が認められる法人の範囲を資本金5,000万円以下から1億円以下に拡大
し、支出交際費の400万円までの部分の損金不算入割合が10%に引き下げられました。平成
15年4月1日から平成18年3月31日までの間に開始する事業年度について適用されます。
(改正前)
資本金
損金に算入できる額
5,000万円以下 400万円と交際費の額のいずれか少ない額 × 80%
5,000万円超 0円
(改正後)
資本金
損金に算入できる額
1億円以下 400万円と交際費の額のいずれか少ない額 × 90%
1億万円超 0円

5.同族会社の留保金課税の軽減
1)概要
 同族会社の所得の内部留保額が一定の額を超える場合に、その超える金額に対し、
所定の税率で、通常の法人税とは別に法人税が課税される制度です。
 創業10年以内の中小企業、その他所定の企業については、現在、留保金課税が停止
されています。

2)改正内容
 資本金1億円以下の法人で自己資本比率が50%以下である場合には、平成15年4
月1日から平成18年3月31日までの間に開始する事業年度について留保金課税が停止
されます。
 自己資本には同族関係者からの借入金も含まれますので注意が必要です。
 この改正に伴い、資本金1億円以下の中小企業の留保金課税に対する税額が5%減
額される特例が廃止されました。

6.事業税の外形標準課税の創設
1)概要
 事業税の課税標準に所得以外に付加価値額および資本等の金額を加えて課税する
制度が創設されました。
 平成16年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。

2)対象法人
 資本金1億円超の法人(公益法人等を除く)

3)課税標準
(1) 付加価値額 :単年度所得+報酬給与額+純支払利子+純支払賃借料
(2) 資本等の金額:資本金+資本積立金

3)税率
(1) 付加価値割:0.48%
(2) 資本割  :0.2%


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